赤ちゃんのうんちに変わったところがあると心配になりますよね。
以前は、赤ちゃんの便秘についてイシコメ内でご紹介しましたが、今回は、下痢と粘液便ついてご紹介したいと思います。
赤ちゃんが水っぽいうんちをすることや、うんちの中に粘液が混じっている場合、他にどんな症状があれば病院を受診すべきなのでしょうか。
小児科医240人に聞いてみました。
※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年3月2日〜3月5日にかけて行われ、小児科医241名から回答を頂きました。
粘液便はどんな時に受診が必要?
まずは、うんちの中に粘液のようなものが混ざる粘液便について、受診が必要はあるのか聞いてみました。

- 60代男性 小児科
感染性の胃腸炎症状が続く時や脱水になる可能性がある時には来院を勧めますが、感染性腸炎では腸内菌が乱れるため、悪臭も参考となります。 - 50代男性 小児科
粘液だけなら疾患がないことが多いですが、色やにおいは確認した方がいいと思います。 - 30代女性 小児科
粘液便の相談はあまりないのですが、粘液便があるとすれば腸炎の可能性があるのでメインの症状が他にあるからなのかなと思います。 - 50代男性 小児科
発熱や嘔吐が伴えば、感染症や消化器疾患の可能性があり、粘液が大量の場合は吸収不良症候群などが考えられます。 - 60代男性 小児科
母乳血便のこともありますが、ミルクアレルギーその他、多数の病気があり、持続する場合、受診は不可欠と思います。 - 50代男性 小児科
発熱嘔吐症状や長引く時は脱水症が気になります。腐敗臭はやはり気になります。 - 60代男性 小児科
1週間以上続いても、元気が良く、熱もなく。食欲も良い場合は心配なしです。
8割を超える医師が発熱や嘔吐を伴う場合は受診すべきと回答しました。
また、臭いがきつい場合は腸内環境が乱れており、注意が必要との意見が目立ちました。
さらに、粘液が大量に見られたり持続する場合は腸炎や消化不良症候群、ミルクアレルギーが起こっている可能性を指摘したコメントもありました。
一方で、粘液便が続いても、赤ちゃんが元気そうなら問題ないといった意見も見られました。
病院に受診するかどうかを判断するためには、赤ちゃんの機嫌や全体症状を見てあげる必要がありそうですね。
下痢はどんな時に受診が必要?
続いて、下痢の場合はどんな症状があるときに受診すべきなのかを聞いてみました。

- 40代男性 小児科
下痢でも全身状態が良いなら直ぐに受診する必要はないと考えます。嘔吐や血便がある場合は受診をした方がいいと思います。 - 60代男性 小児科
下痢のみの場合は、経過観察でよいです。下痢の回数の多い人工ミルクでは、乳糖不耐症の可能性もあり受診するように話します。 - 30代女性 小児科
治療としては「脱水があるかないか」が大事なのと、合併症の有無の判断が診察では必要になると思います。 - 40代男性 小児科
嘔吐がなく下痢だけで、経口ができていれば大丈夫と思っている両親が多いと感じます。下痢も舐めていると重症脱水になることもあります。 - 60代男性 小児科
乳児の下痢症は、なかなか治りにくいことも多いため、受診するのがベターでしょう。 - 50代女性 小児科
血便だったり、ロタウイルス感染を疑うような場合は受診すべきとおもいます。
8割以上の医師が「機嫌が悪い状態が続くとき」と回答する結果となりました。
やはり下痢や粘液便に関わらず赤ちゃんの機嫌というのは重要な指標になってくるようです。
また医師のコメントでは、下痢の他に嘔吐や血便、脱水症状がある場合は受診すべきとする意見が目立ちました。
一方、乳児の下痢は治りにくかったり、重症脱水になることもあるためとりあえずは受診した方がいいとする意見もありました。
赤ちゃんの下痢が長続きするように感じたら、とりあえず小児科医に相談しても良いかもしれません。
赤ちゃんの粘液便や下痢は観察ポイントをおさえて受診の判断を
今回の調査では、粘液便では発熱や嘔吐を伴うかどうか、下痢では赤ちゃんの機嫌が良いか悪いかを見てあげることが大切とする意見が目立ちました。
また、粘液便と下痢のいずれも、赤ちゃんが元気なら様子を見て良いみたいでした。
もし赤ちゃんが粘液便や下痢をしていたら、こうした観察ポイントをおさえつつ、当てはまる場合は小児科受診を検討することが大事そうです。