春になり暖かくなりはじめたこの時期、多くの人が花粉症に苦しむのではないでしょうか。
くしゃみや鼻水、鼻づまりなど花粉症の症状は様々ですが、目の痒み、充血、腫れなどの「目」に現れる症状に悩んでいる方も多いと思います。
そこで今回は、花粉症による目の症状やその対処法について医師521名に聞いてみました。
※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年3月10日〜3月13日にかけて行われ、一般内科、アレルギー科、眼科医、計521名から回答を頂きました。
花粉症による目の症状は痒みや充血、涙
まずは、「花粉症を原因とする目の症状はなんですか」という質問に対し、以下の選択肢から選び、コメントを頂きました。
- 目のかゆみ
- 目の充血や涙
- まぶたの腫れ
- 目の痛みや違和感
- 目やに
- 目の灼熱感
- その他
以下が結果となります。
- 50代男性 一般内科 消化器内科
目の痒みが訴えとして一番多いと思います。 - 60代男性 一般内科 循環器内科
目のかゆみ 、目の充血や涙はよくあります。 - 40代男性 一般内科
目玉を取り出して洗いたいくらい、のかゆみです。 - 50代男性 一般内科 消化器内科
かゆみ、涙が主ですが、手でこすることによる腫れや充血もあります。 - 30代男性 一般内科
目のかゆみやまぶたの腫れや充血が多いです。 - 60代男性 アレルギー科 一般内科
花粉症における目の症状としては、目のかゆみが最も多い症状です。 - 30代男性 眼科
目のかゆみなど目の中の症状とまぶたなど目の周りの赤みが複合することが稀にあります。 - 60代男性 一般内科
よく、目がシュパシュパするっていう患者さんがいますね。 - 50代男性 アレルギー科 皮膚科
アレルギー症状なのでかゆみと赤みが主体です。 - 60代男性 一般内科
ショボショボしたり、羞明が出たり、結膜の浮腫も結構見ます。
医師の回答の多数を占めたのは「目のかゆみ」でした。やはり多くの方がこの症状で苦しんでいるようです。
その後を「目の充血や涙」「まぶたの腫れ」が続く結果となりました。
また、医師からは「かゆみ、涙が主ですが、手でこすることによる腫れや充血もあります」「目のかゆみなど目の中の症状とまぶたなど目の周りの赤みが複合することが稀にあります」といったコメントを頂きました。
目のかゆみが原因で目をかいてしまい、充血したり、まぶたが腫れてしまったりするようです。充血やまぶたの腫れといった症状を引き起こさないためにも、目はかかないようにすることが大事なようです。
しかし、我慢できずに、つい掻いてしまう場合もあると思います。そんなつらい目のかゆみには、どのように対処するのがいいのでしょうか。
目の痒みにはアレルギー用の点眼薬がおすすめ
次に、「花粉症を原因とする目の痒みを緩和するために効果的な対処法はなんですか」という質問に対し、以下の選択肢から選び、コメントを頂きました。
- アレルギー用の点眼薬を差す
- 抗ヒスタミン薬を服用する
- 人工涙液で洗う
- 目を冷やす
- その他
以下が結果となります。
- 60代男性 勤務医 アレルギー用点眼薬を差す
治療が遅くなる患者さんに症状悪化することあり、既往歴のある患者さんには最初から点眼薬併用しています。 - 50代男性 開業医 アレルギー用点眼薬を差す
アレルギー用点眼薬をつかうのが、一番有効だと思います。 - 50代男性 勤務医 アレルギー用点眼薬を差す
花粉暴露を避けるのが一番です。アレルギー性用点眼薬も効果ある印象です。 - 50代男性 勤務医 アレルギー用点眼薬を差す
基本薬しかありません。あとは気休めです。しないよりした方がいいぐらいの感じです。 - 60代男性 勤務医 アレルギー用点眼薬を差す
洗い流すことは一定の効果は期待できますが、花粉が眼に入ってから数十分以内に洗い流さないとアレルギー反応が起こってしまいます。ゴーグル型の眼鏡は効果がありますが、外す時に毛髪などに着いた花粉が入らないように。 - 60代男性 勤務医 アレルギー用点眼薬を差す
花粉症の患者さんが行う目のケアとしては、目薬が適していると思います。 - 50代男性 勤務医 抗ヒスタミン薬を服用する
飲み薬のほうが、効果があると思います。 - 50代男性 開業医 抗ヒスタミン薬を服用する
まずは抗ヒスタミン薬を使うといいでしょう。 - 50代男性 勤務医 抗ヒスタミン薬を服用する
抗ヒスタミンが一番効率がいいと思います。 - 40代男性 勤務医 人工涙液で洗う
水道水でも効果はあると思います。頻度多くできる分有利ではないでしょうか。
目のかゆみを緩和するために最も効果的な対処法として61%の医師が「アレルギー用点眼薬を差す」と回答しました。
半数以上が推奨する点眼薬ですが、花粉症で用いられる点眼薬には抗アレルギー薬、ステロイド薬の大きく2種類があります。
それぞれどのように使い分けをするべきなのでしょうか。
基本は抗アレルギー薬
抗アレルギー薬は、最も一般的な目の症状への薬になります。
副作用が少なく、花粉のシーズンが始まるまえから使い始めることが推奨されている薬です。
医師から処方される薬としては、パタノール点眼液やアレジオン点眼液がこれにあたります。
重症な方にはステロイド薬
ステロイド薬は、重症な方に使用する薬であるようです。
医師によるチェックを受けながら、使用方法をきちんとまもれば副作用の心配も少なく、安全に使うことができます。また、その効果は強く、症状を早くおさえたい、我慢できない場合は合っているようです。
しかし、長期間の使用は眼圧の上昇などの副作用のリスクがあるため、長期間の使用は避け、医師に相談のもと使用することが必要です。
参考:アレルギー性結膜炎に用いられる点眼薬
花粉症の目のかゆみや充血にはアレルギー用点眼薬
今回の調査では、花粉症による目の症状では「目のかゆみ」が最も多い結果となりました。その後には「目の充血や涙」「まぶたの腫れ」が続きましたが、それらの症状はかゆみにより目をかいてしまい引き起こされたケースもあるようです。
痒くても目をかかないようして、充血や腫れを招かないようにしたいですね。
また、目のかゆみの対処法としては「アレルギー用点眼薬を差す」が半数以上の支持を集めました。
薬にも種類があるため、かかりつけ医と相談をして早めに対処し、原因となる花粉に接しないようにしてこの季節を乗り越えましょう。