吐き気や下痢を伴う病気とは?その予防法は?523名の医師に聞いてみました

下痢と吐き気
本調査では、吐き気や嘔吐を伴う下痢の症状が出る疾患で多いものはノロウイルスやロタウイルスを含めたウイルス性腸炎との結果が出ました。その中でも「ノロウイルスによる腸炎」が最も多いことが明らかになりました。吐き気や嘔吐を伴う下痢の症状が出た場合、病院を受診すべきかとの質問に対しては、症状が続くようであれば受診すべきとの回答が最多となったものの、全体では病院を受診すべきとした意見が9割を占めました。また予防法について調べたところ、丁寧に手を洗うこと、吐物や便は注意して取り扱うこと、食品はしっかりと加熱処理することが良いようでした。
下痢
イシコメ運営事務局

お腹を壊すことで引き起こすことが多い「下痢」。
一度ひどい下痢になると、なかなかトイレから出られない方も多いのではないでしょうか。さらにお腹を下している中、追い打ちをかけるように吐き気まで催すこともあるようです。
下痢の症状だけでも大変なのに、下痢と吐き気の2つが同時に起こると何か大きな病気なのではないかと心配になったりしますよね。
そこで今回は、「吐き気や嘔吐を伴う下痢の症状が出る疾患」について一般内科医、消化器内科医の計523名に聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年4月1日〜4月4日にかけて行われ、一般内科医、消化器内科医の計523名から回答を頂きました。

吐き気や嘔吐を伴う病気はウイルス性の腸炎が多数

吐き気や嘔吐を伴う下痢では、どのような疾患が挙げられるのでしょうか。

図1

  • 50代男性 一般内科 消化器内科 ノロウイルスによる腸炎
    冬期のノロウイルスによる感染性胃腸炎が多いと思います。
  • 50代男性 アレルギー科 一般内科 ノロウイルスによる腸炎
    相反する症状が同時に出現するものは、少ないです。圧倒的にノロウイルスの急性胃腸炎が多いです。
  • 50代男性 アレルギー科 一般内科 ノロウイルスによる腸炎
    下痢と吐き気の同時発症であると、特に冬場であるとノロウイルスが多かった印象が強いです。
  • 50代男性 一般内科 ウイルス性腸炎(ノロ、ロタ、アデノ以外)
    実際にはウイルスの種類は同定が難しく、またあまり意味がないと思います。
  • 50代男性 一般内科 消化器内科 ウイルス性腸炎(ノロ、ロタ、アデノ以外)
    ウイルス性腸炎における原因ウイルスを全例特定するのは困難です。
  • 60代男性 一般内科 一般外科 細菌性腸炎
    便の検査はしていませんが、ウイルスかと思って血液検査をすると細菌感染のパターンが多いように思います。
  • 40代男性 一般内科 消化器内科 その他
    特定できないものも結構あると思います。
  • 50代女性 一般内科 食中毒
    ブドウ球菌による食中毒が多そうです。
  • 40代男性 一般内科 腫瘍内科 ロタウイルスによる腸炎
    冬場であればノロウイルスかロタウイルスですね。
  • 40代女性 消化器内科 過敏性腸症候群
    外来のほとんどがこれです。

「吐き気や嘔吐を伴う下痢症状が出る疾患で多いもの」について質問したところ「ノロウイルスによる腸炎」が半数を占め、後に続いた「ウイルス性腸炎(ノロ、ロタ、アデノ以外)」は3割程を占める結果となりました。そしてごく少数ではありますが「ロタウイルスによる腸炎」も含めると、医師の8割がウイルス性の腸炎であるとの意見を示しました。

医師のコメントでは、冬場ではノロウイルスが原因の胃腸炎であるとした意見が多く挙げられました。

しかし、ウイルス性腸炎における原因ウイルスをすべて特定するのは困難、特定できないものも結構あるなどの意見も見受けられ、そもそもどのウイルスが原因で発症しているかを特定するのが難しい場合もあるようです。

それでは吐き気や嘔吐を伴う下痢の場合、病院を受診すべきなのでしょうか。医師に聞いてみました。

下痢と嘔吐を伴う症状が続くようであれば受診すべき

図2

  • 50代女性 一般内科 一般外科 症状が続くようであれば受診すべき
    ひどい時は動くのも厳しいでしょう。通常、ピークは1、2日なので若ければ様子を見てもいいでしょう。ただ、高齢者は脱水に要注意です。
  • 60代男性 一般内科 麻酔科 症状が続くようであれば受診すべき
    脱水に注意して経口的に水分が取れれば大丈夫なことが多いです。
  • 50代男性 一般内科 血液内科 症状が続くようであれば受診すべき
    ノロウイルスなど感染力が強い病態は、院内感染の原因になるので、自然治癒を期待して4〜5日は自宅安静を勧めます。
  • 40代男性 一般内科 循環器内科 症状が続くようであれば受診すべき
    市販の整腸剤では自然に治ることもありますが、治らなくて脱水をきたすようであれば来院することが望ましいです。
  • 50代男性 一般内科 症状が続くようであれば受診すべき
    ノロウイルスのこともあり、まず安静にして周囲にうつさないことでしょう。病院の受診は脱水がひどい場合でよいと思います。
  • 50代男性 一般内科 消化器内科 症状が続くようであれば受診すべき
    症状が続くようなら、脱水や電解質異常が心配なので受診がいいです。
  • 40代女性 一般内科 症状が続くようであれば受診すべき
    ウイルス感染の場合や小児や老人などのケースでは速やかな受診が必要かもしれません。
  • 60代男性 一般内科 すぐ受診すべき
    脱水、電解質異常を起こさないようにしたいです。
  • 50代男性 アレルギー科 一般内科 すぐ受診すべき
    周りの人との隔離や家族への対処の方法なども含めた指導のため、受診は急いで行う必要があると考えられます。
  • 40代男性 一般内科 神経内科 どちらでもよい
    自身の免疫力で回復するのを待つしかないので、症状が治まりさえすれば受診しなくてもいいかと思います。
  • 50代男性 一般内科 リウマチ科 受診しなくてよい
    治療法もそれほどないと思います。自宅でゆっくり休んでいた方が、他人にうつさないので良いと思います。

「吐き気や嘔吐を伴う下痢の場合、病院を受診すべきか」と質問した結果、「症状が続くようであれば受診すべき」とした回答が最も多く、医師の68%の支持を集めました。続いて「すぐ受診すべき」が23%と合わせて90%以上となり、吐き気や嘔吐を伴う下痢の症状が出た場合は病院を受診した方が良いようです。

一方で、医師のコメントからは、まず自宅で安静にして様子を見たのち、症状が続くならば受診した方が良いといった回答も目立ちました。特にウイルス感染の場合は治療法がそれほどなく、自身の免疫力が回復するのを待つしかないことも多いため、安静にすることを優先すべきのようです。

さらに、医師からは「ノロウイルスなど感染力が強い病態は、院内感染の原因になるので、自然治癒を期待して4〜5日は自宅安静を勧めます」といった意見が挙げられ、周囲への感染を防ぐためといったことも背景にあるようでした。

しかし、症状が続くようであれば受診すべきと回答した医師の中にも、高齢者や小児の場合はすぐに受診が必要かもしれないとの意見が見られ、特に注意する必要があるようです。

また、受診すべきであると回答した医師の中には脱水や電解質異常の懸念があるとの声もありました。症状が続き脱水をきたす場合があるため、気を付けなければなりませんね。

それでは、こうした嘔吐や下痢を予防できる方法はあるのでしょうか。

以下では最も回答が多かったノロウイルスやロタウイルス等を含めた、ウイルス性(感染性)腸炎に対する予防法について調べてみました。

嘔吐を伴う下痢の予防法は?

調べた結果、予防法としては

  1. 丁寧に手を洗うこと
  2. 吐物や便は直接触れないなど注意して取り扱うこと
  3. 食品はしっかりと加熱処理をすること

この3つが良いようでした。

ウイルス性(感染性)腸炎は食品を摂取することによる経口感染と、感染した方の便や吐しゃ物からの接触感染があるため、上記に気を付けることで予防できるようです。
参考:山口県感染症情報センター

吐き気を伴う下痢の症状が続くようなら安静にして受診を

今回は、「吐き気や嘔吐を伴う下痢の症状が出る疾患」について調査しました。

本調査によれば、吐き気や嘔吐を伴う下痢の症状が出る疾患で多いものはノロウイルスやロタウイルスを含めたウイルス性腸炎のようです。その中でも「ノロウイルスによる腸炎」が最多となりました。
また、吐き気や嘔吐を伴う下痢の症状が出た場合はまず自宅で安静にして様子を見たのち、症状が続くならば受診した方が良いようです。しかし、小児や高齢者の場合は脱水症状が出る可能性があるため、はやめに受診すべきようでした。
こうした感染性の下痢の予防法は、丁寧に手を洗うこと、吐物や便は注意して取り扱うこと、食品はしっかりと加熱処理をすることの3つが有効だそうです。
トイレの際や帰宅した際、食べ物を扱う際はきちんと手洗い・うがいを行い、清潔を心がけましょう。

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