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新生児黄疸の治療はどうするの?光線療法は目に影響ない?小児科医150名に聞きました

赤ちゃんの足
大半の医師が新生児黄疸で最も多く治療される方法を「光線療法」と回答しました。また、気になる光線療法の目に対する影響については、「影響はあまりない」とした医師が最も多く、つぎに「影響は少しある」がつづきました。医師のコメントによれば、合併症とよばれるレベルまで目に影響を与えることはあまりないようで、過度に心配する必要はなさそうです。
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皆さんは、赤ちゃんが黄色くなる状態、いわゆる黄疸(おうだん)になったとき、「光線療法」と呼ばれる治療が行われるって知っていましたか?
日本産科婦人科学会の発行する雑誌によれば、以下のように説明されていました。

光線療法は紫外線を除いた青白色光ないし緑色光の光源を皮膚に照射し,ビリルビンを水溶性に変えて胆汁中へ排泄させることを目的とする.12~24時間の連続照射を行い,開始時のビリルビン値より2~4mgdl の低下を中止の基準とする.眼帯を着用し,発熱や脱水に注意する.

引用:新生児の管理と治療 

つまり、光を皮膚に当てることで体のなかのビリルビンを排泄させる方法で、病的なものと判断された黄疸の治療に使われるようなのです。
でも、強い光を当てると目が大丈夫か心配ですよね…。
今回は、そんな新生児黄疸の治療や光線療法の目の影響について小児科医153名に聞きました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2017年12月11日に行われ、小児科医153名から回答を頂きました。

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まずは、新生児黄疸の際によく用いられる治療方法を聞きました。

新生児黄疸の治療は、まず光線療法が第一

図1
  • 50代男性 小児科 光線療法
    新生児黄疸で実施される治療は、すでに手順が決まっているはずです。まず、ミノルタ黄疸計で経皮的ビリルビン濃度を測定し22以上で採血をして、その値に応じて光線療法や交換輸血療法が選択されます。
  • 40代男性 小児科 光線療法
    ほとんどの場合、光線療法で何とかなります。溶血性黄疸でも病態にはよりますが、多くの場合早期に強い光線療法を行うことで交換輸血が回避できることがあります。
  • 40代男性 小児科 光線療法
    通常の新生児黄疸に対してのFirst lineは間違いなく光線療法です。
  • 30代男性 小児科 光線療法
    基礎疾患がなければ光線療法の1方向、2方向で大概は治療できます。
  • 30代女性 小児科 光線療法
    交換輸血はかなりまれで大半は光線療法で改善します。
  • 50代男性 小児科 光線療法
    交換輸血は血液型不適合など急激に重度の黄疸を呈する新生児に行っています。
  • 50代男性 小児科 光線療法
    光線療法で改善しない場合、血液型不適合が疑われる場合は、γグロブリン大量療法を併用します。
  • 50代男性 小児科 その他(経過観察)
    新生児黄疸は極めて普通にみられます。病的なレベル、もしくは核黄疸のリスクが懸念される場合にのみ治療適応となります。

集計では、大半の医師が新生児黄疸で最も多く治療される方法を「光線療法」と回答していました。
医師のコメントによれば、新生児黄疸の治療には順序があり、一定のビリルビン値を超える赤ちゃんに光線療法を行うことが通常のようでした。
「病的なレベル、もしくは核黄疸のリスクが懸念される場合にのみ治療適応」というコメントもあるように、医師の方でも新生児黄疸で光線療法の治療をするかどうかしっかり見極めているようです。
一方で、光線療法で改善が難しいケースの場合、交換輸血やγ(ガンマ)グロブリン大量療法という大がかりな治療が用いられるようでした。

さて、このように新生児の黄疸でよく用いられる光線療法ですが、インターネット上では「赤ちゃんの目に影響はないの?」という質問が見られました。
たしかに治療のためとはいえ、強い光を当てることで目に負担がないか心配ですよね。
こちらも聞いてみました。

対策もしているため、光線療法で目に影響はあまりない

図2
  • 40代男性 小児科 影響はあまりない
    新生児の目なのか、医療従事者への影響なのか質問の意図が不明ですが、新生児についてはアイマスクをしていれば影響はあまりないと思います。
  • 50代男性 小児科 影響はあまりない
    体動が激しい児で、アイマスクが外れた状態でphtを受けていた児がいましたが(短時間)、その後の影響はありませんでした。
  • 40代男性 小児科 影響はあまりない
    今までに、光線療法で眼科的合併症を有した子はいません。現在は、療法中は目隠しをしています。
  • 50代男性 小児科 影響はあまりない
    アイマスクをしているし、現実問題として、目に影響が出た例はなかったように思います。
  • 50代男性 小児科 影響は少しある
    したがって、光線療法施行中は眼帯を装着します。
  • 60代男性 小児科 影響は少しある
    ブルーライトを含め、多少は目に影響はあると思います。
  • 50代男性 小児科 影響はある
    影響はあるはずですが、予防策を講じているので実際に問題になったことはありません。

集計では、光線療法の目に対する影響について、「影響はあまりない」とした医師が最も多く、つぎに「影響は少しある」がつづきました。
赤ちゃんが眼帯をして光線療法を行う様子をテレビなどで見かけた方がおられるかもしれませんが、あれは光線から目を保護する目的があるようです。
多少の影響を指摘する医師のコメントもあったのですが、調査全体をまとめると、光線療法は合併症とよばれるレベルまでは目に影響を与えないということでよさそうです。

光線療法は、新生児黄疸の主な治療法なので心配しすぎないで

本調査によれば、大半の医師が新生児黄疸で最も多く治療される方法を「光線療法」と回答していました。
また、気になる光線療法の目に対する影響については、「影響はあまりない」とした医師が最も多く、つぎに「影響は少しある」がつづきました。
光線療法で目にわずかな影響はあるかもしれませんが、合併症とよばれるレベルまで目に影響を与えることはあまりないようなので、過度に心配する必要はなさそうです。

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