低置胎盤は改善することがある!?治療や安静度について産婦人科医131名に聞いてみた

お腹を押さえる女性
低置胎盤の安静度に関して低置胎盤では出血していなければ、あまり安静を意識しすぎなくてもよいという結果でした。また帝王切開になるケースは、比較的あるようですが、妊娠の経過のなかで低置胎盤が改善することもあるようです。
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胎盤が正常より低い位置と定義される低置胎盤。
前置胎盤と並んでハイリスクな状態と言われていますが、妊婦健診でしばしば見つかることがあります。
もし低置胎盤になってしまったら、どれくらい安静にすればよいのでしょうか?出産では帝王切開になるのでしょうか?
また、妊娠中に低置胎盤が改善することはないのでしょうか?
低置胎盤にまつわるこれらの疑問を、産婦人科医に聞いてみました!

※ 本調査は医師専用コミュニティサイト「MedPeer(https://medpeer.jp/)」にて2017年8月23日から同年8月28日にかけて行われ、産婦人科医131名から回答をいただきました。

まずは、低置胎盤と診断されたら安静にするべきなのでしょうか?

低置胎盤は、出血がなければある程度動いてよい

図1
  • 60代男性 産婦人科 特に制限はない
    分娩時以外に妊娠中に出血するとしたら他の原因か、辺縁前置胎盤と思います。低置胎盤で妊娠中に基本的には出血しません。
  • 40代女性 産婦人科 特に制限はない
    出血していなければ特に安静は必要ありません(通常の妊婦と同様)。
  • 60代男性 産婦人科 無理しなければ適度な外出、家事は可
    頸管長が十分ある場合はいわゆるmigrationが期待できるため、あまり早くからの制限はせずに、27〜28週くらいまで慎重にフォロ-し、高次施設に紹介するかどうか判定します。ただし警告出血のあった場合は安静度をより厳しく求めます。その場合は、基本入院か紹介です。
  • 60代男性 産婦人科 無理しなければ適度な外出、家事は可
    ある程度は家事をしないと家が成り立たない女性も多いと思います。しかし、遠くへ旅行に行くのはやめて欲しいですね。
  • 50代男性 産婦人科 無理しなければ仕事も可
    前置胎盤なら、結構出血あたりしますが、低置胎盤は分娩時に問題になりはせよ、妊娠中はあまり問題にはなりません。
  • 60代男性 産婦人科 無理しなければ仕事も可
    低置胎盤や前置胎盤の出血は、寝ていても出ます。(血が)出たら帝王切開ですが、それまでは、ほぼ普通の生活で良いです。

調査では、「特に制限はない」とする回答が最も多く、「無理しなければ適度な外出、家事は可」、「無理しなければ仕事も可」が続く結果となりました。
医師のコメントをみると、低置胎盤では出血していなければ、あまり安静を意識しすぎなくてもいいようです。
ただし、出血してしまうと安静度は厳しくなるといったコメントがあり、その際は入院なども考慮する状況のようです。

次に、低置胎盤は帝王切開になるのでしょうか?
こちらも聞いてみました。

低置胎盤は、帝王切開になることがしばしば

図2
  • 60代男性 産婦人科 多少ある
    診断時期にもよります。早すぎると、移動して行くので、9ヶ月なら、遷延分娩になれば、無理せず、帝王切開に切り替えたほうが良いです。
  • 50代男性 産婦人科 多少ある
    経腟分娩のリスクについて説明し、希望あれば予定帝王切開としています。また分娩中に出血増加あれば帝王切開としています。
  • 60代男性 産婦人科 多少ある
    経腟分娩可能と判断した症例で、大量出血で帝王切開になった症例があります。
  • 50代男性 産婦人科 大いにある
    今は大いにある、かつては多少ある、時代による治療法の変遷も考慮すべきです(ガイドラインもあるので)。
  • 50代男性 産婦人科 大いにある
    診療ガイドラインでもありますが、最近では帝王切開を勧め、皆さん了解して受けておられます。
  • 50代男性 産婦人科 あまりない
    出産近くになっても、内子宮口~2cm以内に胎盤があれば帝王切開にしています。
  • 40代男性 産婦人科 ほとんどない
    一応、かなり(位置が)低いときは、帝王切開のムンテラはしますが、他に合併症が無ければ基本的には経腟トライします。

調査では、低置胎盤で帝王切開になるケースは、医師の7割以上が「ある」と回答しました。

医師のコメントからは、「診療ガイドラインでもありますが、最近では帝王切開を勧める」というように、ガイドライン上、帝王切開の方が勧められているようです。

「あまりない」、「ほとんどない」と選んだ医師は、経膣分娩をチャレンジする方向で診療されているようでした。

最後に、低置胎盤は妊娠中に改善しないのでしょうか?
こちらも聞いてみました。

低置胎盤は、妊娠の経過中に改善することがある

図3
  • 50代男性 産婦人科 大いにある
    治るわけではありません。胎盤の発達が子宮の増大よりも早いため、妊娠中期くらいまで一見前置胎盤、低置胎盤と診断するケースは多いです。その後は、たいていの方は、胎盤が子宮の増大につられて上昇し、問題なくなるケースが多いです。
  • 50代男性 産婦人科 大いにある
    妊娠5カ月で低置胎盤を認めても、その後多くの症例が妊娠8か月ごろまでに正常となり、低置胎盤を認める症例は5%以下です。
  • 60代男性 産婦人科 大いにある
    妊娠中期に、低置胎盤の懸念があっても、後期には胎盤の位置が上昇していることは、よくあります。
  • 50代女性 産婦人科 多少ある
    30週で低置胎盤と診断しても 34週頃に治っていることが多いです。
  • 50代男性 産婦人科 多少ある
    子宮の増大につれて低置胎盤が改善することが少なからずあります。

低置胎盤が妊娠中に改善することは「ある」とした回答が医師の7割を占めました。

コメントからは、妊娠中期に低置胎盤の懸念があっても後期に胎盤の位置が上昇して改善することがあるようです。

子宮が大きくなることで位置が変わる、というメカニズムを挙げていた医師もいました。

 

低置胎盤は、医師とよく相談することが大事

本調査では、低置胎盤の安静度に関して低置胎盤では出血していなければ、あまり安静を意識しすぎなくてもよいという結果でした。

また帝王切開になるケースは、比較的あるようですが、妊娠の経過のなかで低置胎盤が改善することもあるようです。

低置胎盤と聞いても焦らず、医師と今後の方針についてよく相談することが大事そうです。

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