そのめまい、もしかしたら貧血が原因かも。
急に襲ってくる厄介なめまいの症状ですが、何が原因か分かれば対処ができるのではないでしょうか。
貧血は、動悸や息切れなどの様々な症状が現れます。
めまいも貧血の症状のひとつなのかもしれません。
そこで今回は、「貧血を原因とする症状とその対処法」について、耳鼻咽喉科、脳神経外科、一般内科、神経内科医、計553人に聞いてみました。
※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、耳鼻咽喉科、脳神経外科、一般内科、神経内科、計553名の方々から回答を頂いています。
貧血が起こる理由は酸素不足にある
「貧血を原因とする症状の中で、最も多いものは何ですか」という質問に対し、以下の選択肢から選び、コメントをいただきました。
- 立ち眩み
- 倦怠感
- 息切れ
- めまい
- 動悸
- 手足の冷え
- 頭痛
- 耳鳴り
- その他
以下が結果となります。
- 60代男性 一般内科 立ち眩み
貧血は体内循環量の減少を意味し、酸素や栄養の供給不足を引き起こし、老廃物の除去の妨げになります。 - 40代男性 神経内科 立ち眩み
失神、立ちくらみをきっかけに貧血を疑うことがあります。 - 50代男性 アレルギー科 立ち眩み
酸素が不足しているために起こるため、同じような印象は持たないですが、活動の初めに症状が出ることが目立つ印象があります。 - 60代男性 一般内科 倦怠感
症状としてはすべてが当てはまりますが、特に倦怠感です。ただし緩徐に起こる貧血では症状がはっきりしない例が多いと思われます。 - 60代男性 一般内科 倦怠感
若年では氷食症であり成人では倦怠感だと思います。 - 50代男性 一般内科 息切れ
高齢者の慢性貧血はHb6でも自覚なさらない方がいて普段の臨床でも注意しています。 - 50代男性 一般内科 息切れ
酸素不足が原因で息切れが起こりやすいです。 - 40代男性 一般内科 めまい
めまいを訴える患者さんが多いです。 - 60代女性 一般内科 その他
徐々に進行した貧血の場合、無症状です。Hbがびっくりする程、低値でも無症状です。 - 60代男性 一般内科 その他
貧血を指摘される人はほとんど無症状で気づいていないです。健診等で指摘されることが多いです。自覚症状が出るほどのひどい貧血はまれです。 - 30代女性 一般内科 その他
氷を好む人が多いと思います。
集計の結果、貧血を原因とする症状に関して最も多かった回答は立ち眩みで、次いで倦怠感、息切れ、めまいという結果となりました。
立ち眩みや息切れなど、いずれの回答においても、酸素不足を指摘する声が多く、酸素不足が立ち眩みや息切れを引き起こし、結果として貧血につながりかねないという意見が目立ちました。
さらに、その他の回答に無症状と答えた方も多く、自覚症状がないまま貧血を患うというケースもあるようです。
症状がなく自分でも気づかないうちに貧血になってしまっている場合がある、というのは驚きですね。
健診などで「貧血ですね」といわれて驚いた方もいるのではないでしょうか。
さて、もし貧血でめまいを起こしてしまったとき、改善するためにできることは何でしょうか。
次は、貧血によるめまいの症状の改善方法について医師に聞いてみました!
鉄、ビタミン、葉酸を含む食事を摂ることが効果的
「貧血を原因とするめまい症状を改善するためには、どのような対処法が効果的ですか」という質問に対し、以下の選択肢から選んでもらい、コメントをいただきました。
- 鉄、ビタミン、葉酸を含む食事を摂る
- ストレスを溜めない
- 睡眠時間をたくさんとる
- ゆっくり動き、激しい運動を控える
- その他
以下が結果となります。
- 70代男性 一般内科
食事の質の改善と体の休息が大事です。今までよりもさらにカロリーの高い食事をすることをおすすめします。 - 60代男性 一般内科
貧血によるめまいの多くは鉄欠乏性貧血ですが、単に鉄の欠乏のみではなく、生活習慣全般に問題があることが多いです。 - 50代男性 脳神経外科
難しいですが、ストレスを溜めないことは大事です。 - 40代男性 一般内科
ストレスのかかっている若い女性社員さんが貧血・めまいをおっしゃるように思います。 - 50代男性 一般内科
寝るのが一番効果的です。 - 50代男性 脳神経外科
睡眠をきちんととるなど、規則正しい生活が一番だと思います。 - 40代男性 一般内科
ゆっくり動き、激しい運動を控えることが大切です。 - 50代男性 一般内科
ふらふらするというのはあるかもしれませんが、貧血ではめまいは出ません。貧血を治療しましょう。 - 50代男性 一般内科
貧血の原因を検査することが重要です。
貧血を原因とするめまい症状を改善するための、最も効果的な対処法として挙げられたのが、ビタミンや鉄分を含んだ食事の摂取でした。
生活の基盤を支えている食事の栄養バランスが保たれていないと、貧血を起こしやすく、結果として鉄欠乏性貧血が発生する恐れがあるようです。
また、日々の生活の中でなるべくストレスをためないこと、できるだけ多く睡眠をとることも重要なようです。
医師のコメントには、生活習慣の改善を試みるよりも、まずは医師のもとで貧血の検査や治療を行うべきだと意見もいくつかありました。
めまいの原因になっている貧血そのものをまずは改善すべき、ということですね。
生活習慣の乱れが貧血や貧血によるめまいの症状を引き起こす
今回の調査では、貧血を原因とする症状は立ち眩みである、と回答した医師が34%で、次いで倦怠感、息切れ、めまいという結果になりました。
また、貧血を原因とするめまい症状の対処法には、ビタミンや鉄分を含んだ食事の摂取や、ストレスをためない、睡眠をたくさんとるなどが挙げられました。
医師のコメントをまとめると、慢性的なストレスや睡眠不足、栄養の偏った食事など生活習慣に乱れがあると、貧血を引き起こしかねない状況になってしまうようです。
貧血によるめまいに悩まされている方は、まずは根本の原因である貧血を改善するために、偏りなく栄養バランスが保たれた食事や、適切な時間の睡眠、また、なるべくストレスのかからない生活を心がけ、症状を緩和していきましょう。
もし改善されない場合は、貧血の検査や治療が必要になってくることから、病院を受診して医師に相談しましょう。