妊娠中に薬を飲んでも大丈夫?赤ちゃんへの影響は?産婦人科医130人に聞きました

薬を飲む女性
本調査では、特に薬の胎児への影響に気をつけるべき時期は、「妊娠初期」という結果となりました。また、妊娠中に風邪を引いてしまった場合は、なるべく安静と栄養摂取で対処し、もし服薬する場合は医師や薬剤師に確認を取ることが大事そうです。
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妊婦の方や出産経験のある方のなかで、妊娠中に風邪を引いてしまったという人もいらっしゃると思います。
たとえば、妊娠中は風邪を引きやすいという話も聞きます。

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妊娠中に風邪をひいてしまったときはいつも通り薬を飲もうと思っても、お腹の赤ちゃんに悪影響がないかが気になる方もいるかもしれません。
そこで今回は、産婦人科医に薬が赤ちゃんや妊婦に影響を与えるのかを聞いてみました。
※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2017年9月18日〜9月25日にかけて行われ、産婦人科医132名から回答を頂きました。

赤ちゃんへ与える薬の2つの悪影響について聞いてみました

薬の赤ちゃんに対する影響は、大きく2つに分かれます。
奇形に関わる「催奇形性」と、赤ちゃんの発育・機能不全に関わる「胎児毒性」です。
ひとつずつ見ていきましょう。

催奇形性

まずは、催奇形性の観点から、薬を服用しないほうがよい時期を聞いてみました。

図1
  • 60代男性 産婦人科 妊娠4~7週
    妊娠12週までは、催奇形性が問題になる時期です。妊娠が判明するのは次回月経が来ないときに初めて妊娠反応を調べるので、この時期は妊娠4週から5週頃になります。妊娠が判明してから薬剤の服用に注意が向けられることになります。したがって、この頃から妊娠12週までは注意が必要です。
  • 60代女性 産婦人科 妊娠4~7週
    影響が出だすのは、ある程度分化が進んだ4週5日くらいからで、ほぼ体が出来上がる12週までは奇形発生の危険があります。その後も発達・発育に影響を及ぼして形態異常を招く危険のある薬物もあります。
  • 50代男性 産婦人科 妊娠4~7週
    器官形成期早期には、なるべくエビデンスのない薬剤は使用を避けることが望ましいです。
  • 80代男性 産婦人科 妊娠4~7週
    薬剤によっても異なりますがが、主にこの時期は避けたほうが良いです。
  • 60代男性 産婦人科 妊娠4~7週
    器官形成期のこの時期には、一切薬剤投与はしません。

7割以上の医師が、妊娠4~7週が催奇形性の観点から一番注意すべきであると回答しました。
理由としては、この時期は妊娠が判明し、さらに赤ちゃんの器官形成期だからだそうです。
この時期は一切薬物投与しないというコメントも見られました。
それほど妊娠初期は、赤ちゃんにとって大事な時期なんですね。
また、妊娠7週までではなく、12週までは注意が必要としたコメントもありました。
ただし、これはすべての薬剤で催奇形性の危険があるわけではないようです。
もしこの時期に薬を服用したいようなことがあれば、主治医に相談しましょう。

胎児毒性

続いて、胎児毒性の観点から見ていきましょう。

図2
  • 60代女性 産婦人科 妊娠4~7週
    妊娠4週以降どの時期でも胎児毒性を持つ薬剤はあります。リスクとベネフィットの勘案でしょう。
  • 40代男性 産婦人科 妊娠4~7週
    催奇形性のときと同じですね。10週くらいまでは注意したほうが良いと思います。
  • 50代男性 産婦人科 妊娠4~7週
    胎児毒性は妊娠全期間で心配が必要ですが、期間形成期を一番にしました。
  • 30代女性 産婦人科 妊娠16週~27週
    胎児毒性という意味では、妊娠期間通して気をつけないといけないです。
  • 50代女性 産婦人科 妊娠8~15週
    初期のころはどの時期も気を付けなければならないと思います。

この調査でも、妊娠4~7週が一番注意すべきという意見が最も多くなりました。
しかし医師のコメントでは、胎児毒性は妊娠初期以降生まれるまで注意すべきであるという意見が多くみられました。
また、時期によって胎児毒性の危険性のある薬剤の種類も変わるとのことなので、薬を飲むときは主治医に確認を忘れずにしましょう。

ちょっと専門職向けで難しめな内容になりますが、日本産科婦人科学会と大学が公開している妊娠と薬剤の情報を載せておきたいと思います。ご参考までに。

<参照・参考>
妊娠と薬物 -日本産科婦人科学会
妊娠と胎児に及ぼす薬剤の影響 -昭和大学医学部産科婦人科学教室

妊娠中に風邪を引いてしまった!風邪薬は飲んでいいの?

妊娠をしていると、より健康や体調に気を遣うようになると思いますが、それでも風邪を引いてしまうことってありますよね。
そんなとき、市販の風邪薬などを飲んでも問題ないのでしょうか。
医師に聞いてみました。

図3
  • 40代女性 産婦人科 医師から処方された薬の服用なら問題ない
    感冒を治療する薬はありません。処方で意味があるとすれば、咳でつらい妊婦さんに、お腹が張らないよう鎮咳薬を使用する程度。それさえも妊娠初期なら不要です。大体は妊娠初期だからと説明すれば希望されることはありません。逆に、妊娠に気づかず市販薬を飲んだというケースは結構多いです。
  • 60代女性 産婦人科 医師から処方された薬の服用なら問題ない
    効能では妊婦に使用した場合の安全性が確立されていない薬がほとんどですが、一般に感冒につかう薬は、大きな問題はないと思います。
  • 30代女性 産婦人科 医師から処方された薬の服用なら問題ない
    市販薬も問題ないものもあるかと思いますが、服薬については把握したいです。
  • 40代女性 産婦人科 薬は服用すべきでない
    通常の感冒では、投薬により罹病期間が短くなることはないとされていますので、妊娠以外の条件でも、正直なところ服薬の必要はありません。
  • 60代男性 産婦人科 薬は服用すべきでない
    胎児に副作用のないと証明された薬剤はありません。初期の方なら命に関わらない限り安静加療と栄養摂取にしてもらいます。
  • 50代女性 産婦人科 薬は服用すべきでない
    精神的影響もあるので、妊娠に気づいている場合この時期の内服は勧めません。
  • 30代女性 産婦人科 市販薬の服用で問題ない
    薬局でも妊娠中であることを告げて購入すれば問題ありません。

今回の調査では、医師から処方された薬の服用なら問題ないとする回答が最も多く、次に薬は服用すべきでないとする回答が続きました。
コメントからもわかる通り、医師の処方した薬なら服用しても問題ないと回答した医師からも、風邪を根治できる薬はないから積極的に飲む必要はないという意見がほとんどでした。
特に妊娠初期に関しては、なるべく栄養摂取と安静で治すことが推奨されているようです。
一方で、市販薬でも薬局で妊婦であることを伝えた上で購入ができれば問題ないとするコメントもありました。
なるべく安静で治すのが良いですが、症状が辛くて薬を服用する際は医師や薬剤師に確認を取ることが大事そうです。

妊娠初期はなるべく安静で治す。服薬の際は医師・薬剤師に相談を。

催奇形性や胎児毒性の観点からも、やはり服薬に一番気をつけなくてはならないのは妊娠初期のようです。
妊娠初期は特に、なるべく薬に頼らず安静と栄養摂取での完治を目指しましょう。
しかし辛いのに無理して我慢するのはよくありません。

妊娠中に薬を服用する際は、医師や薬剤師に確認を取ることが大事なようです。

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