妊婦さんは歯医者にかかっても大丈夫ですか?産婦人科医150人に聞きました

虫歯の妊婦
妊婦さんの歯の治療については、気をつければ問題ないとした回答も含めると、ほぼ全員の産婦人科医が肯定的な意見でした。
妊娠・出産・不妊の悩み
イシコメ運営事務局

妊娠したらいろいろと気をつけることがでてきますが、妊婦さんが歯医者にかかっても大丈夫なのでしょうか?
以前、麻酔や薬の関係から、なるべく妊娠前に歯の治療をした方がいいという話を聞いたことがあります。
でも、人によっては妊娠してから虫歯に気づいた…ということもありますよね。
そこで、今回は、妊婦さんの歯の治療の是非について産婦人科医150名にアンケート調査を行いました!

※ 本調査は医師専用コミュニティサイト「MedPeer(https://medpeer.jp/)」にて2017年11月23日から同年11月24日にかけて行われ、産婦人科医150名から回答をいただきました。

図1

調査では、妊娠中の歯の治療は問題ないとする医師が4割弱と最も多く、気をつければ歯の治療は問題ないとした回答も含めると、ほぼ全員の産婦人科医が妊娠中の歯の治療に肯定的な意見を示しました。

それでは、上位3つの選択肢のコメントをみていきたいと思います。

 

妊娠中の歯の治療は問題ない

  • 50代男性 産婦人科
    使用する薬剤を選択すれば全く問題無く、齲歯が早産を引き起こす可能性も指摘されているので積極的に治療うけることを勧めます。
  • 50代男性 産婦人科
    レントゲンもとれますし、抗生剤はペニシリン系またはセフェム系。痛み止めはアセトアミノフェンでよいです。キシロカインの局麻も問題なしです。
  • 40代男性 産婦人科
    問題ないと思うからです。むしろ歯周病は切迫早産の原因となるので、むしろ積極的に治療した方が良いと思っています。
  • 30代男性 産婦人科
    歯の健康は、全身の健康です。ゆえに、虫歯が怪しい方には、「すぐに治療しましょう」と勧めています。

こちらの選択肢を選んだ医師は、全体的に妊娠中の歯の治療を勧めていた意見が多かったように思います。
医師のコメントでは、「歯周病は切迫早産の原因となるので、むしろ積極的に治療した方が良い」、「歯の健康は、全身の健康です」といった歯の治療の重要性を強調する声も見られました。

 

妊娠時期と使用する麻酔や薬剤の双方に気をつければ問題ない

  • 60代女性 産婦人科
    妊娠中は唾液の性状も変化するので、虫歯になりやすくなります。市町村によっては妊娠中の歯科検診の補助が出ることもあります。あまりお腹が大きくなると受診中の体位で低血圧を起こしたりする危険もありますから、5か月過ぎには検診を受けて、問題があれば治療を受けることがお勧めです。歯のX線撮影や局所麻酔薬は問題なしと考えていいと思います。
  • 60代女性 産婦人科
    出産後は育児が忙しくて歯科通院ができにくくなるので、歯の治療は妊娠中にしておいた方がよいです。ただしつわりのある時期は、避けた方がよいでしょう。また早産傾向がある場合は、避けた方がよいでしょう。痛み止めや抗生剤は、妊婦が使用しても大丈夫なものを選んでもらえばよいです。抜歯などで使われる局所麻酔は、問題ありません。
  • 60代女性 産婦人科
    妊娠中使用しないよう推奨されている抗生物質があるので、それを避けたら、治療には問題ないと思います。抜糸も止血操作をきちんとしていただけたら大丈夫でしょう。週数が大きくなると歯医者の椅子に横になると仰臥位低血圧を起こしそうです。治療が困難かもしれません。
  • 50代男性 産婦人科
    非常に重要ですが、妊娠前の治療が一番安全です。しかし、妊娠中に重度な歯周病や齲歯を治療しないで、早産になった例が多数経験されます。歯周病菌(黒色色素産生)は細菌性腟症でもよく検出され早産とも関係します。なるべく早い時期に治療をします。
  • 50代男性 産婦人科
    妊娠2か月までは、胎児の器官形成期で大変重要な時期なので、考慮は必要です。また、妊娠9か月後半からの不用意な鎮痛薬使用にて、胎児循環への重大な影響も考慮すべきです。
  • 50代男性 産婦人科
    歯科医師に妊娠していることを言えば、適切に対応していただけると思います。歯周病など感染と早産との関連がありますので積極的に診察を受けるべきだと思います。
  • 40代男性 産婦人科
    歯周病と切迫早産など歯科との関連も示唆されており、むしろ歯科受診を勧めています。歯科医側で薬剤の使用可否等の知識を持って頂ければ問題ないと考えます。

こちらを選んだ医師は、妊娠中に歯医者さんにかかるべきか迷っている妊婦さんにぴったりの情報をたくさんコメントしてくれていました。

簡単にまとめると、

  • 歯医者さんに妊娠していることを伝える
  • 歯医者さん側で薬剤の使用可否等の知識を持っていれば問題ない
  • 虫歯治療後の抜糸も止血操作をきちんとしてもらえれば問題ない
  • 妊娠中使用しないよう推奨されている抗生物質があるので避けること
  • 妊娠2か月までは胎児の器官形成期なので、考慮は必要
  • 出産後は育児が忙しくて歯科通院が難しく、歯の治療は妊娠中にしておいた方がよい
  • 歯周病と切迫早産など歯科との関連も言われている
  • 妊娠中は唾液の性状も変化するので、虫歯になりやすくなる
  • 市町村によっては妊娠中の歯科検診の補助が出ることもある

といった内容でした。
概ね歯医者さんに妊娠していることを伝え、薬や麻酔に気をつけてもらいつつ、しっかり治療してもらえれば妊娠中の歯科治療は問題なさそうな印象でした。
なかには妊娠時期についてコメントがありましたが、以前イシコメでも、妊娠初期の服薬に関して、催奇形性や胎児毒性の観点から注意が必要とした調査結果の記事があり、妊娠初期は慎重に相談するとよいでしょう。

<参考>
妊娠中に薬を飲んでも大丈夫?赤ちゃんへの影響は?産婦人科医130人に聞きました 

一方で、妊娠中の歯医者さんの注意点として、

  • 週数が大きくなると歯医者の椅子に横になると仰臥位低血圧を起こしそうで治療が困難かもしれない
  • つわりのある時期は、避けた方がよい
  • 早産傾向がある場合は、避けた方がよい

といったコメントもみられましたので、参考にしてもらえればと思います。

歯科で使用する麻酔や薬剤にのみ気をつければ問題ない

  • 50代男性 産婦人科
    歯周病は流早産のリスク因子ですから、妊娠時期にかかわらず治療をするべきです。通常使用する局麻薬は妊娠中のどの時期でも安全に使用できます。
  • 60代男性 産婦人科
    妊娠中の歯科治療は基本的には問題ないと思います。キシロカインなどの局所麻酔剤は問題無く、薬剤については妊娠中に安全な薬を選択すればよいと思います。
  • 50代男性 産婦人科
    治療しないで、かえって細菌感染などに影響すると思うので、できる限りのことはしたほうがいいと思います。
  • 30代女性 産婦人科
    全身麻酔や禁忌の薬剤を避ければ問題ありません。ただ、何が起きるかわからないから、分娩後でいいものは待った方がよいかもしれません。
  • 30代女性 産婦人科
    切迫早産の原因になるともいわれているので、見つかれば治療するのがよいと思います。
  • 30代女性 産婦人科
    歯が痛くなることで痛みでお腹が張ったり血圧が上がることの方が問題でしょう。
  • 20代男性 産婦人科
    産後には子育てで歯科受診の敷居が高くなるため、妊娠中の治療が必要です。

こちらも他の選択肢とほぼ同じコメントと同様の内容が見られました。
全体を通してほとんどの産婦人科医が妊娠中の歯科治療を勧めていましたが、一方で「分娩後でいいものは待った方がよいかもしれません」という慎重なコメントもみられたことから、最終的に迷うようであれば産婦人科の主治医に相談してからがよさそうです。

妊婦さんは歯医者にかかっても基本的に大丈夫!

本調査によれば、妊娠中の歯の治療は問題ないとする医師が4割弱と最も多く、気をつければ歯の治療は問題ないとした回答も含めると、ほぼ全員の産婦人科医が妊娠中の歯の治療に肯定的な意見を示しました。
今回の記事は妊婦さんが歯の治療を考えたらぜひ頭に入れてほしいポイントがたくさん紹介されていましたので、ポチっとブックマークをしてもらい、いざ妊娠中に歯科に受診しようと思ったときに見返してもらえればと思います。

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