つらい花粉症の季節がやってきました。
花粉症の症状を重症化させずに乗り切る方法を模索している方も多いのではないでしょうか。
テレビやインターネットで色々調べて試してみたり、花粉症対策グッズで完全防備したり…。
花粉症の症状をできるだけ軽くできたら、日々の生活が楽になりますよね。
そこで今回は、内科医、耳鼻咽喉科医、アレルギー科医528人に、花粉症を重症化させないための方法を聞いてみました。
※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年2月28日〜3月1日にかけて行われ、内科医、耳鼻咽喉科医、アレルギー科医528人から回答を頂きました。
花粉症を重症化させない方法は?
「花粉症の症状を重症化させないために行うべきことで、先生が良いと思うものは何ですか」という質問に対して、以下の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。
- 睡眠時間を多くとる
- ストレスを溜めこまない
- 喫煙・飲酒をしない
- 適度な運動をする
- 部屋を念入りに掃除する
- 外出先から帰ったらうがいをする
- 花粉を家に持ち込まないようにする
- 早めに医療機関を受診する
- その他
どれも同じくらい良さそうな気がしますが、どのような結果になったのでしょうか。
以下のグラフが結果となります。
花粉を家に持ち込まないようにする、と回答した医師が63%、早めに医療機関を受診する、という回答した医師が38%、外出先から帰ったらうがいをする、と回答した医師が33%、その後には部屋を念入りに掃除する、睡眠時間を多くとる、ストレスを溜めこまない、喫煙・飲酒をしない、適度な運動をする、が続きました。
花粉を家に持ち込まないようにするのはもちろんですが、早めに病院に行くことや、うがいをした方がいいことなども医師のコメントでは勧めていました。
では、それぞれ見ていきましょう。
花粉を家に持ち込まないようにすることが大事
- 50代男性 一般内科
患者が花粉症の症状を重症化させないためには「持たない、持ち込まない、あびない」です。 - 50代男性 一般内科
やはり原因物質を遠ざけるのが一番。 - 60代男性 一般内科
アレルゲンとの接触を避けるのが第一です。 - 40代女性 一般内科
なるべく暴露を避けることに尽きると思います。 - 60代男性 アレルギー科
花粉から逃げることが重要です。 - 50代男性 一般内科
家に花粉が入らないようにすることが大事です。 - 60代男性 一般内科
とにかく、外から持ち込まない、空気洗浄機を使うことでしょうか。 - 40代女性 アレルギー科
早めに治療です。洗濯物や布団を外干ししないことも大事です。 - 40代女性 一般内科
花粉症になってしまったら、アレルゲンである花粉を避けるのが症状改善に一番なのではと思っています。 - 30代男性 一般内科
アレルゲンとの接触を避ける、抗ヒスタミン剤等の対症療法くらいしかないと思います(あとは、根本的には減感作療法かと)。 - 60代男性 アレルギー科
花粉との接触を避けることが大事です。現代はアスファルトやコンクリートで街が埋められて、以前なら土の上に落ちて吸収された花粉が舞っているのかもしれないですね。
一番多くの医師の回答を集めた「花粉を家に持ち込まないようにする」ですが、コメントを見ると、やはりアレルギーのもとである花粉との接触をできるだけさけるべき、という内容が多くみられました。
医師のコメントでは、毎日過ごしている家に持ち込まないために、空気清浄機を使うことや洗濯物やふとんを外に干さないことといった具体的にできる工夫も挙げられていました。
なかには、昔と比べてアスファルトやコンクリートの地面が多いので、花粉が舞いやすくなってしまってるのでは?という指摘もみられました。
外出時にはマスクとメガネを着用
- 60代男性 一般内科
あとはマスクを必ず外出時はすることです。 - 40代男性 一般内科
マスクやメガネも有効でしょう。 - 40代男性 一般内科
服装やマスク、花粉症用メガネなどが対策としてよいと思います。 - 40代男性 一般内科
きれいなマスクをするのも大事ですよね。
花粉と接触しないための方法として、外出時にはマスクやメガネを付けた方がいい、という医師のコメントが多くみられました。
毎年色々なマスクや花粉症対策メガネが発売されていますよね。
やはり医師の視点からも重要なようです。
花粉のつきにくい服を着て、花粉を落としてから帰宅
- 30代男性 一般内科
玄関にはいる前に花粉を落とす方が良いと思います。 - 70代男性 一般内科
外出から戻ったら、玄関の外で、着衣の埃や花粉などを落とすように指導しています。 - 60代女性 一般内科
花粉を持ち込まないのが一番で、外でも、保護メガネを使用して、ツルツルした生地のコートを着て、帰宅時には外で払ってから入室するのが良いです。 - 50代男性 一般内科
花粉が付きやすいウールの服は着ないようにするのが良いです。
そのほか、玄関に入る前に花粉を落としてから家に入ることや、花粉のつきにくいツルツルした生地の服を着た方がいい、という声もみられました。
季節的にウールなどの素材の服を着ている方も多いのではないでしょうか。
花粉症が気になる方は、少し気をつけてツルツルした素材の服を選ぶことも大事かもしれません。
早めに医療機関を受診することも大事
- 50代男性 一般内科
毎年発症している方は早めの治療が良いようです。 - 50代男性 一般内科
早めに受診し薬をもらった方が軽く済むと思います。 - 60代男性 一般内科
うがいが無効とは言えませんが、外にいる時間が長ければ意味が薄れます。隠れた悪化因子に不規則睡眠(睡眠を多くとることではありません)や喫煙、飲酒は明らかに悪化因子です。早く受診すると症状は軽くて済みます。 - 50代男性 一般内科
早め早めの対応が良いです。 - 50代男性 一般内科
環境改善と早期の受診が大事です。 - 50代男性 アレルギー科
早期に治療を開始すること。また日常的に花粉暴露をできるだけ避けることです。空気清浄器の使用、洗濯物は家干し、こまめに掃除、花粉が付着しにくい上着などを着用、マスクの使用などでしょうか。 - 50代男性 アレルギー科
市販のOTCも数多く販売されているが,価格が高い.それで効果がなかった患者が受診することが多いです。最初から医療機関を受診したほうがよいです。
次に医師からの支持が多かったのは、「早めに医療機関を受診する」ことでした。
早めに受診をして打つべき対策をすれば、症状が軽く済むようでした。
花粉症の季節を迎える少し前から意識できるとよいかもしれませんね。
医師のコメントの中には、市販の薬で対処していて効かない患者が受診することが多い、という内容もありました。
市販の花粉症の薬は様々なものがあり、ご自身で選ぶのが困難な場合もあると思います。
その場合は、病院に行って医師と相談しながら、自分に適した薬を処方してもらうことも一つでしょう。
早めに薬を内服
- 60代男性 一般内科
薬剤の予防投与も必要です。 - 50代男性 一般内科
早めの抗アレルギー薬内服です。 - 40代男性 耳鼻咽喉科
症状が酷くならないうちに抗ヒスタミン薬とステロイド点鼻薬で治療開始することが肝要です。 - 30代男性 一般内科
早めに抗アレルギー剤を内服、点鼻、点眼すると、効果があります。
早めに病院に行くとほぼ同じ意味ですが、早めに薬を内服するのがよいようです。
意外でしたが、薬は症状が出てからのものだけではなく、予防的に服用する場合もあるんですね。
うがいや手洗い、洗顔なども
- 60代男性 一般内科
手洗い、うがい、洗顔が大切。 - 70代男性 一般内科
外出先から帰ったらうがいをする、花粉を家に持ち込まないなどが重要だと思う。
他にできる対策として、外から帰ったらうがいをするという選択肢も医師の支持を集めました。
こちらも身体に付着した花粉を落とす、という意味で有効ですね。
身体の調子も整えて免疫力を付ける事も大事
- 50代男性 一般内科
花粉を身体にいれない、ふれさせない対策をする。体調管理に気をつける。それでだめなら、薬です。 - 40代男性 一般内科
生活習慣の是正と医療機関受診で薬剤治療を早期に開始する事が重要だと思います。 - 50代女性 一般内科
身の周りの花粉を落とすことと、体力をつけることです。 - 60代男性 一般内科
やはり、睡眠で、まず、体を休めることでしょうか。 - 50代女性 一般内科
自分の体調をふだんから整えておくことが大切だと思います。 - 50代男性 一般内科
身体の調子を整えることと、アレルゲンのできる限りの除去がポイントだと思います。 - 30代女性 一般内科
免疫が低下するとアレルギーがでやすいです。
また、身体の調子を整えることを推奨する声も多くみられました。
医師のコメントでは、免疫力が低下しているとアレルギーの症状が出やすい、という声もありました。
確かに身体が弱っている時に、花粉症の症状が出てきたら、気も滅入ってしまい悪循環になってしまいそうですね。
一部の医師から漢方やヨーグルトという声も
- 60代男性 一般内科 その他(体を冷やさない)
体質改善的に漢方薬を常用するとよいです。 - 20代女性 耳鼻咽喉科 その他(ヨーグルトを食べる)
ヨ-グルトを食べている方で花粉症の症状が軽くなった方はいます。
一部の医師からは、漢方が体質改善の観点から良い、やヨーグルトが良い、という声もみられました。
ヨーグルトなどの食べ物や飲み物の花粉症への効果については、医学的根拠は乏しいながらも経験則として推奨する医師もいるようです。
重症化防止には「花粉を持たない、持ち込まない、浴びない」
今回の調査では、花粉を家に持ち込まないようにする、と回答した医師が63%、その後には、早めに医療機関を受診する、外出先から帰ったらうがいをするなどが続きました。
花粉を家に持ちこまないためには、空気清浄機の利用や、洗濯物や布団を外に干さないこと、玄関で花粉を落とすこと、が方法として挙げられました。
また自分の身体に花粉を接触させないためにもマスクやメガネをすること、帰ったらうがいをして花粉を落とすことも推奨していました。
さらに上記の対策に加えて、早めに病院に行き、薬をもらうことも重要なようでした。
体調を整えて、早めに受診をし、花粉症の季節には「花粉を持たない、持ち込まない、浴びない」を守って、この季節を乗り切っていきましょう。