立ちくらみを伴うめまい…。その原因とはいったい何なのでしょうか。
いままで全く感じなかったその症状、たかがめまいや立ちくらみだからと放っておいていませんか?
ですが、立ちくらみを伴うめまいではどの診療科を受診すればよいのでしょうか。またどのくらいの症状の程度ならば受診をした方が良いのでしょうか。
そこで今回は、立ちくらみを伴うめまいの原因とその対処法、どの診療科を受診すべきかなど医師549名に聞いてみました。
※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年3月19日〜3月22日にかけて行われ、耳鼻咽喉科、脳神経外科、一般内科、神経内科医、計549名から回答を頂きました。
立ちくらみを伴うめまいの原因は?
立ちくらみとめまいが同時に起こる原因は何なのでしょうか。
「立ちくらみを伴うめまいの原因として多いものは?」という質問に対し、以下の選択肢の中から選んで頂き、コメントを頂きました。
- 起立性低血圧など血圧の変動
- 過労やストレス
- 貧血
- 脱水
- 加齢
- 薬剤の副作用
- その他
以下が結果となります。
- 60代男性 一般内科 神経内科
起立性低血圧が多いように思います。 - 50代男性 一般内科 消化器内科
一過性の脳貧血で、血圧の変動が大きいと思います。 - 60代男性 一般内科
一般的には起立性低血圧や貧血などの急激な血圧変動が誘因となります。 - 60代男性 一般内科
どれも当てはまりますが、若い世代では過労とストレス。女性であれば貧血も重要です。 - 60代女性 一般内科
循環血液量の減少や自律神経のバランスの乱れでしょう。貧血と混同している人が多いです。 - 40代男性 一般内科
高齢者が降圧薬・前立腺肥大症治療薬等を内服していて、脱水などの感染をかぶって、起立性低血圧が顕在化し、立ちくらみを伴うめまいが出現します。 - 60代男性 一般内科
原因は多岐にわたる印象です。
調査の結果、立ちくらみが伴うめまいの原因として多いものは?という質問に対し、最も多い回答は「起立性低血圧など血圧の変動」という結果になりました。
医師のコメントでも、「起立性低血圧や貧血などの急激な血圧変動が立ちくらみを伴うめまいを引き起こす原因となる」という意見が多くみられました。
続いて多く見られた回答が「過労やストレス」でした。「過労やストレスとともに、それに伴う自立神経のバランスの乱れも原因として考えられる」というコメントが寄せられました。
その他の貧血・脱水・加齢・薬剤の副作用が原因と回答する医師も一定数みられました。特に高齢になると、薬剤の副作用による脱水が原因で立ちくらみを伴うめまいを引き起こすこともあるようです。
このように原因は一つではなく複数の原因が考えられるようです。そのため、人それぞれの生活環境や年齢などによっても原因は変わってくると考えられます。
立ちくらみを伴うめまいは病院で受診した方が良いの?
立ちくらみを伴うめまいの症状がみられた場合、病院を受診した方がよいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで、立ちくらみを伴うめまいでは、病院を受診すべきかどうかについて回答を頂きました。
- 60代男性 一般内科 症状が続くようであれば受診すべき
症状の程度によりますが日常生活に支障があれば受診すべきです。 - 50代男性 耳鼻咽喉科 症状が続くようであれば受診すべき
今まで無かったのに突然出現したらすぐ受診するのが良いと思います。1回精査すれば後は繰り返すならすぐでなくても良いと思います。 - 50代男性 一般内科 すぐ受診すべき
何か基礎疾患が隠れている可能性があるので受診すべきです。 - 60代男性 脳神経外科 すぐ受診すべき
立ちくらみを合併していれば、他の要因を考えなければならないから、原因究明にすぐ受診すべきです。 - 50代男性 一般内科 受診しなくてもよい
血圧が関連している可能性がありますが、ある程度経過見てから判断してもよいと思います。
質問の結果、「症状が続くようであれば受診すべき」と68%の医師が回答し、最も多い回答となりました。続いて多かったのが、「すぐ受診すべき」との回答で28%。「どちらでもよい・受診しなくてよい」と回答した医師は合わせて全体の8%という結果になりました。
医師のコメントでも、「一過性のものもあるので、しばらくは様子をみて、症状が続けば受診すべき」とのコメントもありましたが、一方で「すぐ受診すべき」と回答した医師からは、「重大な疾患が潜んでいる恐れも考えられるため、早く受診した方が良い」といったコメントもみられました。
受診をおすすめするタイミングは一概には言えないようですが、原因を特定するという意味でも、気になった方は一度受診された方が良いと考えられます。
どの診療科を受診すればいいの?
では、いざ受診したいと思ったらどの診療科を選べばよいのでしょうか。
立ちくらみを伴うめまいの症状が現れた時に受診すべき診療科について次の選択肢から選び、コメントをを頂きました。
- 一般内科
- 耳鼻咽喉科
- 神経内科
- 脳神経外科
- 救急科
- 心療内科
- 整形外科
- その他
以下が結果となります。
- 30代男性 一般内科
随伴症状の有無によるとは思いますが、まずは一般内科かなと思います。 - 50代男性 耳鼻咽喉科
一般内科でも専門医レベルが良いと思います。 - 70代男性 一般内科 消化器内科
まずは内科受診が妥当だと考えます。頻度は少なくても致命的なものは否定しておきたいです。 - 60代男性 アレルギー科 一般内科
立ち眩みを伴うめまいで病院を受診する場合、耳鼻咽喉科 が最も適しています。 - 40代男性 一般内科
重症度にもよりますが、総合的に診療できる診療科(救急科もしくは総合診療医、一般内科)が診療にあたり振り分けるべきです。 - 50代男性 神経内科 総合診療
神経内科で鑑別して、必要に応じて循環器内科などに紹介。 - 40代男性 一般内科 腎臓内科
立ち眩みを伴うめまいで病院を受診する場合まず脳神経外科がよいです。
調査の結果、多くの割合で「一般内科」という意見があげられました。一般内科を選んだ医師からは「まずは一般内科でよい」というコメントが多く寄せられるとともに、一般内科でも専門性が高いところが良いというコメントもみられました。
2番目に多いのが「耳鼻咽喉科」でした。しかしながら、耳鼻咽喉科と回答した医師の中には、いきなり耳鼻咽喉科に行くのではなく、一般内科などで異常がないことを確認してからという意見も寄せられました。
立ちくらみを伴うめまいの症状が続く場合は受診を
今回は、立ちくらみに伴うめまいについて調査しました。
調査の結果、立ちくらみを伴うめまいの原因としては、起立性低血圧など血圧の変動と考える医師が多いという結果になりましたが、過労やストレス、貧血などその原因は多岐にわたり、人それぞれであることも分かりました。
また、受診すべきか否かについては、症状が続く場合は受診すべき、という回答が7割程を占めました。その場合にいくべき診療科としては、一般内科、耳鼻咽喉科、神経内科あたりが良いようです。
症状が続く場合は、きちんと受診することで病の早期発見に繋がります。「いつものことだから…」と長期間放置することはせず、気になった段階で一度受診してみてはいかがでしょうか。