多胎妊娠は不妊治療でなりやすく、早産になりやすい!産婦人科医120名にアンケート調査

双子の赤ちゃん
不妊治療の方が多胎妊娠の確率は高いとした医師が、全体の9割近くを占めました。また、多胎妊娠で早産になる方の割合は、「10~30%程度」と「30~50%程度」が同率で最も支持を集めました。多胎妊娠は、喜ばしいことですが、早産のリスクがあることを念頭に過ごすことが大事そうです。
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皆さんは、多胎妊娠って聞いたことはありますか?
多胎妊娠とは、同時に2人以上の赤ちゃんを妊娠することです。
双子であれば、「双胎(そうたい)」、三つ子であれば「品胎(ひんたい)」とも呼ばれるようです。
多胎妊娠にはリスクが伴うようで、日本産科婦人科学会の資料では、以下のようにコメントされていました。

近年,不妊治療の進歩によって,多胎妊娠症例が増加している.多胎妊娠の管理で重要なことは,早期診断と膜性診断である.また,ハイリスク妊娠であることを妊婦および家族へあらかじめ十分に説明することが大切である.
引用:多胎妊娠の管理シリーズ - 日本産科婦人科学会  

このように多胎妊娠は、嬉しいこともあれば、気をつけないことがあるようなのです。
今回は、上記のように実際、不妊治療は多胎妊娠になりやすいのか?そして、多胎妊娠は早産になりやすいのか?など、多胎妊娠にまつわる疑問を産婦人科の医師に聞きました!

※ 本調査は医師専用コミュニティサイト「MedPeer(https://medpeer.jp/)」にて2017年8月31日から同年9月12日にかけて行われ、産婦人科医127名から回答をいただきました。

まずは、不妊治療は自然妊娠と比べて多胎妊娠になりやすいのかを聞きました。

不妊治療の方が多胎妊娠になりやすい

図1
  • 60代女性 産婦人科 不妊治療の方が多胎妊娠の確率は高い
    最近はET(胚移植)では、子宮内に戻す受精卵を一つに制限しているので一昔前のように多胎がとても多くなるということはないと思います。ただし、排卵障害にまず使用されるクロミフェンでも双胎は少し多くなるように思います。
  • 40代女性 産婦人科 不妊治療の方が多胎妊娠の確率は高い
    体外受精での多胎はコントロールされていますが、排卵誘発「のみ」事例での多胎はコントロールできないので、問題になっています
  • 60代男性 産婦人科 不妊治療の方が多胎妊娠の確率は高い
    やはりクロミッドやFSH,HMGなどの排卵誘発剤を使用すると多排卵が起こり、必然的に多胎が増加します。
  • 50代男性 産婦人科 不妊治療の方が多胎妊娠の確率は高い
    以前は、不妊治療の方が圧倒的に多かったですが、近年戻す胚の数が制限されているので、減っています。
  • 60代男性 産婦人科 不妊治療の方が多胎妊娠の確率は高い
    多胎は、圧倒的に、不妊治療によるものが多いです。だから、最近、双子学級があるくらいです。
  • 60代女性 産婦人科 自然妊娠の方が多胎妊娠の確率は高い
    最近では不妊治療で医師が気を付けて多胎妊娠にならないようにしている為、むしろ自然の方がやや多いかもしれません。

調査では、不妊治療の方が多胎妊娠の確率は高いとした医師が全体の9割近くを占めました。
それでも以前に比べて医師側が多胎妊娠にならないよう配慮した診療をしていることから、割合は減ってきているとした医師のコメントがありました。
しかしながら、クロミフェンをはじめとする排卵誘発剤では受精卵の数がコントロールできないため、どうしても多胎妊娠になってしまう可能性があるようでした。
女性の社会進出や出産の高齢化など社会変化のなかで、不妊治療が増えてきていると聞きますが、多胎妊娠になる可能性は頭の片隅に置いておく必要がありそうです。

次に、多胎妊娠になるとお腹のスペースが狭くなって、早産になりそうな印象がありますが、実際はどうなのか産婦人科医に聞いてみました。

多胎妊娠は、早産のリスクがある

図2
  • 40代女性 産婦人科 30~50%程度
    4割くらいでしょうか。早産といっても36週位まで持てば単胎の満期と同じです。
  • 50代男性 産婦人科 10~30%程度
    妊娠30週あたりから、予防的に入院して管理しているので、早産と言っても35-36週あたりが多いです。
  • 50代男性 産婦人科 50~70%程度
    最近は多胎の経膣分娩そのものが減ってきており、安全を考えて選択的帝王切開を選択することが多くなってきました。その結果時の成熟がほぼ大丈夫と思われ、陣痛が来る前の36週くらいに帝王切開を行うことが多いです。
  • 60代男性 産婦人科 50~70%程度
    多胎妊娠での早産のリスクの頻度は高いし、そのような妊婦は切迫早産のために入院管理し、子宮収縮抑制剤をすでに使用されています。しかし、それでも早産のリスクは高いことは明らかです。
  • 40代女性 産婦人科 70%以上
    双胎においては通常は早産となり、品胎では、何週までもつか、全く予測不可能です(品胎で37週に至った例は聞いたことがありません)

結果、多胎妊娠で早産になる方の割合は、「10~30%程度」と「30~50%程度」が同率で最も支持を集め、次に「50~70%程度」が続きました。
医師のコメントでは、「妊娠30週あたりから、予防的に入院して管理」や「安全を考えて選択的帝王切開を選択」、「切迫早産のために入院管理し、子宮収縮抑制剤をすでに使用」などリアルな現場での多胎妊娠の対応が見受けられました。
もちろん結果的に早産にならない方もいると思いますが、アンケートを見る限り、多胎妊娠は早産のリスクが高いと思っておく方がよさそうです。

多胎妊娠は、不妊治療でなりやすく、早産になりやすい

本調査によれば、不妊治療の方が多胎妊娠の確率は高いとした医師が全体の9割近くを占めました。
また、多胎妊娠で早産になる方の割合は、「10~30%程度」と「30~50%程度」が同率で最も支持を集め、予防的に入院管理すること、選択的帝王切開を選択するなどリアルな現場での多胎妊娠の対応がコメントでも見受けられました。
多胎妊娠は、喜ばしいことですが、早産のリスクがあることを念頭に過ごすことが大事そうです。

医師のコメント

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