妊娠高血圧症候群は、いつ発症しやすい?薬は飲むの?産婦人科医130名に聞きました

椅子に座る女性
妊娠高血圧症候群の診断が最も多い時期は、「妊娠9-10ヶ月」という回答でした。また、妊娠高血圧症候群で血圧の薬が始まるのは、「安静、減塩でも血圧が高い時」と「重症化した時」という結果になりました。
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妊娠高血圧症候群は、妊娠中に起こる病気で、血圧上昇、浮腫、タンパク尿などが代表的な症状です。
ひどくなると母子ともに危険がおよぶ可能性があり、注意が必要です。
では、そんな妊娠高血圧症候群は、いつ発症しやすいのでしょうか?
そして、血圧の病気であれば、経過のなかで薬を飲むことがあるのでしょうか?
妊娠高血圧症候群の妊婦さんを診察した経験を持つ130名の産婦人科医に、これらの疑問について聞いてみました!

※ 本調査は医師専用コミュニティサイト「MedPeer(https://medpeer.jp/)」にて2017年8月30日から同年9月11日にかけて行われ、産婦人科医130名から回答をいただきました。

妊娠高血圧症候群は、妊娠9-10ヶ月に多く見られる

図1
  • 50代男性 産婦人科 妊娠9ヶ月〜妊娠10ヶ月頃
    軽症例は、満期近くに一番多いです。ただ、総合周産期での経験は重症例は28週以前発症例に多いです。その多くは加重型で、腎炎などの背景疾患が多いと思います。
  • 40代女性 産婦人科 妊娠9ヶ月〜妊娠10ヶ月頃
    妊娠末期の頻度が高いですが、早い時期から発症する妊娠高血圧症候群は重篤なことになる頻度が高いです
  • 50代男性 産婦人科 妊娠9ヶ月〜妊娠10ヶ月頃
    軽症の遅発型妊娠高血圧は9-10か月に多いですが、重症の早発型は6-8か月ごろが多いと思います。
  • 50代男性 産婦人科 妊娠9ヶ月〜妊娠10ヶ月頃
    後期発症は症状もいきなりで、本人や家族の受け入れもできておらず、特に蛋白尿が主症状の例はリスクが高いです。
  • 60代男性 産婦人科 妊娠8ヶ月〜妊娠9ヶ月頃
    8カ月以降に多く見られます。血圧上昇、蛋白尿を確認することが多いです。
  • 70代男性 産婦人科 妊娠8ヶ月〜妊娠9ヶ月頃
    減塩食を薦めると同時に過食と早食いをやめ、休養と睡眠を十分とるよう指導しただけで降圧したことがあります。
  • 40代女性 産婦人科 妊娠8ヶ月〜妊娠9ヶ月頃
    (血圧が)急に上がるケース、徐々に上がるケースがあります。

妊娠高血圧症候群の診断が最も多い時期は、妊娠9-10ヶ月という回答でした。
種類として早発型と遅発型があり、早発型と呼ばれる妊娠の早い段階(妊娠32週未満)で妊娠高血圧症候群を発症してしまう場合は、重症になりやすいようです。
コメントのなかには、減塩食、休養、睡眠を指導して血圧が下がった例があったようで、妊婦さん自身も重症化しないように努力することは大事そうです。

血圧の薬は、安静・減塩してもダメな時、重症化した時

図2
  • 60代男性 産婦人科 安静、減塩でも血圧が高い時
    安静、減塩でも血圧が上昇傾向にあれば降圧剤を投与することがあります。重症化すれば至急入院管理で緊急帝王切開術になることのほうが多いです。
  • 40代男性 産婦人科 安静、減塩でも血圧が高い時
    血圧コントロールをしなければ、胎児の状態や母体の状態にも悪影響が出てきます。
  • 50代女性 産婦人科 安静、減塩でも血圧が高い時
    なるべく早く分娩に持って行きたいです。それが無理な場合は血圧や蛋白尿などから判断します。
  • 50代男性 産婦人科 安静、減塩でも血圧が高い時
    基本は分娩です。投薬は分娩までのつなぎとかんがえます。
  • 50代男性 産婦人科 安静、減塩でも血圧が高い時
    早期発症の場合は、高次医療機関に紹介します。36週以降は分娩に向かいます。
  • 50代男性 産婦人科 重症化した時
    重症化し、妊娠継続が必要な場合および分娩とする場合の緊急降圧に使用します。
  • 50代男性 産婦人科 重症化した時
    原則として産婦人科診療ガイドラインに則って行うべきだと考えます。
  • 50代男性 産婦人科 重症化した時
    基本的に薬物使用するなら入院管理が必要と思います。

妊娠高血圧症候群で血圧の薬が始まるのは、「安静、減塩でも血圧が高い時」と「重症化した時」という結果になりました。
「血圧コントロールをしなければ、胎児の状態や母体の状態にも悪影響がある」としたコメントがあり、妊娠高血圧症候群で血圧が上がってきてしまった時は注意な状態のようです。
なかには「なるべく早く分娩に持って行きたい」「基本は分娩です」といったコメントもみられ、妊娠高血圧症候群が重篤になった時の対応は、一刻の猶予を許さない状況になることが想像できます。
「早期発症の場合は、高次医療機関に紹介します」というように、重症の際は転院になる可能性も念頭に置く必要がありそうです。

妊娠高血圧症候群は、重症化すると危険な病気

本調査によれば、妊娠高血圧症候群の診断が最も多い時期は、「妊娠9-10ヶ月」という回答でした。
また、妊娠高血圧症候群で血圧の薬が始まるのは、「安静、減塩でも血圧が高い時」と「重症化した時」という結果になりました。
妊娠高血圧症候群は、重症化すると入院管理や分娩というコメントを複数の産婦人科医がしていたことから、妊婦さんの側も危険な病気だと認識しておく必要がありそうです。

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