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誘発分娩はどんな時に行われるの?出産までの最短時間は?産婦人科医140名に聞きました

誘発分娩を控えた妊婦さん
誘発分娩に移行することが多い状況として、「予定日超過」、「微弱陣痛」、「前期破水」などが挙げられていました。また、陣痛促進剤を投与してから出産までの最短時間は「1〜5時間以内」が最も多いという結果となり、早い方は薬を投与してすぐに産まれることがあるようです。
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皆さんは、誘発分娩という言葉を聞いたことはありますか?
誘発分娩は、陣痛誘発とも言われ、日本産科婦人科学会によれば、以下のように説明されていました。

陣痛誘発は陣痛促進薬により人工的に子宮収縮を誘発することで,陣痛発来後に微弱陣痛のため分娩進行に問題が認められ子宮収縮の増強を図る場合が陣痛促進である.母児の安全性の確保が前提となり,適応と要約の遵守と適切な母児監視が必須である.

引用:陣痛誘発 - 日本産科婦人科学会 

つまり、陣痛の経過に問題がある妊婦さんに対し、陣痛促進薬を使って分娩をすすめていく方法のようなのです。
それでは、陣痛の経過に問題がある場合とは、いったいどんなときなのでしょうか?
また、インターネット上で疑問が多かったのは誘発分娩の時間について。
例えば、陣痛促進剤を打つと最短時間はどの程度なのでしょうか?
日頃から分娩にたずさわっている産婦人科医145名にこれらの誘発分娩にまつわる疑問について聞きました!

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2017年12月4日〜12月11日にかけて行われ、産婦人科医145名から回答を頂きました。

まずは、誘発分娩への移行が多い状況について聞きました。

予定日超過や微弱陣痛、前期破水のときに誘発分娩が行われる

  • 50代男性 産婦人科
    やはり予定日超過といって、予定日の1週間過ぎあたりから対応する例が最も多いです。
  • 50代男性 産婦人科
    予定日超過による羊水過少などもあり余裕持って41週以降は、原則誘発を勧めています。
  • 40代男性 産婦人科
    妊娠41週以降の予定日超過には、よく誘発を行います。
  • 50代男性 産婦人科
    誘発は必要な場合はあります。適応はしっかり守るべきだと思います。
  • 40代男性 産婦人科
    適応のない希望の誘発はうまくいかないことが多いと思います。
  • 50代女性 産婦人科
    安全に経腟分娩が目指せるという医学的にメリットがある場合は誘発分娩をお勧めしていますが、本人希望での誘発はなるべくお断りしています。ガイドライン通りの誘発剤の使用では分娩に進まない場合や時間がかかったりすることも多いです。
  • 60代男性 産婦人科
    昔は胎盤機能低下や妊娠高血圧症候群でも誘発分娩していましたが、最近では危ない橋はわたらないようになり、どうしてもやってほしいと言う時以外はやらなくなりました。
  • 50代男性 産婦人科
    胎盤機能低下、子宮内胎児発育遅延など胎児要因が多いです。

調査では、「予定日超過」、「微弱陣痛」、「前期破水」などが誘発分娩に移行する上位の状況として挙げられていました。
コメントでは、予定日超過についての意見が目立ち、とある医師によれば、「予定日の1週間過ぎあたりから対応する例が最も多い」とのことでした。
また、妊婦さんの方から誘発分娩を希望される場合もあるようですが、適応をみて判断するべきという医師の意見も複数見られており、日本産科婦人科学会の資料では、適応について以下のように書かれていました。

妊娠継続により母体あるいは胎児に危険が生ずる可能性が高い場合は陣痛誘発の適応となる.

引用:陣痛誘発 - 日本産科婦人科学会 

つまり、母子に危険がせまる状態の際に行われるようで、妊婦さん側も自分の希望で必ずしも行われるものではないと思っておく必要がありそうです。

さて、次にインターネット上で疑問が多かった誘発分娩の時間について。
特に今回は、最短時間を聞いてみました。

誘発分娩の最短時間は5時間未満!?

図2

  • 30代女性 産婦人科 1〜5時間以内
    誘発というより陣痛促進ですね。間延びしてきて妊婦が疲れ切ってしまっている時、あとちょっとひと押しすることがあります。そういう場合ははやく出ます。
  • 50代男性 産婦人科 1〜5時間以内
    児頭がすごく下がっていて、展退100%といって子宮口がとても薄く柔らかくなっているとさすがに早いです。
  • 60代男性 産婦人科 1〜5時間以内
    初産婦で誘発分娩を行なった場合、陣痛促進剤を投与してから1-5時間で生まれたことがあります。
  • 60代男性 産婦人科 1〜5時間以内
    概ね10時間以上かかりますが、すごく早い方もたまにいます。
  • 50代男性 産婦人科 1〜5時間以内
    促進剤の使用後最短時間を競うわけではないので、早いほうがいいわけではありません。
  • 60代男性 産婦人科 5〜10時間以内
    触れなば落ちぬと言う状態で、陣痛だけ来ない様な場合は、陣痛が付けば、さほど時間は掛かりません。
  • 50代男性 産婦人科 5〜10時間以内
    ただ単に促進剤を投与するのではなく、下準備が必要と考えます。
  • 50代男性 産婦人科 10〜15時間以内
    微弱陣痛のため促進する場合は、促進開始がどの分娩時期かで生まれるまでの時間は変わります。陣痛がない時に、誘発する場合は簡単には生まれません。

陣痛剤を投与してから出産までの最短時間は「1〜5時間以内」が最も多いという結果でした。
産まれる直前の状態で陣痛促進剤を打つ場合は、本当に早いようです。
ただし、「どの分娩時期かで生まれるまでの時間は変わります」や「陣痛がない時に、誘発する場合は簡単には生まれません」などといった医師のコメントからみても、ケースバイケースのようで、あくまでも参考程度にとどめてもらった方がよさそうです。

誘発分娩は、適応に則って行われるもの

本調査によれば、「予定日超過」、「微弱陣痛」、「前期破水」などが誘発分娩に移行する上位の状況として挙げられていました。
また、陣痛促進剤を投与してから出産までの最短時間は「1〜5時間以内」が最も多いという結果でした。
誘発分娩は、適応に則って行われるものであり、誘発分娩がどれくらいの時間なのかも参考程度にとどめておく方がよさそうです。

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