もしかしたら小児喘息かも…。
風邪だと思っていたら実は「小児喘息」だった、なんてことがあると心配ですよね。
どのような症状がでたら小児喘息を疑えばいいのでしょうか。
また、小児喘息はどのような原因で発症するのでしょうか。
今回は小児喘息の症状や原因について、小児科医157名に聞いてみました!
※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年2月25日〜2月26日にかけて行われ、小児科医157名から回答を頂きました。
まずは、どのような症状が出たら小児喘息を疑うべきなのか、お伺いしました。喘息では、喘鳴(ぜいめい:呼吸をするときにヒューヒュー、ゼーゼーなどの音がすること)が有名ですが、やはり小児喘息を疑う場合も主な症状として、喘鳴があげられるのでしょうか。
喘鳴があれば小児喘息の疑いあり
- 40代男性 小児科
小児喘息を疑う症状、との問いなので、やはり喘鳴かと思います。咳嗽や痰もあまりに長引くようなら疑い根拠となりますが。 - 20代男性 小児科
喘鳴は気管支炎などでも認めます。呼吸困難、呼吸苦がある場合、喘息を疑います。 - 60代男性 小児科
咳をさせてみて、ゼーゼーを伴うようなときに小児喘息を疑います。今までかぜが長引きやすいとか、走ると咳がでるとかの問診を得るときにも小児喘息を疑います。 - 60代男性 小児科
特に朝・寝る前・寝入った後に続く咳や、アレルギー歴・家族歴も良く問診し、小児喘息を疑います。 - 40代男性
小児喘息でも気管支に激しい収縮が起こり、喘息発作を繰り返します。しかし、乳幼児は大人と違って言葉で症状を伝えることができないため、泣いたり、ぐずったりと不機嫌になることで喘息発作を訴えることがあります。 - 30代男性 小児科
風邪の後長引く咳や喘鳴は疑うポイントだと思います。
本調査では、小児喘息を疑う症状として「喘鳴」が最多となり、次に「呼吸困難」「咳」が続く結果となりました。
医師からのコメントでは、「繰り返す喘鳴」や「長引く咳や痰は喘息を疑う」などの意見を頂きましたが、やはり長引いている症状には注意が必要とのことです。
また、「小児喘息でも気管支に激しい収縮が起こり、喘息発作を繰り返します。しかし、乳幼児は大人と違って言葉で症状を伝えることができないため、泣いたり、ぐずったりと不機嫌になることで喘息発作を訴えることがあります。」という回答も頂きました。
長びいている咳、喘鳴、呼吸苦などを認める場合は、小児喘息の可能性があることから、小児科に受診し、医師に相談することが大事そうです。
さて、そんな喘鳴や咳などの症状が現れる小児喘息ですが、どうして発症してしまうのでしょうか。
原因がわかれば対処できるかもしれません。次は、その原因についてお伺いしました。
屋内アレルゲン(ダニやほこり)が最多
- 40代男性 小児科 屋内アレルゲン(ダニやほこり)
ダニは原因として多いです。 - 50代女性 小児科 屋内アレルゲン(ダニやほこり)
掃除をして良くなる人も多いので、影響は大きいと思います。 - 30代男性 小児科 屋内アレルゲン(ダニやほこり)
ダニやほこりに過敏な子が多いと思います。 - 20代男性 小児科屋内アレルゲン(ダニやほこり)
アレルギーがある子が喘息になっている印象はあります。喘息の患者さんでホコリやダニ、ハウスダストなどのアレルギーを持っている人が多いです。 - 40代男性 小児科 屋内アレルゲン(ダニやほこり)
やはり家庭の環境がトリガ-になっている印象が強いです。ダニ・ホコリに、さらに家人の室内喫煙が重なればなおさらです。 - 50代男性 小児科屋内アレルゲン(ダニやほこり)
ダニ、ハウスダスト、ペットが多いです。 - 60代男性 小児科 遺伝
半分以上は遺伝、残りは環境です。 - 40代男性 小児科 遺伝
親子間で喘息になっている方が多い印象です。 - 60代女性 小児科 遺伝
喘息家系があると思います。 - 70代男性 小児科 遺伝
喫煙家庭に喘息児が多い傾向があるためです。
回答で半数以上を占めたのは、「屋内アレルゲン(ダニやほこり)」でした。
頂いたコメントのなかには「掃除をして良くなる人も多いので、影響は大きいと思います。」というものもあり、生活環境を清潔に保つことが改善に繋がる場合もあるようです。
その次に多いのは「遺伝」でした。
ご家族の中に患っていたことがある、といった家族歴がある方の多くに小児喘息がみられるようです。
このほかには「タバコ」などが重視され、「喫煙家庭に喘息児が多い傾向があるため」というコメントもありました。
喫煙者の認識が甘いなどの厳しい指摘もあり、副流煙などが問題になっている現代、喫煙環境を見直す必要がありそうですね。
医師から「ダニ、ハウスダスト、ペットが多いです」というコメントもありましたが、最後に、ペットと小児喘息の関係についてお伺いしました。
少なからずペットと小児喘息は関係がある
- 50代男性 小児科 多少の関係性がある
動物アレルギーの人はダメです。 - 50代男性 小児科 多少の関係性がある
細かい動物の体毛成分などは原因になりうるかと思います。 - 30代女性 小児科 多少の関係性がある
関係あることもありますが、喘息はなく、犬や猫のアレルギーだけある場合もあります。因果関係は不明です。 - 60代男性 小児科 多少の関係性がある
多少としか言いようがないです。 - 60代男性 小児科 関係がある
屋内のペットの飼育はハウスダストの増加につながります。 - 30代男性 小児科 関係がある
犬・猫など毛が落ちる、舞うような動物とは関連が強いのではないかと思います。 - 70代男性 小児科 あまり関係性はない
ペット飼育で関連したは症例ありますが、ごくまれです。 - 30代男性 小児科 あまり関係性はない
ペット飼育の有無で相関するような経験はあまりないです。関係性は低いのではと考えます。 - 50代男性 小児科 あまり関係性はない
あまり関係性はないとおもいます。
本調査では、半数近くの医師が「多少の関係がある」との回答でした。
その次に4割の医師が「関係がある」と回答しており、ペットと小児喘息の関係性は、医師の中でも意識されていることがわかる結果となりました。
動物アレルギーの場合だけでなく、ペットの毛などがダニの温床になり、それが原因となる場合が考えられるとの意見もあったことから、小児喘息の原因で多くあげられた屋内アレルゲンとの関係性が感じられます。
しかし、「ペット飼育の有無で相関するような経験はあまりない、関係性は低いのでは」、「あまり関係性はないとおもいます」などの意見も寄せられており、あくまでも“少なからず関係があるのではないか”という見解もうかがえました。
子どもの喘息症状を見逃さずに!環境整備の意識も大事
本調査では、小児喘息に気づくための症状として、「喘鳴」がポイントとなる意見が散見され、ほかにも「呼吸困難」や「咳」が支持を集めました。
また、小児喘息の原因はダニなどの屋内アレルゲンとした意見が半数以上を占め、いわゆる環境による影響が大きいようでしたが、一方で遺伝に言及する医師もおられました。
小児喘息かな?と疑うような症状を頭においてもらい、もし小児喘息と診断されたら、どう改善していくか、ほかに悪化させている原因がないかを考えることが大事そうです。