舌下免疫療法って効果はあるの?副作用は大丈夫?医師528人に聞いてみました

花粉症の舌下免疫療法
調査では、アレルゲン免疫療法により症状が軽減した患者の割合が10%未満と回答をした医師が3割、10%~30%と回答をした医師が3割、30%~50%と回答をした医師は2割、50%~70%、70%以上と回答をした医師はそれぞれ1割となりました。長期にわたる治療のため、そもそも治療を継続できず中断になってしまう場合もあるようです。また、医師の中でも治療効果については意見が分かれる結果となりました。治療での副作用は、喘息発作やアナフィラキシーショックの兆候に注意が必要のようです。舌下免疫療法をはじめとするアレルゲン免疫療法のいい面、悪い面を踏まえて、治療を受けるか、どの病院にするかを判断すると良さそうです。
花粉症
イシコメ運営事務局

花粉症の治療法として、舌下免疫療法や皮下免疫療法、アレルゲン免疫療法といった名前を聞いたことのある方は多いのではないでしょうか。
テレビやインターネットなどでも取り上げられ、「花粉症が治る」「症状が緩和する」などと聞いたことのある方もいるのではないでしょうか。
花粉症が治るならぜひやりたい!と思っても、本当に効果があるのか?気をつけなければならない副作用はないのか?など不安はありますよね。

そこで今回は、内科医、耳鼻咽喉科医、アレルギー科医528人に、舌下免疫療法などのアレルゲン免疫療法の効果と副作用について聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年2月28日〜3月1日にかけて行われ、内科医、耳鼻咽喉科医、アレルギー科医528人から回答を頂きました。

舌下免疫療法はアレルゲン免疫療法の1つ

舌下免疫療法は、舌の下に薬を投与して行うアレルゲン免疫療法です。
アレルゲン免疫療法とは、アレルギーの原因(アレルゲン)を少量から投与して体をアレルゲンに慣らしていく治療法で、決められた一定量の治療薬を数年間にわたり継続して服用していきます。
アレルゲン免疫療法は、長期にわたって症状を抑えたり、症状を緩和したりすることができると期待されています。
アレルゲン免疫療法には、治療薬を皮下に注射する「皮下免疫療法」と「舌下免疫療法」がありますが、中でも自宅で治療薬を服用できるようになった「舌下免疫療法」が近年注目をされるようになりました。
舌下免疫療法では、スギ花粉症やダニアレルギー性鼻炎と確定診断された12歳以上の患者が治療を受けることができます。
参考:アレルゲン免疫療法ナビ|鳥居薬品株式会社

症状を抑えたり、緩和することができるならぜひアレルゲン免疫療法を試してみたい!と思われる方は多いのではないでしょうか。
実際に治療を受けるとなると、本当に症状が良くなるのか気になりますよね。
そこで医師528人にアレルゲン免疫療法の効果について聞いてみました!

アレルゲン免疫療法の効果は?

まずは、「花粉症のアレルゲン免疫療法(皮下免疫療法・舌下免疫療法)によって症状が軽減した患者の割合はどのくらいですか?」という質問を、今回の調査に協力いただいた528人のうち、アレルゲン免疫療法を行ったことがあると回答した医師149人に聞いてみました。
以下のグラフが結果となります。

アレルゲン免疫療法の効果

集計の結果、症状が軽減した患者の割合が10%未満と回答をした医師が3割、10%~30%と回答をした医師が3割、30%~50%と回答をした医師は2割、50%~70%、70%以上と回答をした医師はそれぞれ1割という結果となりました。
治療をすれば必ず良くなる!とも、効果はない!とも言えるわけではなく、医師の中でも意見が割れているようです。
それでは、回答をした医師のコメントを見ていきましょう。

治療を継続できるかが重要

  • 40代女性 一般内科 10%未満
    ネットで得られる情報より、効果が低い印象です。
  • 60代男性 アレルギー科 10%未満
    治療時間が長すぎるので、低くなってしまいます。
  • 50代男性 一般内科 10%未満
    あまりオススメしません。はっきり言って3年も続けられません。
  • 50代男性 一般内科 10%未満
    成功例は少ないのが実情です。
  • 40代男性 一般内科 10%~30%程度
    だいたい20%程度と思います。
  • 60代男性 一般内科 10%~30%程度
    有効率が、多分10数%でしょう。
  • 50代男性 アレルギー科 10%~30%程度
    根気よく続けてこの程度かと思います。
  • 60代男性 アレルギー科 10%~30%程度
    やはり長期になりますので難しいです。
  • 50代男性 一般内科 10%~30%程度
    途中中断が多いですね。
  • 50代男性 アレルギー科 30%~50%程度
    3割強の方に有効である印象があります。
  • 50代男性 一般内科 30%~50%程度
    まだまだこれからの治療法と思います
  • 50代男性 アレルギー科 50%~70%程度
    効果はあるものの継続が困難です。
  • 60代男性 一般内科 50%~70%程度
    1種類の花粉だけのアレルギーならこの程度は有効です。ほかのアレルゲンがあれば有効率はかなり低くなります。
  • 40代女性 耳鼻咽喉科 50%~70%程度
    継続することが必要、重要です。
  • 40代男性 一般内科 50%~70%程度
    半分の患者さんは効果なしではなくて、継続できなかったということが多いです。
  • 40代男性 耳鼻咽喉科 70%以上
    実施した患者の90%以上が症状軽減に繋がりました。ただしここ数年は花粉の飛散量が少なかったので効果があった気がします。大量飛散した場合はどうなのか興味がありますが。
  • 40代男性 耳鼻咽喉科 70%以上
    文献通り、かなり有効です。
  • 60代男性 一般内科 10%未満
    いい面と悪い面があることを知らせることが大事だと思います。

医師のコメントによると、「治療の継続が困難」「半分の患者さんは継続できなかったということが多い」など、そもそも治療の継続が重要であるとの内容が多くみられました。
また、「成功例が少ない」との声がある一方、「実施した患者の90%以上が症状軽減に繋がった」という声もあり、治療の効果に対する意見は分かれるようです。
「いい面と悪い面があることを知らせることが大事」と医師のコメントにあるように、長期にわたる治療のため根気強く続けていかなくてはいけないことや、効果に対して様々な意見があることも知った上で、治療の選択をしていくことが重要なようですね。

さらに、治療をしっかり継続して花粉症の症状を緩和したい!と治療を始めた際に気になるのは、副作用ですよね。
次は、注意すべきアレルゲン免疫療法の副作用について聞いてみました!

アレルゲン免疫療法の副作用は?

「花粉症のアレルゲン免疫療法(皮下免疫療法・舌下免疫療法)による副作用のうち、注意すべき副作用の症状はなんですか?」という質問に対し、以下の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。

※こちらの調査は、同アンケートで内科医、耳鼻咽喉科医、アレルギー科医528人から回答を頂いた内容になります。

  • 喘息発作
  • 蕁麻疹
  • 頭痛
  • 腹部症状(嘔吐、腹痛、下痢など)
  • その他

以下のグラフが結果となります。

集計の結果、5割を超える医師が喘息発作を、次に2割強の医師が蕁麻疹を選択した結果となりました。
治療後に喘息発作や蕁麻疹などが出た場合は、すぐに受診をした方が良さそうです。
それぞれの医師のコメントを見ていきましょう。

喘息発作やアナフィラキシーショックの兆候には注意

  • 60代男性 一般内科 喘息発作
    自分が昔の減感作療法で、ひどい喘息発作を起こしたことがあります。
  • 50代男性 一般内科 喘息発作
    喘息症状が悪化するので、注意しています。
  • 40代男性 一般内科 喘息発作
    呼吸困難に陥るリスクはあります。
  • 60代男性 一般内科 喘息発作
    やはり喘息発作が一番問題です。花粉症は命にかかわる病気ではないのに、治療でぜんそく発作出現は問題です。
  • 50代男性 一般内科 喘息発作
    喘息発作の誘発はリスクが高いです。
  • 40代男性 耳鼻咽喉科 喘息発作
    緊急性という観点からは上記項目の中で気道閉塞を示唆する喘息発作が一番心配です。
  • 50代女性 一般内科 喘息発作
    喘息を保有している患者も多いので注意が必要です。
  • 50代男性 アレルギー科 喘息発作
    喘息になると厄介ですが、合併率は高いです。
  • 60代男性 一般内科 喘息発作
    まれではありますが、非常に重症なアナフィラキシーを呈することがあるので、治療は救急設備のある施設でやっていただきたいです。
  • 50代男性 一般内科 喘息発作・蕁麻疹・頭痛・下腹部症状(嘔吐・腹痛・下痢など)
    アナフィラキシーの前駆症状である可能性があるものは全て注意が必要です。
  • 40代男性 一般内科 喘息発作・蕁麻疹・頭痛・下腹部症状(嘔吐・腹痛・下痢など)
    アナフィラキシー症状に注意が必要と考えています。
  • 60代男性 アレルギー科 喘息発作・蕁麻疹・下腹部症状(嘔吐・腹痛・下痢など)
    対症療法で乗り切れればいいのですが、患者さんによっては治療を中断します。
  • 60代男性 アレルギー科 喘息発作・蕁麻疹・頭痛・下腹部症状(嘔吐・腹痛・下痢など)
    上記の症状全てが当てはまり、副作用の可能性を考え医師が自分で対処できるようになるべくすべきで、症状が重い場合はすぐに他科の先生に紹介できるシステム作りが大事です。
  • 50代男性 一般内科 その他
    ショック症状が危ないと思います。
  • 40代男性 一般内科 その他
    アナフィラキシーショックは命にかかわることがあります。
  • 40代男性 一般内科 その他
    ショック症状は危険です。皮下免疫療法ではショックも起こりえると理解しています。これこそ致命的。超重要です。
  • 50代男性 耳鼻咽喉科 その他
    アナフィラキシーショックを、スギの皮下免疫療法をした際に経験したことがあります。

医師のコメントを見ると、「喘息発作のリスクが高い」などといった内容が多くみられました。
治療の副作用で喘息発作や呼吸困難がおきてしまうのは注意が必要なようです。
また、喘息発作、蕁麻疹、頭痛、下腹部症状(嘔吐・腹痛・下痢など)の兆候があるアナフィラキシーショックには命にかかわる危険もあるため注意が必要、というコメントも多くみられました。
万が一、アナフィラキシーショックを起こしてしまっても対処できるように、救急設備のある病院で治療してほしい、などの声も見られました。
医師の中には、皮下免疫療法でアナフィラキシーショックを経験したことがある、という医師もいました。
これらの副作用に注意しなくてはいけないことを頭におきつつ、万が一重篤な副作用が出た場合にも対処できる病院で治療を行うことが重要なようです。

治療の効果と副作用を理解した上で判断を!

今回のアレルゲン免疫療法(皮下免疫療法・舌下免疫療法)の効果に関する調査では、症状が軽減した患者の割合が10%未満と回答をした医師が3割、10%~30%と回答をした医師が3割、30%~50%と回答をした医師は2割、50%~70%、70%以上と回答をした医師はそれぞれ1割となりました。
そもそも患者さんが治療を継続していくのが難しい、という医師のコメントが多くみられました。
また、医師の中でも、症状軽減の効果が高い、低いと意見が分かれた結果となりました。
症状を軽減するには治療を継続する必要があること、その上で、治療の効果については医師の中でも様々な意見があることを理解した上で、治療を受けるかを判断した方が良さそうです。

また、治療の副作用については、喘息発作やアナフィラキシーショックには十分注意すべき、という回答が多くみられました。
やはり、呼吸困難やショック症状など命にかかわるような副作用には十分注意し、医師も治療に臨んでいるようです。
万が一、重篤な副作用が出ても対処できるような設備や体制がある病院を選ぶのが良さそうです。

舌下免疫療法などのアレルゲン免疫療法の効果や副作用について十分理解し、治療を受けるか、どの病院にするかを選びましょう。

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