出産後も影響!?バセドウ病合併妊娠の出産について産婦人科医130名に聞きました

赤ちゃんに微笑みかける女性
調査では、産後のバセドウ病の悪化も新生児バセドウ病の発症もあまりないとする意見が6割を越える結果になりました。理由は、甲状腺の病気がわかれば病院側が慎重な管理をしているため悪化しにくいというものでしたが、コントロール不良例だとまれに発症することがあるようで、注意は必要そうです。
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皆さんは、バセドウ病の妊娠が出産後に影響するって聞いたことがありますか?
バセドウ病とは、甲状腺のホルモンが過剰になる病気ですが、女性に多く、発症年齢が20歳代、30歳代によく見られることから、妊娠の時期とかぶってしまうことがしばしばあるようなのです。

<参考>
バセドウ病|甲状腺の病気について|伊藤病院 - 甲状腺疾患専門 

今回は、そのようなバセドウ病合併妊娠のなかでも

  • バセドウ病の妊婦さんは、出産後に悪化するの?
  • バセドウ病の妊婦さんから産まれてくる赤ちゃんもバセドウ病になるの?

といった疑問を現役の産婦人科医に聞きました!

※ 本調査は医師専用コミュニティサイト「MedPeer(https://medpeer.jp/)」にて2017年8月18日から同年8月28日にかけて行われ、産婦人科医130名から回答をいただきました。

まずは、バセドウ病の妊婦さんは、出産後に悪化するの?という疑問について聞きました。

出産後の悪化は、慎重な管理で防ぐことができる

図1
  • 40代男性 産婦人科 あまりない
    妊娠終了にて甲状腺ホルモンは高くなるため悪化に注意と教科書に載っていますが、実際にクリーゼも含めて経験したことはありません。
  • 40代男性 産婦人科 あまりない
    バセドウだと分かっていればかなり慎重に管理するので、あまり急激に増悪するケースは見ていません。
  • 60代男性 産婦人科 あまりない
    妊娠中は良くなって、産後悪化することは、よく知られたことなのできっちりフォローすれば良いのです。
  • 40代女性 産婦人科 多少ある
    産後に亜急性甲状腺炎になるケースは経験ありました。意外と隠れていると聞いたことがあります。
  • 50代女性 産婦人科 多少ある
    急に悪化する例がたまにありますが、わかって管理していれば多くはないです。
  • 60代男性 産婦人科 ほとんどない
    妊娠中に抗甲状腺ホルモンの投与で甲状腺機能の正常化を図っており、産後に悪化することはほとんどありません。

調査では、産後のバセドウ病の悪化は「ない」派が6割を越える結果になりました。
「ある」と答えた医師も含め、コメントで多かったのは、産後の悪化は医師のなかでも知られていることで予測慎重な管理で対処できる、というものでした。
このため、必要以上に不安にならず、医師と相談しながら出産を迎えるのがよさそうです。

さて、ママは慎重な管理をすれば大丈夫とのことでしたが、赤ちゃんはどうなのでしょうか?
次にバセドウ病合併妊娠が、赤ちゃんに影響が出るのかも聞いてみました。

新生児バセドウ病の可能性がまれにある

図2
  • 60代男性 産婦人科 あまりない
    妊娠後に初めて診断されたバセドウ病では要注意なので、最も大切なことは、妊娠前に甲状腺機能が正常になっていること、です。
  • 40代女性 産婦人科 あまりない
    新生児バセドウについては、経験がありますが、新生児科からそのような報告をうけただけなので、児の症状はあまりはっきり知らないです。
  • 60代男性 産婦人科 多少ある
    この疾患から生まれた新生児は小児科扱いとしており、小児科医による診察を行っているが、まれに発症が確認されることがあります。
  • 80代男性 産婦人科 多少ある
    抗甲状腺薬投与からの児は分娩後甲状腺亢進症を見ることがあり、また、無治療でも抗体胎盤通過により亢進症を呈する事があります。
  • 50代男性 産婦人科 多少ある
    コントロール不良例や重症例では大いにありうると思いますが、経験は殆どありません。
  • 50代男性 産婦人科 ほとんどない
    小児科の先生にお願いしていますが、治療が必要となった事は記憶にありません。

新生児バセドウ病の発症についても、「ない」派が6割以上を占めました。
こちらについても医師のコメントで多かったのは、コントロール不良の場合などまれに赤ちゃんもバセドウ病を発症することはある、というものでした。
医師によると、新生児バセドウ病の発症メカニズムは、バセドウ病のママの体から甲状腺の抗体が胎盤を通して赤ちゃんに入ってしまうというもののようでした。
このため、ママのバセドウ病のコントロールを良い状態に保つことが、赤ちゃんを守るために大事そうです。

妊娠中のバセドウ病はしっかりとコントロールを

本調査では、産後のバセドウ病の悪化も新生児バセドウ病の発症もあまりないとする意見が6割を越える結果になりました。
理由は、甲状腺の病気がわかれば病院側が慎重な管理をしているため悪化しにくいというものでした。
ただしコントロール不良例だとまれに発症するようで、妊娠中は甲状腺のコントロールをしっかりすることが大事そうです。
バセドウ病といっても必要以上に心配にならず、主治医と相談しながら出産を迎えましょう。

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