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ピルの副作用や飲み忘れってありますか?噂も本当でしょうか?産婦人科医120名に聞きました

ピルを眺める少年
産婦人科医たちがこれまで出会ったことのあるピルの副作用は、「吐き気」が最も多く、次に「不正出血」、「頭痛」が続きました。また、ピルを飲むと不妊症になるという噂について、アンケートに答えたほぼ全員の産婦人科医が「ウソ」もしくは「ほとんどウソ」と回答していました。ピルを2日以上飲み忘れるようなケースもあるらしく、主治医に内服し忘れた場合の対処法やピルの正しい知識をあらかじめ確認することは大事そうです。
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避妊に効果があると聞くピルですが、以前に副作用の報道もあったことから、飲むことに抵抗感がある方もおられるのではないでしょうか?
日本産科婦人科学会のホームページによれば、以下のように書かれていました。

低用量ピルおよびその類似薬剤の有益性は大きく、女性のQOL向上に極めて効果的であります。しかし、一方で静脈血栓症という有害事象もあります。低用量ピル内服中の静脈血栓症の発症頻度は低いものの、一旦発症すると重篤化するケースもありますので、服用中に上記の症候がみられた場合は、ただちに服用を中止し、処方元の医療機関を受診してください。

引用:低用量ピルの副作用について心配しておられる女性へ-公益社団法人 日本産科婦人科学会 

これを読む限り、静脈血栓症といった重篤化してしまう恐れのある病気もあるようですが、その他、吐き気や体重が増えるなどの副作用を聞いたことがあります。
ピルのメリットについては別の記事で紹介しましたが、使用するにあたって副作用がどんなものか?注意するべきことはどんなことか?などを知ってからにしたいですよね。
今回は、そんなピルの副作用や飲み忘れ、不妊症になる可能性があるというインターネットの噂は本当か?などを産婦人科医124名に聞いてみました!

※ 本調査は医師専用コミュニティサイト「MedPeer(https://medpeer.jp/)」にて2017年12月5日から同年12月8日にかけて行われ、産婦人科医124名から回答をいただきました。

まずは、ピルの副作用について、産婦人科の医師がこれまでどんなケースに遭遇したことがあるのか聞きました。

ピルの副作用は、吐き気や不正出血、頭痛が多い。静脈血栓症は稀

  • 30代女性 産婦人科
    マイナートラブルはよくあります。特に不正出血や吐き気、体重増加、胸の張りが多いです。体重増加に関しては、ピルが原因かは分からないと思っています。
  • 60代女性 産婦人科
    飲み始めの時期の吐き気、だるさはある程度仕方ないこと、慣れますから。幸いにして今のところ静脈血栓症には当たっていません。
  • 50代男性 産婦人科
    やはり、飲み初めに人によって吐き気を伴い、これでピルをあきらめる方もいます。
  • 40代男性 産婦人科
    軽い偏頭痛みたいのが続く人がいます。血栓は怖いですが、ほとんどありません。
  • 50代男性 産婦人科
    血栓症は留意すべきですが、非妊娠時に対する妊娠時の血栓症リスクのほうがピルのそれより高い事実は皆が共有すべきと思います。
  • 30代男性 産婦人科
    静脈血栓症については、非常に稀ですが、「ピルしか原因は無いか」という状況であったために、判断しました。
  • 50代男性 産婦人科
    DVT(深部静脈血栓症)の疑いがあり、よくよく聞いてみると喫煙をしていたのですぐにやめてもらいました。

調査では、ピルの副作用について「吐き気」を選んだ医師が最も多く、次に「不正出血」、「頭痛」が続きました。
コメントでは、吐き気が続くとピルの継続が困難になるケースもあるようですが、慣れるまで待つとよいといった医師のアドバイスも見られました。
怖いとされる静脈血栓症についての言及もありましたが、頻度としては稀なようです。
しかし、一度なってしまうと重篤な病気であることから、どんな時に受診するべきなのかは知りたいですよね。
以下の日本産科婦人科学会が提示している「ACHES」を参考にしてみてはいかがでしょうか。

静脈血栓症の場合は、Sの部分に書いてある「ふくらはぎの痛み」、「むくみ」、「握ると痛い」、「赤くなっている」といった症状が疑うサインみたいです。

欧米では、静脈血栓症の発症は以下の症状(ACHES)と関連することが報告されていますので、低用量ピル内服中に症状を認める場合には医療機関を受診して下さい。

A:abdominal pain (激しい腹痛)

C:chest pain(激しい胸痛、息苦しい、押しつぶされるような痛み)

H:headache(激しい頭痛)

E:eye / speech problems(見えにくい所がある、視野が狭い、舌のもつれ、失神、けいれん、意識障害)

S:severe leg pain(ふくらはぎの痛み・むくみ、握ると痛い、赤くなっている)

引用:低用量ピルの副作用について心配しておられる女性へ-公益社団法人 日本産科婦人科学会 

次に、インターネット上に挙がっていたピルに関する噂。
「ピルを飲むと不妊症になる」という話ですが、本当だとしたら怖いですよね…。
でもこの噂自体が、そもそも真実なのでしょうか??
こちらも聞いてみました。

ピルを飲むと不妊症になるという噂は、ウソ

図2

  • 30代女性 産婦人科 ウソ
    全くのウソです。低用量ピルを内服している方で、性的アクティビティーが高い方がクラミジアなどに感染して不妊症となる可能性はあると思います。
  • 40代男性 産婦人科 ウソ
    完全にウソですね。どちらかと言うと妊孕性の保持になるので、今妊娠したくなくて将来妊娠したい人は、なるべく飲んだほうが良いと説明しています。
  • 50代女性 産婦人科 ウソ
    低用量ピルで不妊症にはならないと思います。コンドームを使用しない場合、性感染症には注意が必要だと思います。性感染症が不妊症の原因となる可能性があると思います。
  • 40代女性 産婦人科 ウソ
    不妊の原因となる内膜症を抑制するので逆だと思います。内服をやめれば、治療前の状態に戻るだけなので、もともと不妊症の人は不妊症になるだろうと思います。
  • 50代女性 産婦人科 どちらかというとウソ
    7組に1組のカップルは不妊症はと言われています。理論上7人ピルを飲んでいればそのうち1人はもともとの不妊症という計算になります。ピルを飲んでいるから妊娠しなかったというよりもともと不妊症であったことがピル終了後に判明したということなのではないでかと思います。ただし、ピルを内服しコンドームを使用しないとクラミジア、淋病などに感染するリスクがあります。その場合は不妊につながります。

集計では、アンケートに答えたほぼ全員の産婦人科医がピルで不妊症になるという噂について、「ウソ」もしくは「ほとんどウソ」と回答していました。
低用量ピルで不妊症にはならないとするコメントが多く、むしろ妊孕性の保持や不妊の原因となる内膜症の抑制効果が認められるとしていました。
一方で、性感染症をわずらって不妊症になるケース、もともと不妊症だったことがピル終了後に判明したケースなどが紹介されていましたが、そういった事例報告がまわりまわって「ピルを飲むと不妊症になる」という噂になったのかもしれませんね。

最後に、ピルの副作用ではありませんが、飲み忘れについて聞きました。
というのも、日々のバタバタのなかで薬を欠かさないということは、決して簡単なことではありません。
産婦人科医は、普段飲み忘れに対してどんなアドバイスをしているのでしょうか?

ピルを飲み忘れたら適切に対応することが大事

図3

  • 30代女性 産婦人科
    2日以上飲み忘れても、1日分だけ追加内服すること。2日以上飲み忘れると、不正出血が起きたり、避妊効果がなくなることがあることを指導します。
  • 40代男性 産婦人科
    2日以上忘れて出血が始まったときは、基本的には1週間休んでリセットするように指導しています。
  • 50代男性 産婦人科
    2日以上忘れた場合、それ以降は休薬、可能な限り来院してもらい診察して再開のタイミングを図るようにしています。
  • 50代男性 産婦人科
    出血がなければ継続して飲んでもらいますが、ほかの避妊法を併用してもらいます。
  • 50代女性 産婦人科
    21日服用のものは出来るだけ日曜日にスタートしてカレンダーに合わせるようにしています。服用時間を、忘れにくい時間にずるように指導しています。
  • 50代男性 産婦人科
    飲み忘れがないように、飲んだらスマホでもメモ帳でもカレンダーにでも必ずメモするように指導しています。
  • 50代女性 産婦人科
    ピルのアプリとかで飲み忘れや服薬時間のチェックをすすめます。
  • 60代女性 産婦人科
    台所や化粧台など、毎日使うところに置くように指導しています。

ピルを2日以上飲み忘れたケースは、「ある」と答えた医師が7割を占めました。
やはりピルの飲み忘れは、十分に起こりうることのようですね。
飲み忘れの対処法は、追加内服や1週間休んでリセットすること、他の避妊法の併用などが挙げられていましたが、細かい内容も見られたことから、処方される前にしっかりと説明を聞くことをオススメします。
また、飲み忘れを防止するために、メモする工夫や置き場所や携帯するようなアドバイスがありました。
ピル専用のアプリなんかもあるようで、一度調べてみてはいかがでしょうか。

ピルは、注意事項を知ってから使いましょう

本調査によると、産婦人科医たちがこれまで出会ったことのあるピルの副作用は、「吐き気」が最も多く、次に「不正出血」、「頭痛」が続きました。
また、ピルを飲むと不妊症になるという噂について、アンケートに答えたほぼ全員の産婦人科医が「ウソ」もしくは「ほとんどウソ」と回答していました。
ピルを2日以上飲み忘れたケースもあるようで、主治医に内服し忘れた場合の対処法やピルの正しい知識をあらかじめ確認することは大事そうです。

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