辛い花粉症・・・。鼻水や目の痒かゆみも厄介だけど、とにかく眠くて仕方ない・・・。
眠気の原因は花粉症の症状?薬の副作用?それとも単純に睡眠不足?
そんな疑問をお持ちの方も多いと思います。
原因がわかれば適切に対処できますよね。
そこで今回は花粉症の時期の眠気の原因について内科医、耳鼻咽喉科医、アレルギー科医、計544名に聞いてみました!
※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年3月9日〜3月12日にかけて行われ、内科医、耳鼻咽喉科医、アレルギー科医、計544名から回答を頂きました。
花粉症の時期の眠気の原因は?
まずは、「花粉症の患者さんに眠気が起きる原因として最も可能性が高いものは何ですか」という質問に対し、以下の選択肢から選んでいただき、回答をもらいました。
- 抗ヒスタミン薬の副作用
- 鼻づまりなどによる睡眠不足
- 花粉のアレルギー反応
- その他
次のグラフが結果となります。
抗ヒスタミン薬の副作用、という回答が5割
- 50代男 一般内科
一番にはこれが疑われます。 - 60代男 一般内科
薬による吸い込まれる眠気が特徴的です。 - 50代男 一般内科
副作用の可能性が高いと思います。 - 50代男 アレルギー科 皮膚科
非鎮静性(ひちんせいせい)の抗ヒスタミン薬が主体であるがそれでも眠気は出てしまいます。 - 60代男 神経内科 一般内科
眠気のでやすい人のほとんどは薬の副作用ですね。 - 60代男 循環器内科 一般内科
抗ヒスタミン薬の副作用は強いと考えています。 - 50代女 一般内科
薬の影響はどうしても避けられないと思います。 - 60代男 消化器内科 一般内科
抗ヒスタミン剤には眠気は必発ですね。 - 50代男 一般内科
非専門医の為、私見としては抗ヒスタミン薬(第一世代は別)による効果と副作用による眠気は、相当に個人差があると感じています。中々医療情報に基づく処方をしても上手く行かないことも多いです。 - 60代男 循環器内科 一般内科
花粉症の患者さんに眠気が起きる原因として、最も可能性が高いのはやはり抗ヒスの副作用と思います。
5割の医師が回答をした「抗ヒスタミン薬の副作用」ですが、医師のコメントを見ると、花粉症の時期の眠気は薬の副作用の影響が大きい、との内容が多くみられました。
仕事や学校などがある方は、日中の眠気が問題になる場面もありそうですね。
鼻づまりなどによる睡眠不足が3割
- 40代男 一般内科
睡眠障害が基本でしょう。 - 60代男 アレルギー科 一般内科
抗ヒスタミン薬を服用していなくても症状は起きます。 - 40代男 一般内科
複合的なんでしょうけど、一番重度になるのは睡眠不足かなと思います。 - 50代男 泌尿器科 一般内科
薬の作用もあるが、意外に睡眠不足のケ-スが多いように思います。 - 60代男 一般内科
眠気の副作用がある抗ヒスタミン薬を使う前から、睡眠障害を起こしていることがあります。私自身は眠気の副作用のない抗ヒスタミン薬を主体にしているので、抗ヒスタミン薬の副作用より遙かに高い率になります。 - 50代男 耳鼻咽喉科
どれもあてはまると思います。頻度が多いのは睡眠不足、程度がひどいのは副作用だと思います。 - 50代男 耳鼻咽喉科
最近の第2世代抗ヒスタミン剤は眠気少ないです。口呼吸で睡眠時無呼吸になっている患者は思いのほか多いと思ってます。 - 60代男 一般内科
多くの方が抗ヒ剤を服用しているのでその副作用の場合も多いのですが、やはり睡眠不足は重要な問題であるととらえています。
3割の医師が回答をした「鼻づまりによる睡眠不足」のコメントからは、抗ヒスタミン薬の副作用はありつつも、睡眠不足の影響もある、という内容がみられました。
花粉症の症状である鼻づまりは、睡眠不足などのストレスを与えてしまうのも厄介な症状ですね。
花粉のアレルギー反応
- 30代男 一般内科
いわゆるアレルギー反応です。 - 30代男 一般内科
薬を飲んでいなくてもある程寝ていても眠気を訴える患者さんは多いです。 - 50代男 消化器内科 一般内科
アレルギー症状自体がぼ-っとします。
1割強の医師からは、花粉のアレルギー症状それ自体の影響という回答がありました。
実際に、薬を飲んでいなくても眠気を訴える患者さんもいるようです。
抗ヒスタミン薬の副作用は多いが、眠気の原因は複合的
抗ヒスタミン薬の副作用で眠気を起こすことも多いようですが、「意外に睡眠不足のケースが多い」というコメントのように、睡眠不足も大きな要因となっているようです。
どうやら、花粉症の時期に眠気が起こってしまうのは、複合的な要因があるようですね。
次に、その抗ヒスタミン薬は生活に支障をきたすほどの眠気を引き起こす可能性はあるのか、医師544名に聞いてみました!
抗ヒスタミン薬は眠気を引き起こすものなのか?
それぞれの医師のコメントを見ていきましょう。
眠気を引き起こすことが「大いにある」との回答が半数以上
- 50代男性 アレルギー科 皮膚科
抗ヒスタミン薬は用量依存性に効くので増量時は眠気が出てしまいます。 - 50代男性 血管外科 一般内科
やはり、眠気、意欲の低下は否めません。 - 60代男性 呼吸器内科 一般内科
薬剤の添付文書にある通りですし、服用して自動車を運転して事故を起こせば重過失罪に問われることもあり得ます。事故ほどではなくても、睡眠不足もあるとかなり強い眠気が出る例に、時々遭遇します。 - 50代男性 一般内科
抗ヒスタミン薬の副作用が最も多く、大いにありです。 - 60代男性 アレルギー科 一般内科
花粉症の症状緩和のために処方される抗ヒスタミン薬が、日常生活に支障をきたすほど眠気を引き起こすことはあります。 - 60代男性 循環器内科 一般内科
ものによっては日常生活に支障をきたすほど眠気を引き起こすことはあります - 40代男性 一般内科
実臨床で感じます。とくに自動車の運転については注意義務、カルテ記載義務が医師にはあります。 - 40代男性 一般内科
眠前内服が良いと考えます。
「大いにある」とした医師の回答のなかに、「自動車運転」について言及したコメントがありました。
「服用して自動車を運転して事故を起こせば重過失罪に問われることも」という怖い話もありましたが、医師たちも自動車の運転に注意しているようでした。
もし運転の必要がある方は、医師と相談してから花粉症の治療をはじめることが大事そうです。
ほかにも眠気が出る場合は、就寝前に抗ヒスタミン薬を服用することを勧める医師もおられました。
眠気を引き起こすことが「たまにある」
- 50代男 神経内科 一般内科
眠気やふらつきなどが問題です。 - 50代男 感染症科 一般内科
最近は少ないですが、以前は多かったですね。 - 50代女 一般外科 一般内科
その場合は使用を中止してもらい、別の薬を処方しています。 - 30代男 一般内科
特に眠気で日常生活が支障をきたすと困ります。 - 60代男 消化器内科 一般内科
薬剤を中止せざるを得ない場合もあります。 - 40代男性 一般内科
抗ヒスタミン薬は傾眠の訴えは多いです。 - 60代女性 一般内科
極力抗ヒスタミン剤は夜1回服用にしたいです。 - 60代男性 一般内科
眠気の副作用がないはずの薬で、だめだと言われたことが意外に多いです。 - 30代男性 一般内科
比較的眠気が少ない抗ヒスタミン製剤でも眠くてしようがないといわれたことがありますので半量にしたりしています。
「たまにある」とした回答でも「眠気」について多く挙げられていました。
薬剤の添付文書にもあるとのことで、少なくとも眠気を「引き起こしうる」という意識は必要そうですね。
どうしても眠気が出る場合は医師に相談の上、薬剤服用の中止や服用量・回数の見直し、他の薬剤の処方をしてもらうことも必要かもしれません。
眠気を引き起こすことは「あまりない」
- 50代男性 一般内科
最近の抗ヒスタミン薬はよくなっています。 - 60代男性 一般外科 一般内科
最近ではほとんど経験はありません。 - 70代男性 一般外科 一般内科
最近のはあまりないようです。 - 30代男性 一般外科 一般内科
眠気があるなら種類を変えるべきだと思います。 - 50代男性 消化器内科 一般内科
現在は第二世代の抗ヒスタミン薬を処方しているのであまりありません。
眠気を引き起こすことは「ほとんどない」
- 50代男性 循環器内科 一般内科
新しい薬にはほとんどないように感じています。 - 50代男性 消化器内科 一般内科
日常生活に支障をきたすほど眠気を引き起こすことはありませんでした。
逆に「あまりない」「ほとんどない」と回答した医師の声としては、最近の薬は良くなっている、という意見でした。
抗ヒスタミン薬もどんどん薬剤の進化をしているというのが実情のようですね。
抗ヒスタミン薬は、眠気に注意が必要
抗ヒスタミン薬の眠気は、「大いにある」「たまにある」と回答した医師が全体の約7割という結果となりましたが、「第二世代の抗ヒスタミン薬を処方しているのであまりありません」や「新しい薬にはほとんどない」という医師のコメントもありました。
新しい抗ヒスタミン薬は眠くなりにくいようですが、もし眠気が出る場合は、医師と相談することをお勧めします。
花粉症の眠気は、薬の副作用や睡眠不足が原因
本調査によれば、花粉症の眠気の原因として最も回答が多かったのが、抗ヒスタミン薬の副作用でした。次いで、鼻づまりなどによる睡眠不足、花粉のアレルギー反応という結果となりました。
抗ヒスタミン薬が日常に支障を及ぼすほどの眠気を引き起こすことはあるか?という質問では、「たまにある」「大いにある」を合わせて全体の約7割に上りました。
新しい抗ヒスタミン薬は眠くなりにくいようですが、もし眠気が出る場合は、医師と相談することをお勧めします。