めまいだけでなくふらつきが同時に現れた……。
そんな経験をされた方もいるのではないでしょうか。
ですが、めまいやふらつきだけで病院へ行くべきか迷ってしまいますよね。
また、受診するにしてもどの診療科に行けばいいのかわからない方もいらっしゃるかと思います。
そこで今回は、ふらつきを伴うめまいは病院に行くべきか、また何科を受診すればいいのかなどを耳鼻咽喉科、脳神経外科、一般内科、神経内科医548名に聞いてみました。
※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年3月26日〜3月29日にかけて行われ、耳鼻咽喉科、脳神経外科、一般内科、神経内科医548名から回答を頂きました。
まずは、ふらつきを伴うめまいの場合に病院を受診すべきか聞いてみました。
94%の医師が受診すべきと回答
ふらつきを伴うめまいの症状が出た場合、病院を受診すべきか医師に聞いてみました。以下が結果となります。
- 50代男性 一般内科 症状が続くようであれば受診すべき
一時的なことが多い。焦ることはないです。 - 40代男性 一般内科 消化器内科 症状が続くようであれば受診すべき
程度にもよりますが、一般状態が悪ければすぐの方がいいのではないでしょうか。 - 40代男性 一般内科 症状が続くようであれば受診すべき
とりあえず、水分とって休む。それでも続くなら。 - 50代男性 一般内科 症状が続くようであれば受診すべき
持続性のふらつきは注意した方が良いです。 - 60代男性 脳神経外科 症状が続くようであれば受診すべき
めまい時のふらつきもよく合併する症状なので症状が続くようなら受診することをすすめます。 - 50代男性 一般内科 消化器内科 症状が続くようであれば受診すべき
麻痺が伴うようならすぐに受診をした方がいいです。 - 50代男性 一般内科 循環器内科 すぐ受診すべき
脳疾患もありえるからです。 - 40代男性 神経内科 すぐ受診すべき
危険なものも含まれているので早急な対応が必要かと思います。 - 30代男性 一般内科 神経内科 すぐ受診すべき
「ふらつき」は多様な症状を指す言葉ですが、麻痺や失調を指す場合があり、すぐに受診すべきです。
65%の医師が「症状が続くようであれば受診すべき」と回答し、その後を「すぐ受診すべき」が29%と続きました。2つを合わせると、実に94%もの医師が受診すべきと考えていることがわかります。
めまいはふらつきも伴うことが多く、一時的なことが多いと医師からはコメントを頂いていますが、持続するようであれば注意が必要のようです。
また、医師からは「脳疾患もありえるからです」といった意見も頂きました。めまいやふらつきだけでなく、麻痺などの症状が現れている場合などはすぐに受診すべきとの考えも多く見られます。
それでは「ふらつきを伴うめまい」ですが、どのような病の可能性が潜んでいるのでしょうか。
半数以上が「良性頭位発作性めまい」と回答
「ふらつきを伴うめまいの原因として多いものは何ですか」という質問に対し以下の選択肢から選び、コメントをいただきました。
- 良性頭位発作性めまい
- メニエール病
- 心因性
- 貧血
- 脳血管障害
- パーキンソン病
- 神経変異性疾患
- 電解質異常
- 薬の副作用
以下が結果となります。
- 50代男性 一般内科 一般外科 良性頭位発作性めまい
良性頭位発作性めまいが多いと思います。 - 60代男性 一般内科 循環器内科 良性頭位発作性めまい
ふらつきを伴うめまいの原因は良性頭位発作性めまいが多いです。 - 60代男性 一般内科 良性頭位発作性めまい
持続時間にもよりますが、頻度的には良性頭位発作性めまいが多いと思います。 - 60代女性 アレルギー科 一般内科 良性頭位発作性めまい
幸いなことに圧倒的多くはBPPV(良性発作症頭位めまい)ですが、ごくまれにBPPVと誤診されて脳血管障害が見逃されることがある様です。 - 50代男性 一般内科 メニエール病
メニエールまたは良性頭位発作性めまいが多いと思います。 - 40代男性 一般内科 メニエール病
メニエール病が多いように思いますが、脳血管疾患もあります。 - 50代男性 一般内科 循環器内科 その他
脱水の他、貧血(いわゆる脳貧血ではなく本当の貧血)が多いです。 - 50代男性 一般内科 消化器内科 その他
立ったり顔を上げたりするときに起こる症状は、軽度脱水に伴う血圧低下のことが多いです。
「ふらつきを伴うめまいの原因として最も多いもの」という質問に対し、63%もの医師が良性発作症頭位めまいと回答しました。
けれどすべてのふらつきを伴うめまいが、良性発作症頭位めまいとは限りません。脳血管障害などの重大な病が隠れている可能性があります。
最後は、どの診療科が最適かを聞いてみました。
ふらつきを伴うめまいには、耳鼻咽喉科が良い
「ふらつきを伴うめまいの場合、どの診療科を受診すべきですか」という質問に対し、以下の選択肢から選び、コメントを頂きました。
- 耳鼻咽喉科
- 一般内科
- 神経内科
- 脳神経外科
- 救急科
- 心療内科
- 整形外科
- その他
以下が結果となります。
- 60代男性 アレルギー科 呼吸器内科 耳鼻咽喉科
軽症、ふらつきを訴えるめまいは耳鼻科領域が多いように思います。 - 50代男性 一般内科 耳鼻咽喉科
耳鼻科で異常がなければ、神経内科がいいと思います。 - 20代女性 耳鼻咽喉科 耳鼻咽喉科
脳出血や脳梗塞が疑われない場合は、耳鼻科でよいと思います。 - 50代男性 一般内科 耳鼻咽喉科
内耳性疾患の頻度が高いので、まず耳鼻咽喉科を受診させます。 - 60代男性 一般内科 循環器内科 一般内科
先ずは内科で鑑別し、必要があれば次の科に紹介してもらいます。 - 50代男性 耳鼻咽喉科 一般内科
まずは一般内科、その後に必要に応じて耳鼻科や脳外科も。
「ふらつきを伴うめまい、どの診療科が最適か」という質問に対し、40%の医師が耳鼻咽喉科と回答しました。
医師からは、内耳性疾患の頻度が高い、軽症、ふらつきを訴えるめまいは耳鼻科領域が多いなどの意見が見られました。
まずは耳鼻咽喉科で診察を受け、その後専門の科に紹介との流れが最適のようです。
また、一般内科と回答した医師から「まずは一般内科、その後に必要に応じて耳鼻科や脳外科も」とコメントを寄せられました。総合的に診ることができる一般内科で診察を受け、必要に応じて専門の科に紹介される流れは耳鼻咽喉科と変わらないようです。
ふらつきを伴うめまいの症状が続くなら耳鼻咽喉科・一般内科へ
今回の調査では、ふらつきを伴うめまいは命に関する病ではない「良性発作症頭位めまい」が最も多い疾患として挙げられました。しかし、脳梗塞などの重大な病が隠れている場合があるので、症状が長引いたり、麻痺などの別の症状が現れたりした場合は医師の診察を受けるといいでしょう。
また、耳鼻咽喉科や一般内科で「良性発作症頭位めまい」や脳疾患がなどの病でないかを判断してもらったのち、必要であればほかの専門の科へ紹介との流れが最適なようです。
たかがめまい、ふらつきと自己判断せず、医師の診察を受けましょう。