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乳児湿疹とアトピー性皮膚炎は見分けられるの?ステロイド剤の使用はOK?小児科医160人に聞いてみました

赤ちゃんのお腹
今回の調査では、アトピー性皮膚炎は乳児湿疹に比べて全身に出やすく、湿疹の続く期間も長い場合が多いという結果となりました。また、アトピー性皮膚炎には適切なステロイド剤の使用が効果的なようです。ただし、自己判断で使ってしまうと、逆に悪化させたり長引かせたりすることもあるようなので、必ず医師の指示に従って使用しましょう。
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湿疹は、赤ちゃんがなってしまうことの多い症状の一つです。
しかし、湿疹の中にも様々な種類があります。
たとえば、乳児湿疹のように一過性で治るものもあれば、アトピー性皮膚炎のように重症化してしまい長引く可能性のあるものまで。
そんな幅広い症状を示す赤ちゃんの湿疹ですが、乳児湿疹とアトピー性皮膚炎の見分け方があれば知りたいですよね。
また、もしアトピー性皮膚炎だった場合、治療のときにステロイド剤は使用しても大丈夫なのか不安な方もいると思います。
そこで今回は、乳児湿疹とアトピー性皮膚炎の見分け方と治療について、小児科医160名に聞いてみました!

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2017年12月15日〜12月16日にかけて行われ、小児科医164名から回答を頂きました。

乳児湿疹とアトピー性皮膚炎の見分け方ってあるの?

まずは、赤ちゃんに湿疹が出てしまったとき、乳児湿疹なのかアトピー性皮膚炎なのか見分ける方法はあるのかを聞いてみました。

図1

  • 40代男性 小児科 
    症状自体に大きな違いはなく、治りやすさと、湿疹の範囲かと思います。乳児湿疹とアトピー性皮膚炎はグラデーションのようなもので、きっちりここと分けられないと考えています。
  • 60代男性 小児科
    アトピー性皮膚炎かと思っていても、急に軽快し、アトピー性皮膚炎でなかったこともあるので、見分けることは実際には難しいです。
  • 60代男性 小児科
    まずは家族歴に加えて十分な問診、食事日記で見分けます。その後に採血検査や皮膚試験を行います。
  • 50代男性 小児科
    新生児期の乳児湿疹が、気がつくとアトピーだったみたいな展開もあるので難しいです。
  • 40代女性 小児科
    まずは保湿が必要ですが、保湿が十分でも改善しないならアトピーを考えます。
  • 30代男性 小児科
    最初から見分けるのは難しいので、結果的にアトピーと診断していることが多いです。
  • 40代男性 小児科
    乳児湿疹は主に顔面に症状が出ますが、アトピー性皮膚炎は体全体に症状を繰り返します。
  • 50代男性 小児科
    経過観察してスキンケアや保湿剤でよくならなければアトピー性皮膚炎を疑います。
  • 50代男性 小児科
    手足の曲がる部位にある場合や広くある場合、乾燥肌の場合はアトピーです。

見分けるポイントとして湿疹のできる体の部位や湿疹の続く期間、家族歴などが挙げられていました。
医師のコメントによれば、乳児湿疹は顔に出ることが多いのに対し、アトピー性皮膚炎の場合は全身や手足の曲がる部分に湿疹が出ることが多いようです。
また、保湿やスキンケアをしても湿疹が治らないときは、アトピー性皮膚炎の可能性があるようでした。
一方、乳児湿疹だと思ったのがいつの間にかアトピー性皮膚炎を発症してしまうケースもあるらしく、見分けるのは難しいという医師の意見もありました。
湿疹が長引いたり、全身に湿疹が出てきたりする場合は、アトピー性皮膚炎を疑っても良いかもしれませんが、ご両親だけで判断するのは難しそうで、やはり医師に相談するのがよさそうでした。

アトピー性皮膚炎にステロイド剤は使っていいの?

また、アトピー性皮膚炎の治療にはステロイド剤が用いられることがあるようですが、副作用を心配するママもいるかもしれません。

そこで、ステロイド剤の使用についても小児科医に聞いてみました。

図2

  • 60代男性 小児科 皮膚炎の程度により用いるべきである
    必要な重症患者はいます。必要な部位に必要な強さのものを必要な期間使うことが大事と思っています(これが難しいです)。 ステロイドを拒否されて、ひどい状態の患児を診ることもあり、かわいそうです。
  • 20代男性 小児科 皮膚炎の程度により用いるべきである
    早めに寛解させる必要があると思うので、しっかりご説明してステロイド外用薬を使ってくべきだと思います。皮膚科の先生もステロイド外用薬を使用していました。
  • 70代男性 小児科 皮膚炎の程度により用いるべきである
    顔面・頸部など表皮の薄い部位には、保湿剤をくわえて薄めて塗布しています。
  • 40代女性 小児科 皮膚炎の程度により用いるべきである
    悪化時はしっかり使って、炎症をしっかり押さえて減量するほうがいいですが、患者さんが漫然と使ってしまうので困っています。
  • 50代男性 小児科 積極的に用いるべき
    弱いステロイドの少量投与は無意味です。ストロング以上のステロイドを十分量、積極的に投与しています。ただし、投与期間は短期間(2週程度)とし、一旦中止します。2週間は症状が軽快してもステロイドは継続させます。
  • 30代男性 小児科 積極的に用いるべき
    皮膚を治さなければ食物アレルギーがなおる可能性も低くなることを説明すると使ってくれます。
  • 60代男性 小児科 なるべく少なめに用いるべきである
    なるべく少なく、しかし必要なときはしっかりと塗布するべきです。

ステロイド剤を用いるべきとした回答が9割を超える結果となりました。
まずは炎症を改善させることが重要なようで、そのためにステロイド剤の使用は有効であるとのことでした。
一方、使用するのは短期間で、炎症の度合いに合わせた強さが重要とした意見も目立ちました。
適切な強さのステロイド剤を使用しないと、無意味であったり、逆に強すぎたりすることがあるので、必ず医師の指導に従って使用するようにしましょう。

アトピー性皮膚炎には適切な治療を!

今回の調査では、アトピー性皮膚炎は乳児湿疹に比べて全身に出やすく、湿疹の続く期間が長くなりやすいという結果となりました。
しかし、乳児湿疹からアトピー性皮膚炎に発展することや、逆にアトピーかと思っていたら乳児湿疹だったということもあるそうです。
一概に見分けるのは難しいかもしれませんね。
また、アトピー性皮膚炎には適切なステロイド剤の使用が大事なようです。
自己判断で使ってしまうと、逆に悪化させたり長引かせたりすることもあるようなので、必ず医師の指示に従って使用しましょう。

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