新生児の黄疸ってどんな病気が多いの?重症のものは?小児科医150名に聞きました

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新生児の黄疸で最も多いのは「新生児黄疸」で、次に多かった回答は、「母乳性黄疸」でした。重篤な新生児の黄疸として挙げられた病気は、「新生児溶血性貧血による黄疸」が最も多く、次に「閉塞性黄疸」が続きました。多くの黄疸は治療可能なものが多いようですが、重症の場合は予後不良のようで治療に難渋するようでした。
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目や肌が黄色くなる状態を「黄疸(おうだん)」といいますが、出産した赤ちゃんのなかには、しばしばこの黄疸になる子達がいます。
産まれてから退院までに黄疸をチェックする検査を受けますが、ビリルビンという数値が高いと光線療法を行ったり、ときには重篤な病気が隠れていないか調べたりすることもあるようなのです。
今回は、新生児の黄疸にはどんな病気が多いのか?重篤なものはあるのか?といった新生児の黄疸にまつわる疑問を小児科医153名に聞きました!

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2017年12月11日に行われ、小児科医153名から回答を頂きました。

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まずは、新生児の黄疸はどんな種類が多いのか聞きました。

新生児黄疸が最も多く、母乳性黄疸という声も

図1

  • 50歳男性 小児科 新生児黄疸
    病院小児科勤務で産科がある病院では、新生児・未熟児もみていました。新生児黄疸の頻度が最も多かったです。病的黄疸の新生児溶血性貧血による黄疸、未熟児の黄疸、感染症に伴う黄疸、閉塞性黄疸も多数経験しました。無床診療所開業後は、母乳性黄疸の頻度が最も多いですね。
  • 40歳男性 小児科 新生児黄疸
    初めは新生児黄疸と思われていた症例でその後先天性胆道閉鎖症が見つかったなどの経験もあるので、必ずしも安心はできない病態だと思っています。
  • 60歳男性 小児科 新生児黄疸
    新生児黄疸は新生児の一過性な状態が多く、光線療法で解決可能な疾患が多いです。周産期管理の進歩で重症黄疸になることは極めて稀な時代になりました。
  • 40歳男性 小児科 新生児黄疸
    多くは正常の反応として起こります。新生児黄疸,母乳性黄疸.他は治療が必要なものなので頻度は少なくとも精査します。
  • 60歳男性 小児科 母乳性黄疸
    新生児の黄疸は、さまざまな疾患の鑑別が必要です。早期診断確定が必要な、閉塞性黄疸(胆道閉鎖症)をまず否定することが大切と思っています。
  • 40歳女性 小児科 母乳性黄疸
    1か月健診で見る黄疸のほとんどは母乳性黄疸ですが、本当にそう言い切って良いのか?と思うことが度々あります。
  • 40歳男性 小児科 母乳性黄疸
    頻度がもっとも高いのは母乳性黄疸だと思いますが、治療の対象となる黄疸に限定すれば新生児黄疸です。

集計結果では、新生児の黄疸で最も多いのは「新生児黄疸」で、回答した医師の7割以上が支持していました。
その次に多かった回答は、「母乳性黄疸」でした。
まずは、一番多かった新生児黄疸についてみていきましょう。
医師が診療の調べものをする際に活用されている「今日の臨床サポート」というサイトによれば、新生児黄疸は、以下のように説明されていました。

新生児黄疸とは、新生児にみられる黄疸で、症候の1つである。新生児期では多くの児に発現し、このうち急激なビリルビン値の上昇や血清中の異常高値、長期に遷延する場合を病的黄疸と呼び、検査・治療を要する。

引用:新生児黄疸(小児科) | 今日の臨床サポート - 診断・処方・エビデンス

つまり、新生児で多くみられる黄疸のことを「新生児黄疸」と呼ぶようで、「多くは正常の反応として起こります」という医師のコメントにもあるように、多くは改善が見込める黄疸のようです。
ただし、「その後先天性胆道閉鎖症が見つかったなどの経験もある」や「さまざまな疾患の鑑別が必要」といったコメントもみられたことから、新生児黄疸のなかに隠れる重篤な病気を見逃さないよう小児科の医師たちも注意を払って診ている様子が伺えました。
次に回答が多かった母乳性黄疸ですが、とある病院で以下のように説明されていました。

母乳栄養の赤ちゃんは、一ヶ月健診くらいでもまだまだ黄色い顔をしていたり白眼が黄色かったりします。この母乳性黄疸は病気ではないので心配いりません。

引用:1か月健診でお母さんから多い質問|小児科|診療科・部門紹介|府中病院 

どうやら母乳を飲んでいることで黄疸になるのが母乳性黄疸のようで、医師のコメントでも治療の対象ではないとおり、もし母乳性黄疸と言われたのであれば、過度な心配はしなくてもよさそうです。

さて、先ほどの調査でも触れられていた「新生児黄疸のなかに隠れる重篤な病気」というキーワード。
これって具体的にどんな病気があるのでしょうか?
小児科の医師たちに聞いてみました。

重症は、新生児溶血性貧血による黄疸、閉塞性黄疸などが多い

  • 40代男性 小児科
    新生児黄疸が圧倒的に多いため、それ以外の疾患を見逃さないように注意しながらの治療となります。
  • 40代男性 小児科
    溶血性黄疸の治療は、交換輸血となり、難渋しました。直接ビリルビン優位の黄疸は、外科手術が必要となることが多く、後に生体肝移植を要することも多く重症です。
  • 40代男性 小児科
    重篤な、とういことがどういう定義かにもよりますが、胆道閉鎖症は早期に手術をしても将来肝移植が必要になることがあり、予後不良で重篤だと思います。
  • 60代男性 小児科
    未熟児センタ-→NICU勤務の頃は、未熟児黄疸で光線療法は当たり前で、交換輸血を何度も繰り返した例も少なくありません。
  • 40代男性 小児科
    1)血液型不適合で交換輸血が必要となったケース
    2)生後数時間で敗血症を発症し、続発的に黄疸が進行したケ-ス
  • 40代男性 小児科
    過去に2例経験があります(胆道閉鎖症)。最初は必ずしも直接型ビリルビンが上昇していないので注意が必要です。
  • 30代男性 小児科
    サイトメガロウイルスの胎内感染による重症の黄疸を経験し、血液透析を要した。
  • 40代女性 小児科
    日本では、黄疸がでるのが当たり前ですが、白人系の人々は全く黄疸が出ない赤ちゃんの方が普通です。白人系の赤ちゃんで、黄疸が治療対象になる場合は、だいたい重篤になります。

重篤な新生児黄疸として挙げられた病気は、「新生児溶血性貧血による黄疸」が最も多く、次に「閉塞性黄疸」が続きました。
医師のコメントによれば、溶血性黄疸の治療は交換輸血という方法をとるらしく、胆道閉鎖症は手術をしても生体肝移植になってしまうケースがあるとのことでした。
また、サイトメガロウイルスや敗血症といった感染症にともなう黄疸も大変なようでした。
いずれにしても、新生児の黄疸で重篤な場合は、かなり大掛かりな治療になってしまうようです。
なかには、日本人は黄疸が出やすく、白人は黄疸が出にくいという医師のコメントもありましたが、人種によって病気のなりやすさ、なりにくさがあるようですね。

新生児の黄疸は、改善するものが多いが重篤なものにも注意が必要

本調査によれば、新生児の黄疸で最も多いのは「新生児黄疸」で、次に多かった回答は、「母乳性黄疸」でした。
重篤な新生児の黄疸として挙げられた病気は、「新生児溶血性貧血による黄疸」が最も多く、次に「閉塞性黄疸」が続きました。
新生児の黄疸は、改善が見込める黄疸のことが多いようですが、重症の場合は予後不良のようで、交換輸血や手術など大掛かりな治療になるようでした。

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