子どもが生まれてはじめての熱を出した…。元気があっても不安になりますよね。
そんな時、先輩ママから「それって、突発じゃない?」と言われた経験はありませんか?
突発と略して呼ばれることもある、「突発性発疹」という病気。
東京都福祉保健局のホームページでは、以下のように説明されていました。
生まれてから数か月以上たったころの子に、突然高い熱が出ます。そして、3日ほどで熱が下がると発疹が出てきます。発疹が出たら診断がつく病気です。
引用:東京都こども医療ガイド | 突発性発疹(とっぱつせいほっしん)
つまり、急な発熱と熱が下がった後のぶつぶつが特徴で、ヒトヘルペスウイルスの感染が原因のようなのです。
では、突発性発疹は、臨床現場で診療をしている医師からみて、実際にいつ頃かかるのでしょうか?また、兄弟や保育園でうつらないのでしょうか?
こうした突発性発疹にまつわる疑問について、小児科医155名に聞きました!
※ 本調査は医師専用コミュニティサイト「MedPeer(https://medpeer.jp/)」にて2018年2月19日に行われ、小児科医155名から回答をいただきました。
突発性発疹の好発時期は?
まずは、「先生のこれまでのご経験で、突発性発疹の好発時期はいつ頃ですか」という質問に対して、つぎの選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。
- 生後6ヶ月未満
- 生後6ヶ月以上〜1歳未満
- 1歳以上〜1歳6ヶ月未満
- 1歳6ヶ月以上〜2歳
- 2歳以上
以下のグラフが結果となります。

集計では、「生後6ヶ月以上〜1歳未満」が最も支持を集めました。
続いて、「1歳以上〜1歳6ヶ月未満」、「1歳6ヶ月以上〜2歳」といった回答に支持が集まりましたが、どうやら乳児期と呼ばれる1歳未満が一番多いようでした。
では、それぞれの医師のコメントを見ていきましょう。
突発性発疹の時期は、生後6ヶ月以上〜1歳未満が多い
- 40代男性 小児科 生後6ヶ月以上〜1歳未満
生後6ヶ月以上〜1歳未満だと思いますが、少し年齢が高くなってきているようにも感じます。 - 50代男性 小児科 生後6ヶ月以上〜1歳未満
例外もあるため発症年齢に幅はありますが、大体6~8か月の時期が最も多いと思います。 - 30代男性 小児科 生後6ヶ月以上〜1歳未満
だいたい母親の免疫が切れてから1歳未満で発症することが多いと思います。 - 50代男性 小児科 生後6ヶ月以上〜1歳未満
生後6ヶ月、特に3ヶ月以下は少ないと思います。 - 50代男性 小児科 生後6ヶ月以上〜1歳未満
生後6か月から1歳6か月以内が最も多いです。 - 50代男性 小児科 生後6ヶ月以上〜1歳未満
6か月までは受動免疫もありますので。
多くの意見は、生後6ヶ月以上〜1歳未満を支持するものでしたが、発症年齢に幅がある、とした医師のコメントもありました。
6ヶ月未満が少ない理由として、お母さんからもらった免疫が続いている時期で感染にかかりにくいとから、というコメントも見られました。
突発性発疹は、生まれて初めての熱で多い。元気もあるが、けいれんを伴いやすい。
- 60代男性 小児科 生後6ヶ月以上〜1歳未満
生まれてから初めての高熱で、全身状態がいいとき、咳がないときはそれを考えます。 - 80代男性 小児科 生後6ヶ月以上〜1歳未満
親たちが最初に心配する熱性疾患。しかも、けいれんを伴い易く、初めて、熱性けいれんを経験します。 - 40代男性 小児科 生後6ヶ月以上〜1歳未満
赤ちゃんにとって「生まれて初めての発熱」が突発性発疹のため親にとっても初めての病院受診になります。 - 70代男性 小児科 生後6ヶ月以上〜1歳未満
たいてい、これくらいの年齢で、元気が良いのに、熱があるようです。 - 30代男性 小児科 生後6ヶ月以上〜1歳未満
多くは初めての熱。気づかれていない場合も多いのではないかと思います。 - 40代男性 小児科 1歳以上〜1歳6ヶ月未満
誰もが一度は通る道ですが、痙攣を起こさないことを祈るのみです。
コメントでは、突発性発疹の特徴に言及したものも見られました。
ポイントをまとめると、以下の通りです。
- 生まれてから初めての高熱
- 全身状態がいい
- 元気がいい
- 咳がない
- けいれんを伴いやすい
なかには気づかれていない場合も多い、とする意見もありましたが、比較的高熱でも元気があるのが特徴みたいです。
しかし、熱性けいれんを経験します、という医師のコメントもみられましたので注意は必要そうです。
実は、突発性発疹に複数回かかることもある!?
- 30代男性 小児科 生後6ヶ月以上〜1歳未満
最近減ってきていると思います。それと、罹患が遅い子が結構います。2歳で罹患とか。 - 60代男性 小児科 生後6ヶ月以上〜1歳未満
最近は、2回罹患する人が増えています。また、初発の年齢も上がってきています。 - 60代男性 小児科 生後6ヶ月以上〜1歳未満
原因ウイルスが複数あり、2回かかることがあると知らない保護者が大部分です。 - 50代男性 小児科 生後6ヶ月以上〜1歳未満
1歳未満が多いですが、たまに2回目、3回目で1歳超える人がいます。 - 30代男性 小児科 生後6ヶ月以上〜1歳未満
感染症との接触が少ない一人っ子の未通園児では、3歳以降での発症症例もあります。 - 30代男性 小児科 生後6ヶ月以上〜1歳未満
早いと生後2か月くらい、遅いと4歳くらいまで経験があります。
実は、生後6ヶ月以上〜1歳未満に支持が集まったものの、例外を指摘する声がいくつもみられました。
なかには2歳、もっと遅いと4歳で突発性発疹にかかるとした声もあれば、1回だけにとどまらず、2回目、3回目もかかるといった指摘もありました。
一人っ子で小さい特に保育園に行っていない場合は、3歳以降もありうるとのことです。
突発性発疹にかかるのは、原則1歳未満でも例外はある、くらいに思っておいたほうがよいかもしれませんね。
さて、かかりやすい時期はわかりましたが、感染症でもある突発性発疹が他の人にうつってしまうのか気になりますよね。
続いては、先ほどの調査と同様に、「突発性発疹は兄弟や同じ保育園の子にうつる可能性はあるでしょうか」という質問に対して、つぎの選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。
- 大いにある
- ときどきある
- あまりない
- ほとんどない
以下のグラフが結果となります。
突発性発疹は、兄弟や保育園でうつるの?

- 50代男性 小児科 ほとんどない
患者さんは多いですが突発性発疹がうつったと感じることはほとんどないです(感染ル-トが想定できる場合がほとんどありません)。 - 60代男性 小児科 ほとんどない
HHV-6 (7)感染なので、感染する可能性はあると思いますが、経験がありません。 - 50代男性 小児科 ほとんどない
感染力を実感したことはありません。年上の兄弟はすでに免疫を得ており、発症はしにくいと考えてもいます。 - 40代男性 小児科 ほとんどない
感染経路はわかっていないですが、集団生活でうつらないと思います。 - 60代男性 小児科 ほとんどない
保育園で突発性発疹が流行ったのは聞いたことないです。 - 40代男性 小児科 あまりない
突発性発疹は基本的には経気道感染だと思いますが、発症した周囲で流行するという現象は経験したことはありません。 - 30代男性 小児科 あまりない
明らかな伝染は経験が乏しいです。保育園児の場合は不顕性感染もあるので難しいです。 - 40代男性 小児科 あまりない
ウイルス感染なので当然伝染するものですが インフルエンザのような伝染はないです。 - 50代男性 小児科 あまりない
理論的にはあるんじゃないかと思うのですが、あまり経験していません。
「ほとんどない」、「あまりない」を合わせるとアンケートに参加した7割以上の医師が突発性発疹がうつることについて否定的な見解を示しました。
コメントでも、理論上は感染するかもしれないとした医師もおられましたが、多くは突発性発疹が流行した、またはうつったという経験はないとのことでした。
お母さんのなかにはお子さんが突発性発疹になったとき、他の子にうつしてしまったかも…という不安を持つ方もいるかもしれませんが、過度な心配はいらなさそうですね。
突発性発疹は、1歳未満にかかりやすいが例外もある病気
本調査では、突発性発疹のかかりやすい時期として、「生後6ヶ月以上〜1歳未満」が最も支持を集めました。
しかし例外もあるようで、突発性発疹に複数回かかったり、幼児になってもかかったりすると指摘した声も見られました。
また突発性発疹の特徴として、生まれて初めての熱で、元気もあるですが、なかには熱性けいれんを伴う子もいるようで、その点は注意が必要そうでした。
7割以上の医師が突発性発疹がうつることについて否定的な見解を示していましたが、お母さんのなかにはお子さんが突発性発疹になったとき、他の子にうつしてしまったかも…という不安を持つ方もいるかもしれません。
でも、本調査をもとに過度な心配はせず、すこやかな育児ライフをおくってください!