風邪でもないのに咳が出る…。なぜだろう?もしかして、花粉のせい?
もしそうならどうすれば良くなるの?と疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
咳が続くと体力を消耗したり、周囲に気を遣ったり、何かと困る症状ですよね。
そこで今回は、花粉症によって咳が起こるメカニズムと原因、対処法について、一般内科医/耳鼻咽喉科医/アレルギー科医532名に聞いてみました!
※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年3月10日〜3月13日にかけて行われ、一般内科医/耳鼻咽喉科医/アレルギー科医532名から回答を頂きました。
75%以上の医師が「花粉症が原因で咳をすることはある」と回答
花粉症は「鼻づまり・鼻水」などの鼻の症状や「目の痒み」などの目の症状の印象が強いですが、花粉症が原因で咳をすることはあるのでしょうか?
結果をみていきましょう。
- 50代男性 一般内科 たまにある
鼻づまりなどがあれば、のどの粘膜を傷めて咳も出る方はいます。 - 50代男性 一般内科 たまにある
喉の粘膜のアレルギー反応であったり、鼻汁が喉の奥に流れ込んで咳が出ることはあるかと思います。 - 60代男性 一般内科 たまにある
鼻腔または咽頭への刺激により咳を生じることがあると思われます。 - 50代男性 一般内科 たまにある
患者さんの訴えにもよりますが、クシャミのみならず咳を訴える患者は一定割合存在します。 - 60代男性 一般内科 たまにある
こじらせると後鼻漏から咽頭炎になり、あたかも風邪症状でくる患者さんもいます。 - 60代男性 一般内科 大いにある
花粉を吸いこめば気管支を刺激して咳をもたらします。あるいは喘息を持っている人は喘息発作を起こします。 - 50代男性 一般内科 大いにある
主要な症状の一つだと考えています。喘息と鼻炎は同じ疾患と考えています。 - 50代男性 一般内科 大いにある
最終的に一番コントロールが難しいのが咳です。自分が花粉症持ちなので咳には毎年悩んでいます。 - 50代男性 一般内科 あまりない
くしゃみはありますが、咳はあまり経験がありません。 - 60代男性 一般内科 ほとんどない
花粉症の症状と重なることはあっても、常に同時に起こるという訴えを聞いたことはありません。
集計の結果では、花粉症が原因で咳をすることがあるかという質問に対し、「たまにある」とした回答が半数以上、「大いにある」と回答した医師を合わせると75%を超える結果となりました。
「たまにある」「大いにある」と回答した医師のコメントでは、花粉症による鼻づまりから、のどの粘膜を傷めるといったケースや、鼻汁が喉に流れ込むことによって咳が出るというように、「花粉症による鼻の症状が原因」となり咳の症状が出るといった意見が見られました。
なかには、喉そのものへの花粉の影響や、花粉が気管支を刺激して咳が出るとして挙げている医師もいらっしゃいました。
一方、花粉症と咳に関連性がないと答えた医師の中には、「くしゃみはあっても咳はない」という意見もあり、医師の中でも意見が分かれるようです。
以上の調査結果をまとめると、人によっては花粉症と関連して咳が起こると認識しておいて、良さそうです。
さて、花粉症で咳が出ることもある、ということはわかりましたが、では咳の症状を緩和するための対処法はどのようなものがあるのでしょうか?
花粉症による咳の症状を緩和させるには?
医師のコメントで、一番コントロールが難しいのが咳というご意見もあったようにまた厄介な症状ですよね。
咳の症状は、どのように緩和させるのが効果的なのでしょうか?
「花粉症による咳の症状を緩和するのに効果的な方法はなんですか」という問いに対して、以下の選択肢から選んでもらい、コメントを頂きました。
- 抗ヒスタミン薬を服用する
- できるだけ花粉に触れないようにする
- うがいをする
- 鎮咳薬を服用する
- 吸入薬を服用する
- 室内を加湿する
- ノドスプレーを使う
- その他
以下が結果となります。
- 60代男性 一般内科
咽喉頭の浮腫も関与していれば、抗ヒスタミン薬が効果的でしょう。以前勤めていた病院の上級医が、風邪ひきに何も出さずに帰したその夜、ひどい咳で来院。鼻詰まりもひどく、抗ヒスタミン薬入りの点滴をしたら、点滴が終わらないうちに劇的に改善して感謝されていました。 - 60代男性 一般内科
咳が軽ければ抗ヒスタミン薬と鎮咳薬で収まることがありますが、効果がなかったり咳が強ければ、まして2~3週以上続いたら、咳喘息として治療すべきです。 - 50代男性 一般内科
花粉バクを避けるのが一番ですが、シーズン直前から抗ヒスタミン薬を飲み始めると症状が軽くて済むようです。 - 70代男性 一般内科
アレルゲンから遠ざかるのが一番で、だめなら抗ヒスタミン薬、それでもだめなら鎮咳剤を服用するといいでしょう。 - 60代男性 一般内科
花粉症による咳の症状を緩和するのに効果的な方法は、できるだけ花粉に触れないように防備することです。 - 60代男性 一般内科
風邪を引いた花粉症患者さんは、うがいが第一で、加湿やのど飴が、通常同様に有効です。 - 60代男性 一般内科
咳が中心の時には、抗ヒスタミン剤に加えて鎮咳剤を処方します。 - 50代男性 一般内科
やはり咳の症状が続く場合、吸入療法が主になると思います。咳に関して他の治療法では効果が不十分です。 - 50代男性 一般内科
抗ヒスタミンで改善することもありますし、吸入ステロイドが必要になることもあります。 - 30代男性 一般内科
一概に言えるものではないのですが、保湿と安静は重要だと思います。
集計の結果、花粉症による咳の症状の緩和に効果的な方法として、「抗ヒスタミン薬を服用する」とした回答が最も多く、次に「できるだけ花粉に触れないように防備する」が続き、他はほぼ同数の結果となりました。
医師のコメントを見ると、効果的な症状緩和の方法としては、できるだけ花粉を避け、抗ヒスタミン薬を服用する、それでも改善されなければ鎮咳剤、または吸入ステロイドを行うことが共通して効果的であるといえそうです。
しかし、それらを行っても2、3週間以上効果がなく、咳が強い場合は咳喘息として治療すべきとの意見もありました。
まずは花粉症の症状として対処しながらも、あまりにひどい場合は咳に主眼を置いた対処に変更するのが良さそうですね。
なかには、シーズン直前から抗ヒスタミン薬を飲むと症状が軽くなるとの意見もあり、早めの対処が症状を緩和するのに有効とも言えそうです。
咳の症状の緩和には、花粉に触れないことと抗ヒスタミン薬の服用
本調査の結果、7割以上の医師が、「花粉症により咳が起こることはありえる」と回答をした結果となりました。
咳だからといって一概に「風邪」というわけではないようですね。
花粉症による咳への対処法としては「抗ヒスタミン薬を服用する」「できるだけ花粉に触れないよう防備する」といった「花粉症そのもの」の緩和方法が挙げられました。
それでも中々咳が良くならない場合は、咳に主眼を置いた処方も視野に入れるべき、という回答も見られました。
まずは咳の原因となっている花粉症を治療し、それでも続くようであれば、咳の症状への治療に進む、という流れのようです。
鼻、目の症状、加えて咳と様々な症状が花粉症により引き起こされるため、花粉症そのものへの対策をしっかり行ってこの季節を乗り越えましょう。