どうにかしたい、妊娠中の頻尿!産婦人科医150名からアドバイスをもらいました

ハートを持っている女性
数ある妊娠期の症状の一つでもある「頻尿」。調査の結果、頻尿は特に「妊娠後期」にひどくなり、対処方法としては「尿漏れパッド・おりものシートの使用」、「身体を冷やさないようにすること」などが挙げられていました。尿意を我慢することによって、「膀胱炎」や「腎盂腎炎」を引き起こすことがあり、注意が必要です。
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妊娠初期に、つわりや眠気、めまいなど妊娠特有の症状に悩まされている方もおられるのではないでしょうか。
今回は、そんな症状のうちの一つである「頻尿」について取り上げたいと思います。

  • どうして妊娠すると頻尿になるの?
  • 頻尿の対処方法は?
  • ずっと我慢していたらどうなるの?

など、なかなか人には相談しにくいことについて、産婦人科医154名にアンケート調査を実施しました!

※ 本調査は医師専用コミュニティサイト「MedPeer(https://medpeer.jp/)」にて2017年8月10日から同年8月21日にかけて行われ、産婦人科医154名から回答をいただきました。

まずは、頻尿になりやすい時期について聞いてみました。

最も頻尿になりやすいのは「妊娠後期」

図1
  • 60代 男性 産婦人科 妊娠後期
    妊娠初期も増大する子宮が、膀胱容積を制限し頻尿になりますが、妊娠後期の方がより頻尿になりやすいです。
  • 60代 女性 産婦人科 妊娠後期
    循環血液量が増加する時期、すなわち妊娠後期に、体重が増加すれば頻尿になります。
  • 40代 男性 産婦人科 個人差があるので、特に期間は定められない
    妊娠初期は悪阻で尿量が減って膀胱炎になりやすいですし、後期は子宮で膀胱が圧迫されて頻尿になりやすいので、特に週数は関係ないと思います。
  • 60代 男性 産婦人科 個人差があるので、特に期間は定められない
    妊娠中は、どの時期も子宮、卵巣、必尿器系の血流が増すため、頻尿状態になります。
  • 50代 男性 産婦人科 妊娠初期
    妊娠中の方が頻尿になりやすい時期は、妊娠初期と後期です。

本調査では、「妊娠後期」に最も頻尿になりやすいとする意見が過半数となりました。
医師のコメントにもあるように、妊娠後期になると増大した子宮が膀胱を圧迫してしまうことで頻尿となってしまうようです。
一方で、「妊娠中は常に頻尿状態にある」とする見解もあり、「個人差があるので、特に期間は定められない」とした医師が多くいました。
また、子宮が増大し始めるため「妊娠初期」も頻尿になりやすい時期としてあげている医師もいました。
このように、人によって時期に差がある場合もありますが、妊娠中は頻尿になりやすい傾向がある、という主張は医師たちの間でも一貫していました。
残念ながら、妊婦さんにとって頻尿の症状は避けては通れない道のようですね。

妊娠中に頻尿になってしまうと、外出が億劫になってしまったり、尿漏れの心配をしたりと、ストレスの元になりかねませんよね。
そこで、次は妊娠中の頻尿の対処方法について産婦人科医の方々にお聞きしました!

頻尿だからといって水分制限は厳禁‼

尿漏れパッド・おりものシートで頻尿は対処しよう

図2
  • 50代 男性 産婦人科 尿漏れパッド・おりものシートの使用
    残尿感など、明らかな膀胱炎症状がなければ、妊娠中の生理的な要素もあることをお話して、まず落ち着いてもらいます。
  • 60代 男性 産婦人科 尿漏れパッド・おりものシートの使用
    カフェインの摂取を控えることと、身体を冷やさないようにすることをお勧めしています。
  • 40代 女性 産婦人科 尿漏れパッド・おりものシートの使用
    トイレに行かないと、くしゃみなどで尿漏れすることが多かったのでパットをあてていました。
  • 40代 女性 産婦人科 体を冷やさないようにする
    水分制限はせず、頻回排尿を勧めます。
  • 30代 女性 産婦人科 その他 特になし
    妊娠後期の頻尿はやむを得ないものだと思っています。

本調査では、頻尿の対処方法として「尿漏れパッドまたはおりものシートの使用」が医師の支持を最も多く得る結果となりました。
なかには、医師のコメントにもあったように、頻尿は妊娠中なら誰でも起こり得る症状であると説明し、悩んでいる妊婦さんの不安を取り除くことを重視している医師もいました。
また、身体を極力冷やさないようにすることや、頻尿だからといって水分制限をするのではなく、頻回排尿をすすめるといったコメントも見られました。
特に、水分制限をするべきではない、という見解は複数の医師が示していました。
頻尿は、妊娠中によくある症状の1つであるため、「対処方法は特になし・やむを得ない症状」とする医師の声も多く見受けられました。

最後に、尿意を我慢してしまうことで引き起こされる病気について聞いてみました。

膀胱炎や腎盂腎炎に要注意

図3
  • 50代 男性 産婦人科 膀胱炎
    直接の胎児への影響はないでしょうが、膀胱炎から腎盂腎炎になると入院加療が必要になります。
  • 60代 男性 産婦人科 膀胱炎・腎盂腎炎
    膀胱炎から腎盂炎への進展はしばしばあり、腎盂炎で高熱がでたりすると、早産が誘発される可能性もあると思います。
  • 40代 女性 産婦人科 膀胱炎・腎盂腎炎
    膀胱炎は多いが、軽度なためそのまま様子を見ることが多いです。腎盂腎炎にまでなるケースは少ないです。また、高熱が続くようなことがなければ胎児への影響もほとんどありません。
  • 30代 女性 産婦人科 膀胱炎・腎盂腎炎・尿路結石
    妊娠中は膀胱炎にとどまらず、腎盂腎炎に波及しやすいです。

調査の結果、尿意を我慢することで「膀胱炎」になってしまう確率が高い、と指摘した医師が64%と過半数を占めました。
医師のコメントにもあるように、膀胱炎自体は胎児への影響はほとんどないですが、膀胱炎から腎盂腎炎になってしまうと、高熱や入院の可能性がでてくるため、胎児への影響が懸念されるとのことでした。
このように、尿意を我慢することによって、膀胱炎や腎盂腎炎の可能性が高まってしまうため、妊娠中の頻尿の場合は、水分摂取を制限するのではなく、できるだけ頻回排尿を心掛けるようにした方がよいのかもしれませんね。

※腎盂腎炎とは・・・
尿を逆流して腎臓内に細菌が感染し、炎症を起こした状態です。発熱、腰痛、倦怠感といった症状が出る病気で、主に抗生剤治療になりますが、ひどい場合は入院治療になることもあります。
詳しくは、以下の大学病院のホームページをご覧頂けるとわかりやすいと思います。

参考:腎盂腎炎 - 泌尿器科の疾患と治療:東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 腎泌尿器外科学教室 

頻尿は「病気」ではなく、妊娠期特有の「症状」

本調査によると、妊娠中の頻尿は「妊娠後期」にひどくなることがわかりました。対処方法は「尿漏れパッド・おりものシートの使用」、「頻回排尿を心掛けること」が挙げられていました。
また、尿意を我慢することで「膀胱炎」や「腎盂腎炎」になってしまう可能性があり、ひどいと入院の危険性も高まってしまうため、注意が必要です。
初めての妊娠で、全ての体の変化に敏感になり、これは病気なのかもしれない…、赤ちゃんは大丈夫だろうか…、と一人で不安を抱え込みがちな妊娠期。
今回取り上げた医師の意見を参考に、赤ちゃんもママも健やかな妊娠生活を送りましょう!

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