目の前がフワフワ、クラクラするめまい。
もしかしたら自律神経失調症が原因かもしれません。
果たして自律神経失調症によってめまいが起きることはあるのでしょうか。
そこで今回は、「自律神経失調症とめまいの関係、原因と予防法」について、耳鼻咽喉科、脳神経外科、一般内科、神経内科医548名に聞いてみました!
※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年3月17日〜3月20日にかけて行われ、耳鼻咽喉科、脳神経外科、一般内科、神経内科医548名から回答を頂きました。
自律神経失調症とは?
そもそも自律神経失調症とは何なのでしょうか。日本臨床内科医会の資料には次のように説明されています。
自律神経失調症は、文字どおり自律神経が失調した(バランスが崩れた)状態です。
自律神経は、その時々のからだの状況に応じて、意思とは無関係に自動的に働き、体内をつねにベストの状態に保ち続ける神経です。
引用:自律神経失調症 - 日本臨床内科医会
まとめると、自律神経失調症は、体内を良い状態に保つ神経である自律神経のバランスが崩れてしまった状態のようですね。
では、自律神経失調症によってめまいが起きることはあるのでしょうか?
まずは医師に自律神経失調症が原因でめまいが起きることはあるのか聞いてみました。
75%以上の医師が「自律神経失調症によりめまいが起きることはある」と回答
- 40代男性 アレルギー科 一般内科 小児科 ときどきある
内耳と視覚と筋肉からなる、身体のバランスを保つ機能(平衡機能)の異常により起こります。耳の病気や脳の病気が原因と考えられます。 例えば、代表的なものにメニエール病があります。 - 50代女性 一般内科 代謝・内分泌科 ときどきある
睡眠不足やストレスフルな時にめまいが起きることはあります。 - 50代女性 脳神経外科 大いにある
私自身、自律神経失調症です。しょっちゅうめまいがあります。食後にもめまいします。 - 50代男性 一般内科 ほとんどない
自律神経失調症と自覚するひとのほとんどは神経症です。 - 50代男性 脳神経外科 あまりない
自律神経で立ちくらみはあっても、めまいは生じないと思います。
自律神経失調症によりめまいが起きることはあるかという質問に対し、「ときどきある」とした回答が半数、「大いにある」と回答した医師を合わせると75%を超える結果となりました。
医師のコメントでは、身体のバランスを保つ機能である平衡機能の異常により起こるといったケースや、睡眠不足や過度なストレスフルな時にめまいが起きることはあるといった場合が挙げられました。
一方で、自律神経失調症とめまいに関連性がないと答えた医師の中には、「立ちくらみはあってもめまいはない」という意見もあり、目の前が暗くなりクラッとすることはあってもめまいではないとする考えがうかがえます。
しかし半数以上の医師があると回答していることから、睡眠不足や過度なストレスによって自律神経が乱れ、めまいが起きることはありえるようです。
自律神経失調症を発症する最も大きな原因とは?
では、自律神経失調症を発症する最も大きな原因とはいったい何なのでしょうか。
以下の選択肢から選び、コメントをいただきました。
- 過度なストレス
- ストレスに弱い体質や性格
- 生活リズムの乱れ
- 女性ホルモンの影響
- 環境の変化
- その他
以下が結果となります。
- 40代男性 一般内科 過度なストレス
近所や会社での人間関係がストレスに繋がり幻暈(めまい)を起こしていると思います。 - 60代男性 一般内科 ストレスに弱い体質や性格
ストレスに弱い体質や性格は、生活リズムの乱れ、過度なストレス、 環境の変化等の影響を受けやすい根源と考えています。 - 60代女性 一般内科 生活リズムの乱れ
規則正しい生活をしないと自律神経が過剰反応を起こして失調症状が出ます。 - 50代男性 一般内科 消化器内科 女性ホルモンの影響
閉経だけでなく、生理自体が自律神経に影響し症状が出ている症例が少なくありません。 - 50代男性 一般内科 その他
自律神経失調症の診断も難しいので原因まではわかりません。 - 70代男性 一般内科 循環器内科 環境の変化
家族の中の問題や社会との関わりの変化が要因になるようです。
自律神経失調症を発症する最も大きな原因とは何なのかという質問に対し、60%以上の医師が「過度なストレス」や「ストレスに弱い体質や性格」と、ストレスに関する回答をしました。
医師の中には、近所や職場での人間関係がストレスに繋がりめまいを起こしていることや、ストレスに弱い体質や性格は、生活リズムの乱れや過度なストレス、 環境の変化等の影響を受けやすいとしているコメントも見られました。
また、規則正しい生活をしないと自律神経が過剰反応を起こして失調症状が出るという回答もあり、人間関係や生活リズムの乱れなど、何らかのストレスによって自律神経失調症になりえると捉えてよさそうです。
では、自律神経失調症になるのを予防する方法はあるのでしょうか。
自律神経失調症を予防する方法は?
「自律神経失調症を予防するためにできることは何ですか」という質問に対し、以下の選択肢から選び、コメントをいただきました。
- 自分なりのリラックス法を見つける
- 生活習慣を整える
- 適度に運動する
- カルシウムを摂取する
- その他
以下が結果となります。
- 70代男性 一般内科 神経内科
必ず良くなることを伝え、生活習慣を見直し、リラックスし、適度な運動を勧めます。 - 50代男性 一般内科
自分なりのリラックス法を見つける、生活習慣を整える、適度に運動する。
以上でストレスに負けないように備えることです。 - 40代男性 一般内科
例えば散歩に行くとか自分で料理を作るとか、リラックスできる趣味を見つけることが重要です。 - 40代女性 一般内科
どういうときに自律神経失調症が発症するか、考えてもらい、行動や考えのくせをなど気づいてもらうようにします。
自律神経失調症を予防するセルフケア方法として、「自分なりのリラックス方法を見つける」と回答した医師が最も多く、次に「生活習慣を整える」、「適度に運動する」が続く結果となりました。
医師のコメントを見ると、ストレスを溜めないよう自分なりのリラックス法を見つけて実践し、生活習慣を整え、適度に運動することが共通して効果的であると言えそうです。
いずれにしても、自律神経失調症の原因となるものを改善し、ストレスを抱え込まないようにすることが予防として有効ではないでしょうか。
最後に、予防しても自律神経失調症になってしまった、もしくは、既に自律神経失調症でめまいの症状が出たりしている、そんな方はどのような対処法をとればよいのでしょうか?
自律神経失調症によるめまいの症状を緩和させる方法は?
「自律神経失調症によるめまい症状を緩和するためにできるセルフケアの方法は何ですか」という質問に対し、以下の選択肢から選び、コメントをいただきました。
- ストレスを抱え込まない
- きちんと休息をとる
- 無理をしない
- 抗めまい薬を服用する
- 病院を受診する
- ゆったりと湯船につかる
- その他
以下が結果となります。
- 70代男性 一般内科 神経内科
まず日常の活動を見直し、ストレスの有無・強さの意識づけをして貰います。無理をしないで休養を十分に取ってもらい、補助として抗めまい薬を処方します。 - 60代女性 一般内科
規則正しい生活をするために、まずめまいをコントロールする必要があるので、生活指導と共に抗めまい薬を投与します。 - 60代男性 一般内科 一般外科
湯船や運動も本人の活動と休息のメリハリを意識しながらの利用が必要と思います。 - 50代男性 一般内科
安静、休息、必要に応じて内服治療で、自立神経失調症によるめまいに対応します。 - 40代男性 一般内科 神経内科
特にストレス解消ときちんと休息する事が重要だと考えます。
セルフケアの方法について、最も多く支持を集めたのが「ストレスを抱え込まない」でした。しかし「きちんと休息を取る」「無理をしない」という回答も大きな開きはなく続く結果となりました。
医師からは「特にストレス解消ときちんと休息する事が重要だと考えます」といったコメントも頂き、ストレス解消を心がけ、しっかり心身ともに休ませるとよいと言えますね。
その上で、補助として抗めまい薬を処方するようです。
まずは、症状の根本である自律神経失調症の原因、ストレスや生活習慣の乱れを改善していくことが大切なんですね。
自律神経失調症によるめまいには、ストレスを抱え込まない、無理をしない
本調査の結果、自律神経失調症によりめまいが起こることはありえる、という結果となりました。
その原因としては、過度なストレスや、ストレスを受けやすい体質・性格、生活習慣の乱れがあるようです。
その自律神経失調症を予防する方法としては、やはり原因であるストレスを解消することが大切なようでした。
たくさん寝る、カラオケでストレスを発散する、運動をするなど「自分はこれをすればストレス解消になる!」といった方法を見つけることが大事ですね。
もし既に自律神経失調症のよるめまいの症状がある場合には「ストレスを抱え込まない」「きちんと休息を取る」「無理をしない」といった「自律神経失調症そのもの」の緩和方法がすすめられていました。
それでも中々めまいが良くならない場合は、補助として抗めまい薬を服用すると効果的かもしれません。症状がよくならない場合は、医師に相談するようにしましょう。