新生児の目やにで市販の目薬を使ってもいい?母乳点眼って本当にするの?ブジーはいつ頃?小児科医160名に聞きました

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新生児の目やにの対処として、「市販の目薬は使わない方がよい」と回答した医師が半数以上を占め、新生児の目やにの改善に母乳点眼を用いることは、8割以上の小児科医が否定的な見解を示しました。ブジー(鼻涙管解放術)のタイミングについては、「新生児期〜生後6ヶ月までに」とした医師が最も多かったものの、ケースバイケースのようで、主治医とよく相談することが大事そうです。
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皆さんは、赤ちゃんに目やにが出てきたら、どうしますか?
少し拭き取るくらいで済めばよいのですが、おさまらないときは、市販の目薬でも大丈夫なのでしょうか?
また、インターネット上で見られた母乳点眼という方法をみかけましたが、本当にそれで目やにがよくなるのでしょうか?
さらに目やにが長引くとブジーという赤ちゃんの鼻涙管を開げる方法を用いるようですが、いつ頃が妥当な時期なのでしょうか?
こうした新生児の目やにの様々な対処方法について、現役小児科医160名に聞きました!

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2017年12月15日〜12月16日にかけて行われ、小児科医163名から回答を頂きました。

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まずは、新生児の目やにを市販の目薬で対処してよいものかどうか聞きました。

半数の医師が、市販の目薬は避けた方がよいと回答

図1
  • 50代女性 小児科 市販の目薬は使わない方がよい
    新生児の場合は使用しない方がよいと思われます。あるいは薬剤師の指導が受けられれば市販でもよいかと思われますが、いずれにしろ専門家の判断が必要です。
  • 60代男性 小児科 市販の目薬は使わない方がよい
    市販の点眼が何を指すのかわかりません。アトロピンなどが入っている可能性もあり、使わないほうが良いと思います。
  • 50代男性 小児科 市販の目薬は使わない方がよい
    防腐剤の関係もあり、保護者にはそれを判断するのは難しいので、使わない方がいいと思います。
  • 50代男性 小児科 市販の目薬は使わない方がよい
    市販の目薬は、成人用のものが多く、新生児には使用しない方がいいと思います。
  • 40代男性 小児科 種類に気をつければ市販の目薬を使って問題ない
    ただし、市販の点眼薬で新生児にも点眼可能となっている製品があるかどうかが問題です。
  • 60代女性 小児科 種類に気をつければ市販の目薬を使って問題ない
    市販している点眼薬のことを詳しく知りませんが、新生児が使う点眼薬もあると思います。

集計では、新生児の目やにの対処として、「市販の目薬は使わない方がよい」と回答した医師が半数以上を占め、次に「種類に気をつければ市販の目薬を使って問題ない」がつづきました。
医師のコメントでは、市販の目薬の多くは成人用だったり、防腐剤の有無を判断する必要があったりするため、専門家の判断が必要であることから、勧めないという回答が多かったように思います。
新生児も使える点眼薬が市販でもあれば、使って構わないとのことでしたが、点眼をするような状態では受診を勧める医師もおられました。

次にインターネット上で見られた母乳点眼にまつわる噂。
新生児の目やにの改善に母乳を点眼するという行為は、果たして本当に効果があるのでしょうか?こちらも小児科医に聞きました。

目やにの改善に母乳点眼が効くという噂は、ウソ

図3
  • 50代男性 小児科 ウソ
    そういう噂は、聞いたことがありません。細菌感染症であれば、かえって細菌増殖を促すように思われますが。
  • 60代男性 小児科 ウソ
    聞いたことはあるような気もしますが、実際に指導したこともないし、実践している母親に会ったこともありません。
  • 60代男性 小児科 ウソ
    初めて聞きました。母親から問い合わされたことはありません。
  • 70代男性 小児科 どちらかというとウソ
    初乳には、特殊な免疫グロブリンが含まれており、重要な働きをしているのですが、目やにに有効かどうかわかりません。
  • 40代男性 小児科 どちらかというとウソ
    知りませんでした。根拠を示してくれればいいのですが、あまり医学的根拠はなさそうですね。
  • 60代男性 小児科 どちらかというとホント
    昔は、そう言う「身近なもの」で、何とかしようと言う工夫があったのだと思います。だから一概にダメとは言えないと思います。

集計では、新生児の目やにの改善に母乳点眼を用いることは「ウソ」とした医師が半数以上を占め、「どちらかというとウソ」を合わせると8割以上の小児科医が否定的な見解を示しました。
医師のコメントでは、昔は身近なもので対処しようとした経緯があるため、こうした噂が残っているのだろうという話がありましたが、ほとんどの医師は聞いたことがないとしていました。
むしろ母乳を点眼することで細菌の増殖を招くことを懸念する医師のコメントもありました。
まとめると、母乳点眼は控えておいた方がよいという結論になりそうです。

最後に、新生児目やにがつづくときに行われるブジー(鼻涙管解放術)はいつ頃するものなのでしょうか?こちらも聞きました。

ブジーは、新生児〜6ヶ月の間が最も多いがケースにもよる

図3
  • 50代男性 小児科 新生児期〜生後6ヶ月までに
    6か月を超えると、鼻涙管解放術は、赤ちゃんが暴れて大変である。抑制するのも大変だし、術者が施術するのも大変だし、赤ちゃん本人も湯気を上げて泣き叫ぶので大変だと思います。
  • 30代男性 小児科 新生児期〜生後6ヶ月までに
    再狭窄などもあるかもしれませんが、鼻涙管閉塞のお子さんにはブジーをしてもらったらよいと思います。
  • 40代男性 小児科 新生児期〜生後6ヶ月までに
    実際には眼科に依頼しますが 待機するメリットはあまりないのではないでしょうか。
  • 30代男性 小児科 新生児期〜生後6ヶ月までに
    昔、眼科の先生に聞いたところによると早ければ早いほうがよいといわれました。
  • 40代男性 小児科 生後6ヶ月〜1歳までに
    これくらいの時期にしていただく事が多いように思います。
  • 60代男性 小児科 生後6ヶ月〜1歳までに
    先ず、保存的に治療を開始して、効果がなければブジーです。
  • 50代女性 小児科 1歳以降
    自然に鼻涙管閉塞は生後3か月以内に約7割、1年以内に9割~9割5分が自然に治癒することがわかっているとき聞いています。
  • 40代男性 小児科 1歳以降
    眼科に紹介しても経過観察になることも多いです。
  • 50代女男性 小児科 その他
    生後3か月以降に持続する場合に眼科紹介しています。

集計では、新生児の目やにのブジーは、「新生児期〜生後6ヶ月までに」とした医師が最も多く、つぎに「生後6ヶ月〜1歳までに」が続きました。
ブジーとは、鼻涙管開放術(びるいかんかいほうじゅつ)とも呼ばれ、日本眼科学会によると、以下のように説明されています。

自然開通が見込めない場合や、すでに初診時のお子さんの月齢が乳児期の半ばから後半であった場合、鼻涙管開放術(ブジー)を行います。これは、涙点から細い針金のようなもの(ブジー針)を鼻涙管に差し込んで、涙の流れを邪魔している膜を突き破るという方法です(図2)。この治療は、通常、外来で行われます。ごくまれですが、この鼻涙管開放術を行っても開通できないことがあり、この場合は手術を行うこともあります。

この病気は自然開通することが多いため、治療の方法もまちまちです。1歳になるまで鼻涙管開放術を行わないでよいとする報告や、いつでも涙が溜まった状態がお子さんのストレスになりかねないとする観点から、早めの鼻涙管開放術を勧める報告まであります。治療の方法や治療時期については、主治医とよく相談して決めることが重要です。

引用:日本眼科学会:目の病気 新生児涙嚢炎 

学会の説明でも、ブジーのタイミングはまちまちのようですが、本調査のコメントでも赤ちゃんが成長すると処置が大変になるので早い方がよいという意見もあれば、眼科に紹介しても経過観察になることが多いという意見もあり、一概には言えなさそうでした。
また、鼻涙管閉塞は、再狭窄してしまうこともあれば、自然治癒することもあるようで、やはり主治医としっかり相談することが大事そうです。

新生児の目やには医師と相談しながら対処しましょう

本調査によれば、新生児の目やにの対処として、「市販の目薬は使わない方がよい」と回答した医師が半数以上を占め、次に「種類に気をつければ市販の目薬を使って問題ない」がつづきました。
新生児の目やにの改善に母乳点眼を用いることは、8割以上の小児科医が否定的な見解を示しました。
ブジー(鼻涙管解放術)のタイミングについては、「新生児期〜生後6ヶ月までに」とした医師が最も多く、つぎに「生後6ヶ月〜1歳までに」が続きました。しかし日本眼科学会の説明を見てもケースバイケースのようで、主治医とよく相談することが大事そうです。

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