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【妊娠中の体重管理〜総集編】妊娠期の体重の目安や時期、食事、リスクを現役産婦人科医134名が解説!

体重計
産婦人科医134名にアンケートを行ったところ、最も体重の増減を気にするべきは、「妊娠中期」が挙げられましたが、どの期間にも注意するべきという意見も多く見られました。さらに「妊娠中に体重が増えない場合、何らかの危険が発生する」と65%のお医者さんが回答。一方で、体重が増えすぎることにもリスクがあるようでした。最後にイシコメ編集部が選出した、妊娠中の体重管理のおすすめアプリも紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
妊娠・出産・不妊の悩み
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妊娠中は、赤ちゃんの成長にともなってお母さんの体重が増えていくもの。
皮下脂肪をつけて赤ちゃんを守るほか、出産や産後の授乳に備えるため、ホルモンが太りやすい体質に変化させるからと言われています。
また出産の出血に備え、循環する血液量の増加が起因しているとも。
しかしながら、やはり体重増加にも個人差があり、「ママ友と体重の増加率が違う」なんて不安になってしまうこともあると思います。

そこでイシコメ編集部では、産婦人科医134名に妊娠中の体重増加についてアンケートを実施し、今回はその総まとめとして、これまで紹介してきた妊娠の体重管理に関する内容をすべて網羅しました。
ぜひ最後までチェックしてみてください。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイト「MedPeer(https://medpeer.jp/)」にて2017年9月1日から同年9月11日にかけて行われ、産婦人科医134名から回答をいただきました。

まずは、妊娠中の体重増減に注意すべき時期を覚えておきましょう。

妊娠中の体重管理はいつからすべき?

  • 60代男性 産婦人科 妊娠前期
    理想は、妊娠以前から適正体重を心掛けるのが一番です。
  • 60代男性 産婦人科 妊娠中期
    つわりが終わったころから管理が必要です。
  • 50代男性 産婦人科 どの期間にも起こりうる
    妊娠初期からの教育は大切だと思います。
  • 40代女性 産婦人科 どの期間にも起こりうる
    全期間を通じて体重管理は重要です。

「体重の増減に注意し始めるべき時期は妊娠何ヶ月頃からですか?」とアンケートを行ったところ、「妊娠中期」と回答した医師が最も多いという結果になりました。
ただし、医師によって見解はさまざまで、「つわりが終わったころから管理が必要」や「妊娠初期からの教育は大切」というコメントも見られたことから、全期間にわたって一定の注意をすることが大事そうでした。

妊娠中の適切な体重管理の目安は?

続いては、妊娠中の適切な体重管理(週単位)について。
「どのくらいのペースで体重が増えればいいの?」という質問について、産婦人科医にお聞きました。
体重と身長の関係から算出される、ヒトの肥満度を表す体格指数・BMI<体重kg ÷ (身長m)^2>別にまとめているので、ご自身のBMIに当てはめながらチェックしてみてください。

BMI18.5未満の妊婦さんの体重管理(一週間)

まずは、一般的に「痩せている」とされるBMI18.5未満の方についてです。

図2

  • 40代女性 産婦人科医 301〜500g
    一概にいえませんが、大体300gくらいでしょうか。
  • 30代女性 産婦人科医 301〜500g
    500g以上は増えすぎです。
  • 50代女性 産婦人科医 一概には言えない
    満期まで10kg以内を推奨している。
  • 30代男性 産婦人科医 一概には言えない
    何とも言えないですが、トータル10キロ以内です。
  • 60代男性 産婦人科医 100〜300g
    1月に1kgでいいと思います。
  • 20代女性 産婦人科医 100〜300g
    妊娠(期間)全体で10kg程度です。

アンケートの集計結果によれば、BMI18.5未満の方の適切な体重増加は、一週間に「301g〜500g」。
また、「一概には言えない」という意見や、ほぼ差がなく「100g〜300g」という意見も寄せられました。
お医者さんのコメントによると、体重が増えすぎてしまうとPIH(妊娠高血圧症候群)を発症するリスクがあるようでした。
「500g以上は増えすぎです」とあるように、一週間で100g以上、多くても500gまで体重が増加している状態が理想的だと言えそうです。
ほかにも、「週単位で管理するのではなく、より長期で考えるべき」との声も聞かれました。

妊娠期間全体で10kgの増加が適切だという意見も見られ、逆算すると250g〜300g(40週間で計算した場合)となります。
個人差はあれど、妊娠期間を通じて体重が増加していくことを想定してもらえればと思います。

BMI18.5〜25の妊婦さんの体重管理(一週間)

続いて、一般的に「標準体型」とされるBMI18.5〜25の方についてです。
多くの妊婦さんがこちらに該当されるかと思いますので、しっかりチェックしておきましょう。

図3

  • 40代男性 産婦人科医 100〜300g
    250g/週で1kg/1ヶ月がベストです。
  • 40代男性 産婦人科医 100〜300g
    このくらいがヘルシーだと思われます。
  • 60代男性 産婦人科医 301〜500g
    少し多くとも問題ないです。
  • 30代女性 産婦人科医 301〜500g
    1週間に0.5kgほどでしょうか。
  • 50代男性 産婦人科医 一概には言えない
    全体として約10〜12kgと考えますが、一概に言えないと考えます。
  • 40代男性 産婦人科医 一概には言えない
    概ね月1kgくらいと言っています。週だと細かすぎるので。

BMI18.5〜25の方は、一週間に「100g〜300g」が最も支持される結果に。
続いて「301g〜500g」、「一概には言えない」という回答が続きました。
厚生労働省が発表した平成26年の調査によると、第1子の女性の平均年齢は30.6歳です。
少し古いデータですが、政府が発表する「平成22年国民健康・栄養調査」によると、30代女性の平均BMIは21.56です。
つまり平均的な30歳前後で出産をする女性の場合、週に100〜500g程度の体重増加ができていれば問題ないと判断してもいいかもしれません。

BMI25以上の妊婦さんの体重管理(一週間)

最後は、一般的に「肥満」に該当するBMI25以上の方についてです。

図4

  • 60代男性 産婦人科医 100〜300g
    1ヶ月に1キロ増を目安にするように指導しています。
  • 40代男性 産婦人科医 301〜500g
    肥満でも8kg程度は増加必要です。妊娠中にダイエットはあり得ません。
  • 40代女性 産婦人科医 一概には言えない
    一概にはいえませんが、大体妊娠期間を通じて10kgくらいです。
  • 40代男性 産婦人科医 一概には言えない
    月1kgと言っているので週だと200-300gくらいでしょうが、週数にもよります。
  • 60代男性 産婦人科医 一概には言えない
    BMIが25を超えているようなら体重増加を抑えるよう指導します(100-200g)。
  • 40代女性 産婦人科医 一概には言えない
    妊娠前の体重によりますし、急激な増加でなければ許容出来ると思います。

「一概には言えない」が最も多い意見となりましたが、医師のコメントを鑑みるにBMI18.5以下、BMI18.5〜25の方と大きな差はないようです。
もちろん、肥満体型だからといって無理にダイエットをする必要はないのですが、BMIが高い方は持病を持っている場合が考えられるため要注意。
自己判断をすることなく、必ずお医者さんに相談してみてください。

体重が増えすぎる/増えないとリスクがある?

BMI別に適切な体重管理について説明いたしましたが、「私、当てはまっていない」という人がいるかもしれません。
もしくは、これから妊娠を考えるにあたり不安に思ってしまう人もいるでしょう。
続いては、体重が増えすぎる/増えないリスクを現役産婦人科医134名にアンケートしました。
もちろん対策についても回答をいただいているのでご心配なく。
お医者さんの意見を参考にしながら、適切な体重管理ができるようにしましょう。

まずは、体重が増えすぎるリスクについて。
アンケートでは、「妊娠中に体重が増えても問題ない」と回答したのは134名中わずかに6名。
多くの産婦人科医が「妊娠中に体重が増えすぎてしまうことをリスク」だと考えているようで、まずは母体側のリスクについて見ていきましょう。

妊娠中に体重が増えすぎるリスク(母体)

  • 60代男性 産婦人科医 妊娠糖尿病、難産
    個人差がありますが、体重増加過多はハイリスクです。
  • 50代男性 産婦人科医 妊娠糖尿病、難産
    身体への負担が増加した結果、上記の病態が発生しやすいです。それらの結果として、常位胎盤早期剥離なども出てきます。
  • 70代男性 産婦人科医 妊娠糖尿病、難産
    体重の異常な増加は、循環器にも負担になり、子宮胎盤血流量も減少します。
  • 40代女性 産婦人科医 妊娠糖尿病、難産
    発生する 確率が上昇すると考えられています。ただし、体重増加が原因で必ずこれらの病態が生じる、といったような誤解はなさらないでいただきたいです。

多くのお医者さんが、妊娠中の過度な体重増加は、妊娠高血圧症候群や難産になる可能性を指摘しています。
コメントのなかには、常位胎盤早期剥離など、怖い病気の名前も挙げられていましたが、上記のように「体重増加が原因で必ずこれらの病態が生じるわけではない」という回答もありましたので、過度な心配はしない方がよさそうです。

次に、胎児側のリスクについて見ていきましょう。
お母さんだけではなく、生まれてくる赤ちゃんの体に発生する危険を示唆するお医者さんも多くいました。

妊娠中に体重が増えすぎるリスク(胎児)

  • 30代女性 産婦人科医 特になし
    難産により分娩停止、胎児機能不全はあり得ます。
  • 60代男性 産婦人科医 巨大児・奇形児
    巨大児になりやすいですが、奇形は関係ありません。
  • 60代男性 産婦人科医 低血糖、巨大児・奇形
    妊娠性糖尿病になった場合、管理が不十分であれば、胎児にも色々と問題が生じます。
  • 70代男性 産婦人科医 胎児機能不全
    慢性的な循環不全の結果、胎児仮死も起こりやすいです。

お母さんの過度な体重増加は、巨大児になるリスクが高まるという意見が数多く寄せられました。
また、お母さんの体調の変化に伴い、胎児機能不全になるという意見も。
胎児が大きくなりすぎた結果、逆子になりやすくなってしまうことや、難産になるケースもあるようで、やはり体重が増えすぎるのはよくないようです。
以上の結果を踏まえると、「あくまでリスクがある」ということになりますが、体重の増えすぎには注意が必要そうですね。
もし自分の体重が増えすぎていると感じる場合は、一度お医者さんに相談をしましょう。

妊娠中に体重が増えないと、胎児に悪影響があるかも?

体重が増えすぎてしまうこともリスクですが、逆に体重が増えないことにも注意が必要です。
「妊娠中に体重が増えない場合、何らかの危険が発生すると考えられますか」とアンケートを行ったところ、「発生する」と回答した医師は88名で、全体の6割以上を占めました。

図7

  • 60代男性 産婦人科
    低出生体重児の可能性が高くなります。
  • 60代男性 産婦人科
    胎児発育不全、機能不全が生じる可能があります。
  • 60代女性 産婦人科
    最近では、生まれた児が成長した後の生活習慣病の発症にもかかわるといわれています。
  • 40代女性 産婦人科
    児の低体重につながるように感じます。一般的には将来的に児が糖尿病になりやすいと言われているように思います。

お母さんの体重が増えない場合、赤ちゃんが「低体重、もしくは発育不全になる」といった回答が多く寄せられています。
また、赤ちゃんが生まれた後の将来的な健康リスクを懸念する声もちらほら。
体重が増えすぎてもいけませんし、増えないのもリスク。
お母さんにとっては、不安になることもあるでしょう。
ただ、やはり母子ともに安全な出産をするためにはしっかりと体重管理が必要です。
常日頃から体重をチェックする工夫をしてみてください。

適切な体重管理をするにはどうしたらいいの?

とはいえ、「どうやって適切な体重管理をしたらいいの?」というのが実際のところ。
アンケートの中で、「一番は食事の管理が肝要」といった意見が寄せられていたので、食事の管理を一つの方法として考えておくといいかもしれません。
産婦人科医134名に「妊娠中に適切な体重管理を行うための食事メニュー」をお伺いした結果がこちらです。

  • 60代男性 産婦人科医 
    あまり神経質になる必要はないです。バランスの良い食事を心がけることです。
  • 60代女性 産婦人科医 
    非妊時の食事指導と変わりません。タンパク質・カルシウム・鉄などは非妊時に比べて多く摂る必要があり、必要カロリーはその分多くなります。
  • 60代男性 産婦人科医 
    塩分過剰に気をつけてバランスよく摂っていればいいです。

アンケートに回答いただいた134名のお医者さんの多くが、上位4つの回答欄にチェックマークを付けていました。
妊娠時も、非妊娠時と同様にバランスの良い食事を心がけることが重要なようです。
これから妊娠を考えるお母さんも、自分の食生活に偏りがないかチェックしておくようにしましょう。

妊娠中の体重管理のおすすめのアプリをイシコメ編集部が選出!

最後に、「毎日体重計に乗って、手書きで体重管理をするのは大変かも…」という人は、アプリを利用して効率化するのもおすすめです。
今回は、イシコメ編集部がオススメするアプリを3つご紹介します!

トツキトオカ

図9

https://itunes.apple.com/jp/app/totsukitooka-fu-fude-gong/id995864179?mt=8

最初にオススメするのは、体重管理が便利な「トツキトオカ」。
主な機能には、体重管理(グラフで確認可能)、日記登録、妊娠アドバイス、妊娠週数の表示、妊娠までのカウントダウン、検診予定日のお知らせ機能などなど。非常に充実しています。
何より嬉しいのが、ママの体調や知識をパパと共有できるところ。
妊娠中は気を配らないといけないことが多いため、旦那様の協力も大事になってきそうです。
お互いの意思疎通を大事にして過ごせるようにしましょう。

Lalune(ラルーン)

図10

https://itunes.apple.com/jp/app/rarun-wu-liao-sheng-li-ri/id479838529?mt=8

Lalune(ラルーン)は、体重管理や基礎体温をグラフで管理できる人気アプリ。
妊活から出産までずっと使うことができます。
主な機能には、体重管理(グラフで確認可能)、基礎体温(グラフで確認可能)、生理日と排卵日の予測、生理や妊娠の相談ができる、女性の為の情報共有(生理、妊娠、避妊)などがあります。
妊娠後はマタニティーモードに切り替わります。

 

Diet Plus(ダイエットプラス)

図11

https://itunes.apple.com/jp/app/diet-plus/id1253751770?mt=8

Diet Plus(ダイエットプラス)は、食習慣・食事を改善し、健康的な食生活を応援してくれるアプリ。
メニューを手打ちしなくても、写真を一枚撮るだけでOK。
料理を見て、管理栄養士さんがコメントをくれます。
先ほども、産婦人科医の方が「食事が肝要」とコメントをされていましたが、一人では自分の食生活が正しいのかわかりづらいもの。
管理栄養士さんのサポートがあれば、正しく体重管理ができそうです。

正しい情報を知り、母子ともに安全な出産を

妊娠中は、気をつけなければいけないことがたくさん。
気が滅入ってしまいそうですが、全ては生まれてくる我が子のため。
妊娠中の体重管理は、妊娠が順調かを図る重要な指標の一つです。
正しく情報を知り、自分の体重が適切に推移しているかはこまめにチェックしましょう。
もちろん、順調でない場合は、自己判断はしないように注意が必要です。
お医者さんと相談しながら、十月十日を経てやってくる可愛い赤ちゃんのことを思い浮かべて、1日1日を大切に過ごしましょう。

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