小児喘息にかかってしまったらどうすればいいの?小児科医157名に聞いてみました

小児喘息の子ども
小児喘息は、アレルギーなどが原因で気道が炎症を起こし、喘鳴(ぜんめい)や呼吸困難などの症状が出てしまう病気です。主な治療薬である吸入ステロイド薬の副作用に関する調査では、使用回数や使用方法を守れば、安全に使うことができるというコメントが多くみられました。また、小児喘息の症状の改善には、吸入ステロイド薬などの薬だけでなく、寝具の掃除など、原因(ダニやほこりなど)から遠ざけ、生活環境を清潔に保つ必要があるようです。小児喘息から成人喘息への移行に関する調査では、半数以上の医師が、小児喘息の多くは成長するにつれて改善へと向かう傾向にある、という結果となりました。
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子どもが小児喘息と診断された…。
どのような病気なのか、完治はするのかなど、不安に思われるお母さんも多いのではないでしょうか。
病気の知識や症状を知って、適切な治療やホームケアをしてあげたいと思いますよね。

そこで今回は、小児喘息の原因や対処法をまとめてみました。
また、治療薬の副作用は大丈夫なのか、小児喘息は治るのか、について小児科医157名に聞いてみました!

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年2月25日〜2月26日にかけて行われ、小児科医157名から回答を頂きました。

小児喘息って?

概要

喘息とは、空気の通り道である気道が炎症を起こし、気道が狭くなり喘鳴(ぜんめい)や呼吸困難などの症状を起こすことをいいます。
気管が炎症を起こしていると、過敏に反応するようになります。
例えば冷たい空気などでも反応してしまい、それがきっかけで喘息の症状が引き起こされることもあります。

参考:認定病児保育スペシャリスト(財)日本病児保育協会

症状

小児喘息の主な症状として、「喘鳴」があげられます。
呼吸をするとき、ヒューヒュー、ゼーゼーといった音がすることを喘鳴といいます。
その他にも、小児喘息を疑う呼吸困難などの症状がある場合は、一度医師に診てもらうことをおすすめします。

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小児喘息の原因は?

小児喘息の喘息ですが、前回のイシコメの調査より、その多くは屋内アレルゲン(ダニやほこり)が原因と言われています。

これらの屋内アレルゲンによる喘息症状の改善のためには、まず生活環境を清潔に保つ必要があるようです。

関連記事:子どもが小児喘息と診断された…家では何に気を付ければいいの?小児科医157名に聞いてみました

小児喘息の治療法は?

小児喘息は重症であれば薬を使用し、治療していくのが一般的です。
薬には、発作が起きないように予防する薬と、発作が起こってしまった時に症状を緩和する薬の2種類があります。この内、主な治療には発作が起こらないように予防する薬である「長期管理薬」が使用されます。
長期管理薬の主なものは、「吸入ステロイド薬」になりますが、ステロイドと聞くと、副作用が強く体への負担が大きいイメージを抱く方も多いのではないでしょうか。
まして、子どもに服用させる薬なのでお母さんたちも不安はありますよね。
そこで、今回は吸入ステロイド薬の副作用について、小児科医に聞いてみました!

吸入ステロイド薬は使用方法・回数を守れば概ね安全

吸入ステロイドの副作用

  • 50代女性 小児科 多少気を付けるべきである
    回数などはきちんと守るべきです。
  • 50代男性 小児科 多少気を付けるべきである
    頻繁に使用するようならば、副作用を気にする必要があると思います。
  • 60代男性 小児科 多少気を付けるべきである
    成人に比べて小児ではまだ気にする必要があると思います。
  • 60代女性 小児科 多少気を付けるべきである
    口腔内にカビが生えないように気をつけるべきです。結核の感染がないかどうか注意をしておかないといけないと思います。
  • 60代女性 小児科 あまり気にする必要はない
    正しく使用する場合は必要以上に気にする必要はないです。
  • 50代男性 小児科 あまり気にする必要はない
    通常量の吸入ステロイドであれば副作用を気にする必要はありません。
  • 40代男性 小児科 あまり気にする必要はない
    内服とは基本的に異なるので、用量・用法を守っていれば大丈夫と考えます。

吸入ステロイド薬の副作用は、「多少気を付けるべきである」が40.8%と最も多く、次いで「あまり気にする必要はない」が37.6%と、支持を集めました。
気を付けるべきであると回答した医師からは、吸入ステロイド薬の使用回数を守っているかの確認や口腔内のカビ予防としてうがいをするよう気を付けるなどのコメントが見られました。
吸入ステロイド薬では、口腔カンジタや声がれ、のどの痛みなどの副作用が現れる場合があるようですが、しっかりとうがいをすることによって防ぐことが可能なようです。

また、独立行政法人環境再生保全機構のHPでは下記のように説明されています。

吸入ステロイド薬は患部に直接、薬が届くため、経口ステロイド薬と比べて、極めて少ない量で効果が得られます。吸入時に口の中に残った薬はうがいで副作用を予防でき、胃の中に入った薬は肝臓で分解されますので、全身性の副作用の心配はほとんどありません。

引用:独立行政法人環境再生保全機構

つまり、飲むステロイド薬の場合、体全体に成分が行き渡るため、摂取するステロイドの量が必然的に多くなってしまいますが、吸入ステロイド薬であれば、気管に局所的に作用すればよいので、摂取量が少なくて済むというわけです。
結論として、使用方法・回数を守ればステロイド吸入薬は概ね安全といえるようですね。

子どもが喘息だと診断されたら?

小児喘息の主な原因の1つに、「屋内アレルゲン(ダニやほこり)」があると言われています。
そのため、家庭内で行う環境改善としては、寝具の掃除を最優先で行うことを、小児科医は推奨しているようです。
寝具はダニの温床になりやすく、長時間体に触れ、呼吸をするときすぐ近くにあります。そのため、寝具から清潔に保つことが症状の改善に繋がる場合があります。

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子どもが発作を起こしたら?

どんなに症状の原因から遠ざけていても、発作が起きることがあります。
そのような時には吸入器を使うことを小児科医は推奨しています。
吸入は即効性が高く、家での対処に向いているようです。
その他にも、楽な姿勢にしてあげたり、もし家庭に吸入器が無い場合は処方された貼付剤を貼ったりするなどの対処もあるようでした。

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小児喘息は治るの?

そんな小児喘息ですが、治る病気なのでしょうか。そして、小児喘息から成人喘息には多く移行してしまうのでしょうか。
実際に、どのくらいの小児喘息の患者さんが成人喘息へ移行するのか、小児科医に聞いてみました。

「移行する割合は10%未満」が半数!

小児喘息から成人喘息への移行

  • 50代男性 小児科 10%未満
    多くは小児期に治癒します。
  • 50代男性 小児科 10%未満
    重症度がよほどたかくなければ、成人喘息に移行しないです。
  • 50代男性 小児科 10%未満
    ほとんど高校入学前に自然治癒しますね。
  • 60代男性 小児科 10%未満
    成人に移行する症例は少なくなっています。
  • 40代男性 小児科 10~30%程度
    コントロ-ルが悪くなければそれほど移行しないと思います。
  • 30代女性 小児科 10%~30%程度
    しっかり治療しないと移行している印象があります
  • 40代男性 小児科 10%~30%程度
    発作時のみ投薬されていると予後が悪い印象です
  • 40代男性 小児科 10%~30%程度
    最後までフォロ-しきれていない患者さんもいるので断定できませんが、幼児発症のものは小学校高学年くらいには結構軽快している印象があります。逆に、小学校高学年くらいから発症したものは成人喘息に移行しやすいのだと思います。

「小児喘息の患者の中で成人喘息に移行した割合はどのくらいですか」という質問に対し、「10%未満」と回答した小児科医が、ほぼ半数を占めました。
その次に、小児喘息から成人喘息に移行した割合が「10~30%未満」が42%ほどとなっています。
つまり、調査の結果からは、子どもたちの多くが成人喘息に移行することなく治る傾向にあるという結果となりました。
コメントでは、「ほとんど成長とともに消失する」など、年齢を重ねるごとに回復に向かっていく意見が見受けられましたが、その一方で、「しっかり治療しないと移行している印象」「発作時のみ投薬されていると予後が悪い印象です」などの意見もありました。
やはり、治療をおざなりにしてしまうと、移行する可能性が高くなるのかもしれません。

適切なケアで、小児喘息の改善を

小児喘息の多くは、屋内アレルゲン(ダニやほこり)などが原因で発症することがわかりました。寝具はダニの温床になりやすいため、生活環境を清潔に整えることが、改善へ繋がる場合があるようです。
しかし、気を付けていても発作を起こしてしまう場合があります。
医師からのコメントでは、即効性もあるため吸入器を推奨する意見が多くみられました。
また、年を重ねるごとに回復に向かっていく小児喘息ですが、きちんと治療をしなければ成人喘息に移行する可能性が高くなってしまうかもしれません。
医師に相談のもと、適切な治療やホームケアで症状の改善をしていきましょう。

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