医者って実際どのくらい産休取るの?女性医師150人が語る理想と現実

女性医師
今回の調査では、「産休は15週以上取った(取りたい)」という回答が最も多く、全体の約4割を占めました。特に、若い世代ほど産休を長く取った(取りたい)と回答した割合が多いという結果になりました。こうした医師の職場も含め、社会全体でさらに産休の取りやすい環境を整えていけるといいでしょう。
妊娠・出産・不妊の悩み
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皆さん、突然ですが医師ってどんなイメージがありますか?
私は圧倒的に「忙しそう」というイメージがあります。
知り合いの医師は、1年間で丸1日休める日は10日もないと言っていました。
しかし、そんな多忙な医師にも、私生活での様々なライフイベントがありますし、女性医師であれば、妊娠・出産をされる方もいるでしょう。
そこで医師という仕事の特性上、産休がとりにくいのではないかという疑問がわいてきました。

今回の調査では、現役の女医さん150人に「どれくらい産休を取ったか(取りたいか)」を聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイト「MedPeer(https://medpeer.jp/)」にて2017年10月21日から同年10月25日にかけて行われ、産婦人科122名から回答をいただきました。

そもそも産休の決まりって?

まずは法律で定められている産休取得期間から見ていきましょう。
産休は労働基準法第65条により、

①産前は本人の希望で最大6週間

②産後は強制的に8週間(本人の希望と医師の許可があれば6週間)

の休暇が認められています。
つまり、法律で定められている最大の産休期間は14週間となります。
なお、その後赤ちゃんが1歳になるまでは育児休暇という形で休暇を取得することも可能です。

女医さんの産休取得の現状は?

では本題に入っていきましょう。

図1

今回の調査では、出産前後に取った(取りたい)産休期間について聞きましたが、「15週間以上」と答えた医師が全体の約4割と最も多く、その次は「8週間以下」が続くという両極端な結果となりました。
ではまず「15週間以上」と答えた医師のコメントに絞って見ていきましょう。

15週間以上

  • 30代女性 麻酔科 15週間以上
    1経妊1経産、産前8週間産後8週間、切迫早産で内服しながら仕事を続けていましたが、入院せざるを得なくなりました。産前は子宮収縮抑制剤の持続点滴と安静、産後は搾乳と哺乳瓶の消毒、夜通し泣き続ける新生児を抱っこ。産休はありがたいことに取りやすかったです。
  • 50代女性 皮膚科 15週間以上
    出産経験がありません。子育ての手伝いして傍から見ていてかなり大変であることを実感しました。私ならとても仕事と両立は無理だと感じましたので、妊娠・出産・育児・仕事を成し遂げられた女性医師には頭が下がります。
  • 50代女性 一般内科 15週間以上
    医局初の出産でした。産休育休中の身分の保証については若手から苦言を言われましたが、身分はそのままで5ヶ月休みました。ただ復帰後は子供の熱などの理由では休まない努力をしました

15週間以上の産休を取った(希望した)医師のコメントでは、「産休がとりやすい環境だった」という意見が目立ちましたが、産休に関して苦言を言われたとする意見もありました。
なかには、「休まない努力をしました」、「子育ての手伝いして傍から見ていてかなり大変であることを実感しました」など産休にまつわる大変なエピソードを書いてくれた女性医師の方もおられました。
一方で、以下のような意見も見られました。

  • 40代女性 耳鼻咽喉科 15週間以上
    1か月でも穴はあけられないでしょう。実際はその間に別の医者が常勤となり、自分は退職、復帰時に別の病院に移動です。
  • 30代女性 一般外科 15週間以上
    ちょうど研修期間の終了だったので、一時休職し、1年後に別の病院に再就職しました。
  • 50代女性 一般内科 15週間以上
    産後離職することになり、元の職場には戻らず職探ししました。
  • 40代女性 眼科 15週間以上
    出産にあわせて、退職し、バイトにしていました。
  • 30代女性 消化器内科 15週間以上
    現在妊娠中で、産前7週、産後9週に加えて有給休暇を取得し退職予定です。

このように産休とともに一旦退職して、育児が落ち着いてからもう一度就職するという選択をする方もいるみたいです。
この方法なら確かに産後職場のことを気にせず育児に専念できそうですが、それでも出産・育児を契機に退職するのも大変なことですよね。

続いて、「8週間以下」を選択した医師のコメントを見てみましょう。

8週間以下

  • 60代女性 健診・予防医学 8週間以下
    当時大学院生だったため「学生には産休はない」と言われ産前休はなく、産後は4週で復帰しました。復帰直後から日当直も普通にこなし学生だったので抵抗はできませんでした。
  • 70代女性 心療内科 8週間以下
    出産経験2回、昔であり、公務員だったので、8週間でその他の選択肢はありませんでした。でも充分だと思いました。
  • 30代女性 皮膚科 8週間以下
    診断書を提出させられ産後6週で戻らされました。
  • 40代女性 皮膚科 8週間以下
    第一子出産を機に常勤をやめました。両立できる状況ではなかったので。
  • 50代女性 一般内科 8週間以下
    産休は取りづらく医局から復帰はいつするのか電話が何回もあった記憶があります。
  • 50代女性 精神科 8週間以下
    ほかの医師の仕事が増えるので、取りにくかったです。

「8週間以下」と回答した医師の中には「産休がとりにくかった」という意見が見られました。
さらには、学生だから産休をもらえなかったなど、当時の過酷な経験を書いてくださった女性医師のコメントもありました。
ここからも医師のおかれている環境のリアルな大変さが伺えますね。
また、こちらでも産休確保のために退職したというコメントも一定数みられました。

9週間~14週間

では、最後にそのほかの選択肢を選んだ医師のコメントを見てみましょう。

  • 60代女性 耳鼻咽喉科 12週間
    産休が6週の時代でした。第1子は産前5週目まで働き、出産が遅れたので、結局12週休みました。二人目は、上司の好意で2週余分に休暇をもらって、13週休みました。3人目は開業してからです。お産が早くなったので、産前4週まで、産後は8週で復帰しました。育休が普通にとれる時代ではなかったです。その時代に2週間休ませてくれた上司には今でも感謝しています。
  • 30代女性 神経内科 13週間
    まさに今、妊娠中で産休直前です。私は、クリニックで非常勤なので、比較的恵まれた環境だと思います。復帰が早すぎると言ってくれる患者さんもいますが、働きたいので産後6週間でまた復帰します。
  • 30代女性 整形外科 14週間
    育休は取りませんが、規定の産休は取ります。一緒に働くコメディカルの方からは育休取らないのはもったいないと言われますが、キャリアのことを考えると長く休む勇気がありません。
  • 40代女性 健診・予防医学 12週間
    当時の世の中の文言通り産前6週、産後8週と見込みましたが、予定よりも2週早く生まれたため、結論としては産前4週、産後8週となりました。損した気分でした。
  • 50代女性 一般内科 11週間
    できるだけお休みした方が良いのでしょうけど、復帰が前提であればそうも言っていられないのではないでしょうか。

長く休みたいが現実はそんなに休めないという声が多少なりともありました。
また、キャリアのことを挙げる医師の方もおられ、女性医師のワークライフバランスの難しさを感じるところです。
一方で、産後6週間の休暇で復帰したいという意見や、12週間でも充分であるといったような意見も見られ、それぞれの女性医師によって感じ方も違うようでした。
できれば法定期間のうち、自分が取りたいと思った期間取得できるのが理想ですよね。

年齢による違いは?

医師から寄せられる回答を眺めていて、なんとなく年齢によって取った(取りたい)産休期間に偏りがあるように感じたので、分析してみました。

図2図3

今回わかりやすいよう人数の多い「15週以上」と「8週以下」の人数比を比較してみました。
結果は、「15週以上」と答えた割合は年齢が上がるごとに下がり、「8週以下」と答えた割合は年齢とともに上がっていくことがわかりました。
つまり若い世代ほど産休期間を長く取る(取りたい)傾向にあるようで、だんだんと医師のなかでも考え方や状況が変わっているのかもしれませんね。
女性の働きやすさが重視される昨今、医師もさらに産休がとりやすい環境が望まれます。

医師も産休の取りやすさは職場によるかも

今回の調査では、「産休は15週以上取った(取りたい)」という回答が一番多かったものの、働いている病院によって取りやすさが違うようでした。
また、若い世代の女性医師ほど産休を長く取った(取りたい)と回答した割合が多いという結果になりました。
昨今の労働環境の見直し・改善のムードが医師の職場にも影響しているのでしょうか。
医師の職場も含め、社会全体でさらに産休の取りやすい環境を整えていきたいですね!

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