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幼児はインフルエンザの予防接種を受けた方がいいの?発熱などの副作用は大丈夫?小児科医157人に聞いてみました

幼児 熱
今回の調査では、9割以上の小児科医が、幼児はインフルエンザの予防接種を受けた方が良いと回答しました。その理由として、インフルエンザ脳炎、脳症などの重症化予防、集団感染の予防のため、というコメントが多くみられました。また、予防接種後の副作用では、アナフィラキシーショックを疑う蕁麻疹・呼吸困難・嘔吐・血圧低下の症状には注意をすべきという回答が多く見られました。副作用の症状に注意しつつ、集団生活をしている幼児は、インフルエンザの予防接種を受けた方が良さそうです。
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毎年冬になると流行するインフルエンザ。
大人より免疫力の低い1~6歳の幼児がインフルエンザに感染をしてしまうと、重症化してしまわないか不安ですよね。
インフルエンザの予防のために行う予防接種ですが、インターネット上ではインフルエンザの予防接種は受けるべき・受けなくても良いなど賛否両論の意見が見られます。

そこで今回、幼児はインフルエンザの予防接種を受けた方がいいのか、受けた場合の副作用で注意すべきことは何か、小児科医157人に聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeerにて、2018年2月24日〜2月25日にかけて行われ、小児科医157名から回答を頂きました。

9割以上の小児科医が1~6歳の幼児はインフルエンザの予防接種を受けた方が良いと回答

「1~6歳の幼児はインフルエンザの予防接種を受けた方が良いと思いますか」という質問に対する小児科医の回答は以下の結果となりました。

幼児のインフルエンザ予防接種を受けた方がいいか

インターネット上では、「インフルエンザの予防接種を受けなくても良い」「インフルエンザの予防接種に効果はない」などの意見も見られますが、小児科医に聞いてみたところ、9割以上の小児科医がインフルエンザの予防接種を受けた方が良いと回答しました。その理由を見てみましょう。

インフルエンザ脳炎、脳症などの重症化予防のために予防接種は受けた方が良い

  • 50代男性 小児科 必ず受けるべき
    幼児は、脳症予防としてインフルエンザの予防接種を受けるべきだと思います。
  • 50代男性 小児科 必ず受けるべき
    脳炎、脳症に罹らないために必ず受けて頂きたいと思います。
  • 50代男性 小児科 必ず受けるべき
    予防できる割合は他の予防接種に比べて低いと思いますが、重症化することを考えれば予防接種を受けるべきだと思います。
  • 60代男性 小児科 必ず受けるべき
    インフルエンザの予防接種の有効率はそれほど高くないが、インフルエンザでは入院、死亡もあるため、予防接種は必要だと考えます。
  • 50代男性 小児科 可能であれば受けるべき
    必須ではないですが、脳症等のリスクも考慮し接種が望ましいと考えます。
  • 50代女性 小児科 可能であれば受けるべき
    現在の不活化ワクチンではインフルエンザの感染予防としては不完全でありますが、幼児における重症化抑制のためには有用であると思われますし、集団におけるインフルエンザ感染の抑制においては有用と思われます。

「インフルエンザの予防接種を必ず受けるべき」「可能であれば受けるべき」と回答した小児科医のコメントを見てみると、インフルエンザ脳炎、脳症などの重症化を予防できる観点を重視し、インフルエンザの予防接種を勧めているようです。

では、インフルエンザが重症化した際の病気として挙げられている、インフルエンザ脳炎、脳症とはどのような病気なのでしょうか。

保育園・幼稚園などで集団生活をしている幼児は、インフルエンザの予防接種を受けた方が良い

  • 50代男性 小児科 必ず受けるべき
    喘息があれば必ず予防接種を受けるべきだと思います。
  • 60代男性 小児科 必ず受けるべき
    生後6か月以上は受けるべきと考えます。
  • 50代女性 小児科 可能であれば受けるべき
    免疫力の劣る子供には、必ず予防接種を推奨しています。
  • 30代女性 小児科 必ず受けるべき
    感染の予防効果が期待でき、罹患した場合も軽症ですみます。最近は小さい子でも保育園に行ったりと集団生活が多いので、接種すべきと思います。
  • 50代女性 小児科 可能であれば受けるべき
    保育園児は接種した方がよいと思います。
  • 40代男性 小児科 可能であれば受けるべき
    集団生活をしているのであれば受けておいた方がいいと思います。

「インフルエンザの予防接種を必ず受けるべき」「可能であれば受けるべき」と回答した小児科医のコメントの中で、喘息持ちの幼児や免疫力の劣る幼児、保育園・幼稚園などで集団生活をしている幼児は、インフルエンザの予防接種を受けた方が良い、という回答が見られました。
インフルエンザに感染した際に重症化させない、集団感染を引き起こさない、という観点からインフルエンザの予防接種を勧めているようです。

また、小児科医の回答の中には、インフルエンザの予防接種を定期接種にし、集団生活をする皆が予防接種を受けるような体制を望む声も見られました。

  • 40代男性 小児科 必ず受けるべき
    定期接種になれば良いと思います。
  • 30代男性 小児科 必ず受けるべき
    インフルエンザワクチンの目的は集団免疫なのでみんなで受けなければ意味はありません。

未感染児や集団生活をしていない幼児には、インフルエンザの予防接種は必ずしも必要ではない

  • 30代男性 小児科 可能であれば受けるべき
    既に、未感染児の鼻粘膜IgA産生にはワクチンは影響しないことが報告されており、未感染児には強く勧めません。
  • 40代男性 小児科 受けなくても良い
    集団生活をしていなければ必ずしも必要ないと思います。
  • 30代男性 小児科 受けなくても良い
    保育園や幼稚園等、集団生活に行く幼児で保護者の希望があれば接種しても良いと思いますが、全例、予防接種をすべきとは思わないです。

「インフルエンザの予防接種を受けなくても良い」「受けるべきではない」と回答した小児科医のコメントの中では、未感染児や集団生活をしていない幼児は必ずしも受けなくても良い、という回答が見られました。
幼児が保育園・幼稚園などに通園しているかいないかを鑑みて、予防接種を受けるか判断すると良さそうです。

インフルエンザ脳炎、脳症などの重症化予防、集団感染予防には予防接種を

今回の調査の結果から、9割以上の小児科医が、幼児はインフルエンザの予防接種を受けた方が良いと回答しました。
その理由としては、

  • インフルエンザ脳炎、脳症などの重症化予防
  • 集団感染の予防

が挙げられていました。

一方で、受けなくても良いと回答をした医師からは、未感染児や保育園や幼稚園などで集団生活を行わない幼児に関しては、予防接種を必ずしも受けなくても良いという回答が見られました。
小児科医の回答から分かるように、インフルエンザの感染予防という観点だけではなく、インフルエンザ脳炎、脳症などの重症化予防、通園する保育園・幼稚園などでの集団感染予防の観点から、予防接種を受けるか否かの判断をした方が良さそうです。

さて、実際にインフルエンザの予防接種をし、その後気になることと言えば、副作用のことかと思います。
注射の痕が腫れる、風邪っぽい症状が出るなどの副作用があることは広く知られていますが、どのような副作用が出た場合には注意し、必要であれば病院を受診すべきなのでしょうか。こちらも小児科医に聞いてみました。

注意すべきインフルエンザの予防接種の副作用は、呼吸困難と血圧低下

幼児がインフルエンザの予防接種をした後に出る可能性のある副作用としては、

  • 注射の痕が腫れる
  • 発熱
  • 頭痛
  • 嘔吐
  • 血圧低下
  • 蕁麻疹
  • 呼吸困難
  • 体調不良
  • 麻痺・痺れなどの神経症状

などが挙げられました。
その中で注意すべき副作用はどのような症状か、小児科医に聞いてみました。

蕁麻疹・呼吸困難・嘔吐・血圧低下などアナフィラキシーショックを疑う副作用には要注意

  • 50代男性 小児科 血圧低下
    接種部位の腫脹はかなりの頻度で見られるのであまり気にしていません。血圧低下は少し怖いです。
  • 60代男性 小児科 蕁麻疹・呼吸困難・嘔吐・発熱・頭痛・血圧低下・注射の痕が腫れる
    全ての副作用に注意が必要です。特に蕁麻疹・呼吸困難・嘔吐はアナフィラキシーショックの可能性があるので注意が必要です。
  • 40代男性 小児科 蕁麻疹・呼吸困難・嘔吐・発熱・頭痛・血圧低下・注射の痕が腫れる
    呼吸困難などのショック症状が最も気を付けるものと考えます。
  • 50代女性 小児科 蕁麻疹・呼吸困難・頭痛・血圧低下
    アナフィラキシーショックなどアレルギー反応には注意が必要と考えます。(実際に経験したことはありませんが。)
  • 30代男性 小児科 呼吸困難・嘔吐・血圧低下
    アナフィラキシーショックを疑う所見は気を付けたほうが良いと思います。
  • 30代男性 小児科 蕁麻疹・呼吸困難・嘔吐・発熱・頭痛・血圧低下・注射の痕が腫れる
    多くは接種部位の腫脹などがほとんどです。アレルギー反応は一定数いるので注意が必要です。
  • 60代男性 小児科 呼吸困難・血圧低下
    呼吸困難・血圧低下の症状は明らかに異常です。
  • 40代男性 小児科 呼吸困難・嘔吐・頭痛
    中枢神経症状を疑わせるものには要注意です。

医師のコメントの多くには、インフルエンザの予防接種後の呼吸困難や血圧低下に注意すべきとありました。

また、インフルエンザの予防接種後の注射痕の腫れはよく見られるようですが、「あまり気にしていません」という意見もあり、さほど気にする必要はないようですね。

卵アレルギーの幼児は要注意

  • 40代女性 小児科 蕁麻疹・呼吸困難・発熱・注射の痕が腫れる
    卵アレルギーの子は要注意ですが、卵アレルギーであることを知らない子もいるので、症状に注意が必要です。

インフルエンザワクチンで作られるインフルエンザウイルスはニワトリの卵で培養されており、卵アレルギーがある方はアレルギー反応が出る可能性があるため、注意が必要なようです。
卵アレルギーがあることが分かっている場合は、インフルエンザの予防接種をすべきかを医師と相談しましょう。

発熱・注射痕の腫れ・体調不良の副作用はあるが、重篤なものは稀

  • 40代男性 小児科 発熱・注射の痕が腫れる
    ただし、発熱は1日程度で収まると思います。
  • 50代男性 小児科 蕁麻疹・呼吸困難・嘔吐・発熱・頭痛・血圧低下・注射の痕が腫れる
    重篤なものは稀であると思います。
  • 50代男性 小児科 体調不良
    ほとんど副作用を経験しませんが、2009pdmインフルエンザの予防接種後、体調を崩された方が多かった印象あります。
  • 40代男性 小児科 神経症状
    予防接種後神経症状がある人が一定数います。
  • 50代男性 小児科 発熱
    比較的安全だと思います。注射痕が腫れることは頻度が高いですが、注意すべきことではないです。
  • 60代男性 小児科 注射の痕が腫れる
    毎年数百人に予防接種をしていますが、注射の部位が腫れるぐらいで、放置で治る副作用しか経験はしていないです。
  • 70代男性 小児科 注射の痕が腫れる
    一番出現頻度の多い副反応は、注射した部位の腫脹だと思います。

いろいろ怖いと副作用についてみてきましたが、こちらの医師のコメントによれば、インフルエンザの予防接種で重篤な副作用を起こすことは稀であり、多くは発熱や接種部位の腫れがあるものの、経過を見るだけでおさまることが多いようでした。

幼児のインフルエンザ予防接種は、その後の副作用に注意しつつ接種を

今回の調査では、9割以上の小児科医が、幼児はインフルエンザの予防接種を受けた方が良いと回答しました。
インフルエンザの重症化予防、集団感染予防の観点から小児科医は、インフルエンザの予防接種を勧めているようです。
もしインフルエンザの予防接種をした後に副作用があっても、発熱や注射痕の腫れ程度であれば様子をみれることが多いようですが、アナフィラキシーショックを疑う蕁麻疹・呼吸困難・嘔吐などの症状が出たらすぐに病院を受診することが大事そうです。

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