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誘発分娩の合併症はどんなものがある?噂の真相は?産婦人科医140名に聞きました

赤ちゃんの足
誘発分娩の合併症について、「胎児機能不全」を選んだ医師が最も多く、「弛緩出血」、「過強陣痛」が続くという結果になりました。また、陣痛促進剤と発達障害については、「関連性はない」という結果になりました。
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陣痛促進薬を使って出産を進める誘発分娩という方法。
出産を助ける効用もありますが、一方で薬を使う処置のためリスクがあります。
その一つが、合併症。
日本産科婦人科学会の資料によれば、「陣痛促進薬の主要な副作用」の項目で、ショック、過強陣痛、子宮破裂、頸管裂傷、微弱陣痛、弛緩出血、羊水塞栓症、胎児機能不全などが挙げられていました。

参照:陣痛誘発 - 日本産科婦人科学会 

では、どの合併症の頻度が高いものなのでしょうか?
また、インターネット上で見られた「陣痛促進剤と発達障害に関連がある」という噂。その噂は、本当なのでしょうか?
これらの誘発分娩に関する疑問について産婦人科医145名に聞きました!

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2017年12月4日〜12月11日にかけて行われ、産婦人科医145名から回答を頂きました。

まずは、誘発分娩の合併症について聞きました。

誘発分娩の合併症は、胎児機能不全、弛緩出血、過強陣痛

  • 30代女性 産婦人科
    胎児機能不全になるかは適応にもよるかと思います。予定日超過や胎児側が原因で誘発を行った場合は多くなると思います。子癇発作も2例経験があります。羊水塞栓症も経験しましたが、誘発を行っていた例でした。
  • 50代女性 産婦人科
    誘発しないと生まれない子宮はしばしば弛緩出血を起こします。児頭下降不全だったりすると結局は胎児心拍異常になります。
  • 60代男性 産婦人科
    過強陣痛は、時に経験します。モニタリングは、ほぼ連続で必要でしょう。
  • 50代男性 産婦人科
    自分の経験ではありませんが、促進中の胎児徐脈が多い印象があります。
  • 30代女性 産婦人科
    普通は自然陣発するので、そこからはずれること自体で何かがおかしいのです。よって緊急カイザー(帝王切開)になることも自然陣発よりやや多い印象です。
  • 60代男性 産婦人科
    痛みが強くならないのと、長く続かないことがあり、遷延分娩になり、帝王切開へ切り替えることもあります。
  • 60代男性 産婦人科
    上に書かれた合併症よりは、なかなか反応せず帝王切開になる場合の方が多いように思います。

調査では、誘発分娩の合併症について、「胎児機能不全」を選んだ医師が最も多く、「弛緩出血」、「過強陣痛」が続くという結果になりました。
さらに、なかなか分娩が進まず、帝王切開へ切り替えることもあるようでした。
また、誘発しないと生まれないという状況がそもそも自然ではなく、何かがおかしい状況であるから合併症が起きたり、帝王切開になったりするといった医師の説明もありました。
全体を通して、誘発分娩に産婦人科医が日々慎重に取り組んでいる様子が伺えました。

次に、陣痛促進剤と発達障害の関連性について、噂の真相を聞いてみました。

陣痛促進剤と発達障害に関連性はない

図2

  • 60代男性 産婦人科 関連性はない
    産婦人科医は生まれた子供のフォローをしてないので、はっきりわからないですが、当院の小児科医から特に指摘されていないので関連性はないと思います。
  • 60代男性 産婦人科 関連性はない
    自分の2人の子供は、どちらも誘発陣痛で産まれましたが、1人は医師になり、もう1人も臨床心理士として立派になっています。
  • 60代男性 産婦人科 関連性はない
    出生の状況によると思われるので必ずしも、陣痛促進剤と児の発達障害の関連性はありません。
  • 60代男性 産婦人科 関連性はない
    障害が予測されるような場合は勿論のこと、異常の徴候が出た時点で止めると思います。
  • 50代女性 産婦人科 関連性はあまりない
    発達障害は分娩とは関係ないことで起こることが多いので、誘発剤の使用の有無で頻度が変わると思えません。
  • 50代男性 産婦人科 関連性はあまりない
    分娩時の状態との関連はあると思いますが、陣痛促進剤と直接関係があるとは言えないと思います。

集計では、陣痛促進剤と発達障害について、「関連性はない」を選んだ医師と「関連性はあまりない」を選んだ医師をあわせて9割以上という結果になりました。
つまり、陣痛促進剤と発達障害の関連性はないと言えそうです。
一方で、分娩時の状態と発達障害との関連は指摘されていましたが、誘発陣痛をした医師自身のお子さんは、発達障害がなく育っているというコメントや、陣痛促進剤と直接関係があるわけではないという見解が複数みられました。

誘発分娩は、産婦人科医が慎重に取り組む医療行為

本調査によれば、誘発分娩の合併症について、「胎児機能不全」を選んだ医師が最も多く、「弛緩出血」、「過強陣痛」が続くという結果になりました。
また、陣痛促進剤と発達障害については、「関連性はない」という結果になりました。
全体を通して、誘発分娩に産婦人科医が日々慎重に取り組んでいる様子が伺えましたが、妊婦さんの方も今回紹介したようなリスクを念頭に主治医と相談することが大事そうです。

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