妊娠中はトキソプラズマに注意?猫は飼ってもいい?産婦人科医140人に聞きました

猫を愛でる夫婦
全体を通して、もともと屋内で飼育していた猫は大丈夫だけれども、妊娠中に新しく猫を飼い始めることは反対という意見が多く見られました。必要以上に心配することはないというコメントもあり、頻度自体はまれなようですが、トキソプラズマ感染症は胎児にとって怖い病気であり、猫の飼育には多少なりともリスクがあるという認識は大事そうです。
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皆さんは、トキソプラズマ症という感染症についてご存知ですか?
この感染症は、寄生虫が原因で、ネコの糞から人に感染すると言われています。
妊婦さんが発症すると、発熱またはリンバ節腫脹やインフルエンザ様の症状(筋肉痛など)を呈することもあるようですが、実は胎児に先天性トキソプラズマ症という怖い病気を引き起こす可能性が指摘されています。
先天性トキソプラズマ症を調べてみると、精神発達障がい、脳症、水頭症、黄疸など・・・聞いているだけで心配な病気ですね。
横浜市の衛生研究所からは、以下のように猫がトキソプラズマに感染しないよう注意・対策を勧める記載がありました。

自分のネコがトキソプラズマに感染するのを防ぎましょう。屋内から外に出さないようにして、エサはドライフードか缶詰にしましょう。ネコは生肉や加熱が不十分な肉を食べてトキソプラズマに感染することがあるのです。ネコに肉を与えるにしても、十分に加熱した肉でなければなりません。ネコがネズミを食べてトキソプラズマに感染する可能性もあります。
引用:横浜市衛生研究所:トキソプラズマ症について 

しかし、そうはいっても最近のペットブームで既に猫を飼っておられる妊婦さんもおられると思います。
実際のところ、トキソプラズマと猫の関係はどこまで注意するべきなのでしょうか?
妊婦さんを毎日診察している産婦人科医に聞いてみました!

※ 本調査は医師専用コミュニティサイト「MedPeer(https://medpeer.jp/)」にて2017年9月16日から同年9月23日にかけて行われ、産婦人科医140名から回答をいただきました。

図1

妊娠中に猫を飼っても大丈夫という回答が少し多い結果となりましたが、猫を飼うことに慎重な意見も見られました。

では、それぞれの回答で挙げられたコメントを見ていきましょう。

猫を飼う際の注意事項を守れば問題ない

  • 50代女性 産婦人科 猫を飼う際の注意事項を守れば問題ない
    トキソプラズマの原因は、今は生の豚肉や火の通ってない豚肉が多いと聞いています。ネコは野良猫のうちの1%とのことなので、飼い猫は衛生上ほとんど問題ないと説明します。心配な方は安心のため積極的に抗体検査をしています。
  • 50代女性 産婦人科 猫を飼う際の注意事項を守れば問題ない
    新規に飼うことは子猫のトキソプラズマ感染率が成猫より高いことを考えると勧められませんが、今まで飼っていた猫を飼育し続けるのは問題ないと考えます。
  • 60代女性 産婦人科 猫を飼う際の注意事項を守れば問題ない
    最近の家猫は室内飼いなのでほとんど問題ありません。心配ならトイレの始末などは飼われる人があれば変わってもらえばいいと思います。
  • 60代男性 産婦人科 猫を飼う際の注意事項を守れば問題ない
    発生頻度もふくめて考えれば、騒ぎすぎだと思います。妊娠に関していえばもっとリスクのある事象はたくさんあります。
  • 50代男性 産婦人科 猫を飼う際の注意事項を守れば問題ない
    妊娠中に猫を飼い始めることには反対しますが、以前から飼っているなら中断する必要はありません。
  • 60代男性 産婦人科 猫を飼う際の注意事項を守れば問題ない
    室内飼いとして糞尿の管理をきちんとすれば問題ないと思います。
  • 40代女性 産婦人科 猫を飼う際の注意事項を守れば問題ない
    手洗いをしっかりする必要があると思います。

猫を飼う際の注意事項を守れば問題ない、と答えた医師のなかで多く見られたのは、「飼い猫は衛生上ほとんど問題ない」という意見でした。
妊娠中に新しく猫を飼うことは反対だけど、以前から飼っている猫はよいという医師のコメントが多かったように思います。
感染対策として、野良猫には注意するようにという意見や、手洗いや便の始末方法に注意すればよいという意見も見られました。
なかには、「発生頻度もふくめて考えれば、騒ぎすぎ」や「猫よりも火の通っていない豚肉からの方が多い」という医師の意見もあり、実際に猫から感染することは稀なようです。
心配な方には安心のため積極的に抗体検査をする、というコメントも見られ、主治医に相談するのが大事そうです。

妊娠中に猫を飼うことはやめた方がいい

  • 40代女性 産婦人科 妊娠中に猫を飼うことはやめた方がいい
    君子危うきに…ではないですが、やめておくほうが無難と思いますが皆さんはいかがお考えでしょうか。以前から飼っているのであれば、注意しながらそのままでもいいとは思います。
  • 50代男性 産婦人科 妊娠中に猫を飼うことはやめた方がいい
    実際には猫を飼うことを飼育の途中で止められませんが、家庭内で(人間が主に生活する空間で)動物を飼育すればそれなりのリスクがあることは、受け入れる必要があると考えます。
  • 60代男性 産婦人科 妊娠中に猫を飼うことはやめた方がいい
    猫の管理をしっかりすればトキソプラズマが感染する事は殆ど無いと考えますが、赤ちゃんが生まれた際、猫が赤ちゃんを後順位と考えるので、危害を加える可能性が有り危険です。
  • 60代男性 産婦人科 妊娠中に猫を飼うことはやめた方がいい
    妊娠初期にトキソプラズマの検査をすべての産科施設で行っているわけではないと思います。便を処理した後は手洗いが大切です。
  • 50代女性 産婦人科 その他
    妊娠に気づく前から気を付けなければなりません。トキソプラズマの検査は必ず受けさせ、感染が考えられるときはしっかりと治療を受けさせましょう。

妊娠中に猫を飼うことはやめた方がいいと回答した医師のなかでは、動物を飼育すればそれなりのリスクがあることを認識するようにといった注意喚起的なコメントが多かったように思います。
例えば、猫が赤ちゃんを後順位と考えて危害を加える可能性などは念頭に置くことなど、デメリット部分は多少考慮することが大事そうです。

猫を飼うことに問題はない(注意する必要はない)、その他

  • 60代男性 産婦人科 猫を飼うことに問題はない(注意する必要はない)
    日本では妊娠中のトキソプラズマ感染が新生児に影響したと証明された例はないと思います。猫は問題ないでしょう。
  • 20代女性 産婦人科 猫を飼うことに問題はない(注意する必要はない)
    個別に指導はしませんが、尋ねられたら説明は致します。
  • 50代男性 産婦人科 猫を飼うことに問題はない(注意する必要はない)
    感染経路はさまざまで、気にしすぎです。
  • 60代男性 産婦人科 猫を飼うことに問題はない(注意する必要はない)
    現時点では問題とする必要はないです。

こちらでも、猫の飼育に過剰な心配をする必要がないというコメントが複数見られました。

前から屋内で飼っていた猫は大丈夫。でもリスクは念頭に。

さて、ここまで見てきましたが、全体を通して、もともと屋内で飼育していた猫は大丈夫だけれども、妊娠中に新しく猫を飼い始めることは反対という意見が多く見られました。
必要以上に心配することはないというコメントもあり、頻度自体はまれなようですが、トキソプラズマ感染症は胎児にとって怖い病気であり、猫の飼育には多少なりともリスクがあるという認識を持つことは大事そうです。

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