「ピル」という薬の名前を聞いたことのある方は多いと思いますが、どんなイメージを持っておりますでしょうか?
やはり「避妊のために飲むもの」というイメージをお持ちの方が多いとは思います。
その他には、とくに女性なら「便利だから使っているよ!」という人もいれば、「自分には必要ない」「(様々な報道もあって)怖いイメージがある」という人もおられるのではないでしょうか。
参考までに日本産科婦人科学会では、ピルの長所について以下のように書かれていました。
長所:避妊効果が非常に高く,使用法が簡単.女性の意志のみで実行可能であり,プラスの全身的副効用がある.
このように
- 避妊効果が非常に高い
- 使用方法が簡単である
- プラスの全身的副効用がある
といった良さそうな言葉が並んでいますね。
ピルが持ってる効用って、実際の所どうなのでしょうか?
今回は、ピルの持つ様々なメリットについて産婦人科医124名にアンケートを行いました!
※ 本調査は医師専用コミュニティサイト「MedPeer(https://medpeer.jp/)」にて2017年12月5日から同年12月8日にかけて行われ、産婦人科医124名から回答をいただきました。
まずは、一番気になるピルの避妊効果について聞きました。
ピルは、きちんと飲めば100%の避妊効果!
- 60代男性 産婦人科 ほぼ100%避妊できる
せっかくピルを服用してちゃんと避妊できていたのに、薬を取りに来れないため服用しなかったためすぐに妊娠した例は時々あります。 - 60代女性 産婦人科 ほぼ100%避妊できる
学会のデータでは理論的に妊娠する可能性があると言うことですが、経験はありません。 - 50代男性 産婦人科 かなりの確率で避妊できる
きちんと内服していれば100%だと思います。人によって、内服する時間帯がバラバラだったり、飲み忘れがあったりするとリスクがあります。 - 30代女性 産婦人科 かなりの確率で避妊できる
きちんと内服すればほぼ100%避妊できるのがピルです。しかし、実際飲み忘れも多く、きちんと内服できていないことも多いようです。 - 30代男性 産婦人科 かなりの確率で避妊できる
かなりの確率で避妊できると思いますが、コンドームと併用するのが得策と思います。 - 40代女性 産婦人科 かなりの確率で避妊できる
飲み忘れに気づいていない方がいるので、100%とは言えません。
9割以上の医師がピルで十分な避妊効果を期待できると回答し、なかでも約6割の医師が「ほぼ100%避妊できる」と回答しました。
ただし医師のコメントからは、きちんと内服すればほぼ100%避妊できるピルでも、飲む時間のバラツキや飲み忘れの場合があると避妊を失敗してしまう可能性があるようでした。
また、コンドームと併用するのが得策とする医師もおられました。
まとめると、避妊を目的としてピルを使用される場合は
- 飲み忘れがないよう気をつける!
- 確実に避妊したいならコンドームも併用する!
というのがポイントなようです。
さて、このようにピルの避妊効果については産婦人科医も太鼓判を押しています。
それ以外に、ピルが持っているメリットはどのようなものがあるのでしょうか?
ピルは、避妊だけでなく様々なメリットがある!
- 50代女性 産婦人科
自分で使って見た感じでは月経周期が確実になるメリットが大きかったです。 - 60代男性 産婦人科
すべて経験しています。良いことをもっと宣伝すべきです。 - 40代男性 産婦人科
保険適応でのピルが出ているくらい効果はあります。 - 30代女性 産婦人科
日本は遅れているけど、とても有能な薬だと思います。 - 50代男性 産婦人科
LEPと言われる低用量ピルですが、経血量や痛みがだいぶ楽になります。 - 60代男性 産婦人科
生理不順や月経困難症がある人には最適です。 - 60代女性 産婦人科
子宮内膜症のある患者さんでは、ピルは有効で、症状は、軽くなります。 - 50代男性 産婦人科
それでも欧米等と比べるととくにピルを必要とする世代の親の世代に"いけない薬"のイメージがあると思います。 - 40代男性 産婦人科
将来の妊孕性を少しでも保持することができるのが、若い人がピルを飲む最大のメリットだと思います。 - 60代女性 産婦人科
ニキビに関してはごく限られたタイプのニキビには効果がありますが、ほとんどの場合は違います。 - 50代男性 産婦人科
ニキビや体毛を気にする女性に処方した事がありますが、有効だった経験があまりありません。 - 40代女性 産婦人科
種類を選べばニキビにはかなり効果があります。
集計では、ピルのメリットとして「生理痛や月経前症候群が軽減できる」を支持した医師が最も多く、次に「避妊ができる」、「生理不順を改善できる」などが続きました。
「避妊」よりも「生理痛や月経前症候群の軽減」をあげた医師が最も多いという結果になりました!
なかには、お医者さん自身も効果を実感したというコメントや良いことをもっと宣伝すべきとするコメントも見られました。
生理痛や生理不順に効果が高いようですが、ニキビへの効果については医師のなかでも意見が分かれていました。
日本は遅れているとする医師のコメントもありましたが、「ピルには避妊以外にも様々なメリットがある」ということを、わたしたち1人1人が知っておいても損はないと改めて思いました。
ピルは、女性にとってメリットの多い薬
本調査によれば、9割以上の医師がピルで十分な避妊効果を期待できると回答し、なかでも約6割の医師が「ほぼ100%避妊できる」としました。
また、ピルのもつメリットとしては「生理痛や月経前症候群の軽減」をあげる医師が最も多いという結果になりました。
その次に「避妊」「生理不順の改善」などが続きます。
日本ではピルの仕様に関する啓発が遅れています。
しかしこのようにピルには多くのメリットがありますので、ぜひより多くの女性にピルのさまざまなメリットについて知ってもらえればと思います。