新生児の発熱はどんな時に注意が必要ですか?小児科医 150人に聞いてみました

泣く赤ちゃん
今回の調査では、新生児が発熱したときの受診の見極めとして、赤ちゃんの元気があるかどうかを観察することが大事という結論になりました。新生児の異変に気づいてあげられるのは、そばにいるご両親です。発熱はもちろん、何かいつもと違うと感じた場合は、病院に受診するのが大事なようです。
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生まれたばかりの赤ちゃんが突然熱を出したら不安になりますよね。
すぐに病院に連れていくべきか?何か自宅でできることはあるのか?など気になることがあると思います。
もし夜間や休みの日だったら、どこに相談していいのかわからないと悩むお母さんもいるのではないでしょうか?
そこで今回は、新生児が熱を出してしまったとき、どうするべきなのかを小児科医150人に対し調査を実施しました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2017年12月11日に行われ、小児科医153名から回答を頂きました。

熱はあるけど元気そうなとき

まずは、発熱しているけれども赤ちゃんが元気そうなときに様子を見ていいのかどうかを聞いてみました。

図1
  • 50代男性 小児科 
    室温・服装の調節をして、30分〜60分後に再度検温してください。38.0℃以上あればすぐに小児科受診しましょう。 ぐったり、顔色不良、呼吸促迫等あれば、時間を置かずに小児科受診してください。
  • 40代男性 小児科
    38度を一瞬越えたがすぐ下がり、元気もよくミルクもよく飲んでいるならそのまま経過観察でもいいですが、38度を超えて下がらないなら受診しておいた方が良いでしょう。
  • 40代女性 小児科
    新生児は1日の中でも、体温の変動が激しく、1度ぐらいは平気で高くなります。元気ならば環境を整えて、1時間後に再検を勧めています。
  • 30代女性 小児科
    環境調整しても熱があれば受診、夜間なら翌朝受診でも良いです。ぐったりして元気に泣かない、哺乳不良などは早めに受診が良いかと思います。
  • 30代男性 小児科
    薄着にして、室温を下げるだけで体温が下がることが多いですが、それでも38度前後ある場合は元気でも受診したほうがよいでしょう。
  • 40代男性 小児科
    着衣の影響もありますので、「見た目が元気そうなら」様子見で良いと思います。
  • 60代男性 小児科
    新生児(1ヶ月以内)であれば、重症感染症の否定のため、早期に受診すべきです。

発熱していても児が元気な場合は、「様子を見る」が一番多い回答となりました。
医師のコメントでは、服装や室温といった環境を調節しながら、1時間後くらいにもう一度体温を測ることを勧めるコメントが目立ちました。
それで下がればよいみたいですが、一方で、新生児(1ヶ月以内)の場合、38℃を超えて下がらないようだったら重症の感染症もあるらしく、ぐったりしていたらもちろん、熱が続く場合は元気でも重症な状態でないか?を確認するために小児科へ受診したほうがよいとのことでした。

熱があり、さらに元気がなさそうなとき

では、熱があり元気がないときはどうすべきでしょうか?

こちらも聞いてみました。

図2
  • 40代男性 小児科
    新生児が、Not doing well(なんとなく元気がない)のときは、どんな場合でも早急に受診するべきです。
  • 50代男性 小児科
    not doing wellは病院受診を指示しています。特定の疾患が想定されるわけではなく、あらゆる可能性を考えますので。
  • 40代女性 小児科
    薄着にして体温再検もしていただきますが、元気のなさ具合や皮膚色等もみていただいて、異常と思われれば受診していただきます。
  • 40代男性 小児科 
    体温よりも体調で判断します。「普段より何かちがう」といった両親の感覚が当たっていることは多いです。
  • 50代男性 小児科
    新生児は細菌性髄膜炎・敗血症で急激な増悪をきたす可能性があるので、すぐに小児科受診を勧めています。
  • 40代女性 小児科
    熱が高かろうが、低かろうが、元気がなさそうな時は、すぐに受診すべきです。
  • 60代男性 小児科
    体温のみならず、元気がなければ、重症な疾患が隠れている可能性があり、受診すべきです。

発熱していて元気がない場合は、8割弱の医師が小児科を受診すべきだと回答する結果となりました。
新生児が「何となく元気がない」という状態は重篤な疾患の可能性があるという意見が多く、ご両親から見ておかしいと思ったらすぐ受診すべきとのことでした。
コメントからは、発熱がなくても元気がないときは重症のことがあるようで、そんなときは、受診する方がよさそうですね。
「普段より何かちがう」といった両親の感覚が当たっていることは多い、という医師のコメントを念頭においてください。

実際発熱から重篤な症状になってしまうことはあるの?

図3
  • 40代男性 小児科 ある
    GBS(B群レンサ球菌)の遅発性敗血症だったことがあります。このような症例を早く見つけるには早く受診してもらうことが重要です。
  • 60代男性 小児科 ある
    救急救命センターですので、細菌性髄膜炎、尿路感染症+敗血症など日常的に経験しています。
  • 50代男性 小児科 ある
    新生児期の発熱の10%は重篤な感染症と言われているので、入院精査とします。
  • 40代女性 小児科 ない
    自分は運良く経験がないが、致死的になったケースをいくつも聞いたことがある。
  • 40代男性 小児科 ない
    直接の経験はないですが、他の医師や症例報告では髄膜炎や敗血症など怖いことを聞くこともあります。
  • 50代男性 小児科 ない
    一過性に発熱があっても、原因不明のまま軽快することがほとんどでした。

6割以上の医師が重篤化の経験があると回答し、敗血症や細菌性髄膜炎などの危険性があるといったコメントが目立ちました。
ここで、敗血症と細菌性髄膜炎の簡単に紹介したいと思います。

1 細菌性髄膜炎とは
細菌性髄膜炎は、様々な細菌の感染によって髄膜(脳や脊髄を覆う膜)に炎症を起こす疾患の総称です。感染症法では、「髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌を原因として同定された場合を除く。」と定義されており、これらによる場合には、それぞれ、侵襲性髄膜炎菌感染症、侵襲性肺炎球菌感染症、侵襲性インフルエンザ菌感染症として扱われます。

引用:細菌性髄膜炎 -東京都感染症情報センター

3 症状
髄膜炎の主な症状は、発熱、頭痛、嘔吐を特徴とすることです。意識障害が出ることもあります。首を動かしにくくなる硬直(項部硬直)、大腿筋が動かしにくくなる硬直(Kernig徴候)、首を屈曲すると股関節と膝関節の屈曲が誘発される(Brudzinski徴候)などの症状が見られることがあります。

引用:細菌性髄膜炎 -東京都感染症情報センター

からだの一部に細菌がはびこり,そこから血液中に絶え間なく菌による毒が流れ込みます。その毒が全身に回って,からだの抵抗力が負けて,肺や腎臓(じんぞう)などの大事な臓器がおかされる病気です。治療が遅れると命にかかわるので,抗菌剤などを使い,早めに治療します。
引用:27.敗血症 -独立行政法人 国立国語研究所

見ていただければわかる通り、命に関わる病気のようでした。
また、経験がないと回答した医師も、重篤化した症例を聞いたことがあるというコメントが多く、決して対岸の火事ではないことがわかりますね。

新生児の発熱は、いつもと違うが観察ポイント

本調査によれば、新生児が発熱したときの受診の見極めとして、赤ちゃんの元気があるかどうかを観察することが大事という結論になりました。
もし元気があれば、室温や服装などを調節して様子を見るのも1つですが、それでも熱が下がらないようであれば受診した方が良いとのことでした。
新生児の異変に気づいてあげられるのは、そばにいるご両親です。
発熱はもちろん、何かいつもと違う…そんな風に感じたら、病院に連れて行ってあげることが大事なようです。

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