つらい下痢の症状に悩まれている方はいませんか。
一日に何度もトイレに行かなくてはならなかったり、腹痛を伴ったりする下痢の症状。
そんなつらい下痢の症状ですが、病院を受診すべきか悩まれる方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、すぐさま病院を受診すべき下痢の症状と適切な診療科について、医師549名に聞いてみました。
※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年3月30日〜4月2日にかけて行われ、一般内科、消化器内科医、計549名から回答を頂きました。
それではまず、すぐさま病院を受診すべき下痢の状態について医師に聞いてみました。
血が混じった下痢には要注意
「すぐさま病院を受診すべきなのはどんな下痢?」という質問に対し、次の選択肢から選んでもらい、コメントを頂きました。
- 血が混じっている下痢
- 2週間以上続く下痢
- 灰白色の下痢
- 発熱を伴う下痢
- 嘔吐を伴う下痢
- その他
以下が結果となります。
- 60代男性 一般内科
脱水もありますから。実際は出血性の腸炎は自然と治ります。しかし、腹痛や発熱を伴うような虚血性腸炎などのこともあり、なるべく病院を受診したほうがいいです。 - 50代男性 消化器内科
下痢以外の症状があれば受診を勧めます。特に血液や発熱がある時。あとは、(適切なとりかたをしても)水分がまったく取れない時です。 - 40代女性 一般内科
血便は病的と見なします。また長期に続くのも、悪性や炎症性がうたがわれるものです。 - 50代男性 一般内科 消化器内科
取り敢えずは脱水が問題だろうと思います。ただ、危険な感染性のものもありますし、胃腸疾患と限りません。 - 60代男性 一般内科
長期に渡る場合には大腸がんを始めとする疾患が想定され、また、血便の場合には腸管出血性大腸炎をはじめとする抗生剤による治療を必要とする急性胃腸炎が多いからです。 - 50代女性 一般内科
発熱があれば感染症が疑われるので、広げないためにも受診が必要です。 - 50代男性 一般内科
o-157のような死に至るものもあり、どの段階で治療を始めたかで生死を分かつ場合もあるわけですから、早くかかるにこしたことはないと思います。 - 30代女性 一般内科
加療をしないと長期化するもの、悪化するものもあるので、あまり甘くみないほうがいいと思います。 - 50代女性 一般内科
熱を伴う下痢、血便の下痢は受診、精査治療を要します。
すぐさま病院を受診すべき下痢の症状として、最も多かった医師の回答は「血が混じっている下痢」で、次いで「2週間以上続く下痢」「灰白色の下痢」「発熱を伴う下痢」「嘔吐を伴う下痢」の順でした。
医師のコメントでは「下痢以外の症状があれば受診を勧めます」や「水分がまったく取れない時」といったものがありました。下痢に加えて付随した他の症状が現れたときや、水分が十分に取れず脱水症状になってしまう恐れがある時は、早めの病院の受診が勧められています。
これに加えて「長期に渡る場合には大腸がんを始めとする疾患が想定され、また血便の場合には腸管出血性大腸炎をはじめとする抗生剤による治療を必要とする急性胃腸炎が多い」という医師のコメントがあるように、下痢の症状が現れる原因として時に重大な疾病が潜んでいることもあるので、このような下痢の症状は、医師に相談したほうが良さそうです。
では上記のような下痢の症状が現れたとき、どの診療科を受診すべきなのでしょうか。適切な診療科について聞いてみました。
消化器内科がベスト、まずは一般内科もアリ
「下痢で病院を受診する場合、最適な診療科は?」という質問に対し、次の選択肢から選んでもらい、コメントを頂きました。
- 消化器内科
- 一般内科
- 一般外科
- 消化器外科
- 救急科
- 心療内科
- その他
以下がその結果となります。
- 40代男性 一般内科 消化器内科
一般内科、消化器内科どちらでも良いですが、総合病院を受診するなら、結果的に精査するのであれば消化器でよいと思います。 - 50代男性 一般内科 消化器内科
程度にもよりますが、精査が必要であるような場合は消化器内科。しかし、実臨床では一般内科を受診することが多いと思います。 - 50代男性 一般内科 消化器内科
器質的な疾患であれば、まずは消化器内科だと思います。 - 30代男性 一般内科 消化器内科
勤務医あえて受診をするなら消化器内科、診察の結果、外科扱いになることもあるので、消化器外科、の2つのうちどちらかです。 - 30代男性 一般内科 消化器内科
基本的にはどの診療科でも良いと思いますが、専門性を求めるなら消化器内科でしょうか。 - 50代女性 一般内科 消化器内科
一般内科に受診された患者さんは多かったですが、消化器内科が一番ふさわしいだと思います。 - 40代男性 一般内科 消化器内科 一般内科
まずは一般内科です。そこでプラスアルファの症状があるなら、また、改善しないなら消化器内科がいいと思います。 - 50代男性 一般内科 一般内科
まずは一般内科を受診。必要に応じて消化器内科を受診すべきだと思います。 - 50代男性 一般内科 一般内科
消化器内科が間違いないですが、頻度の多い症状なので、まずは一般内科でしょうか。 - 60代男性 一般内科 一般内科
下痢で多いのは感染性腸炎なので一般内科でよいです。その他の原因の下痢をそこでスクリーニングし専門外来に回します。
今回の調査では、医師の65%が「消化器内科」と回答。医師のコメントでは「精査が必要であるような場合は消化器内科」や「専門性を求めるなら消化器内科」といったものがありました。
下痢は消化器の問題ですので、消化器の専門家である消化器内科を受診するのがよさそうです。
一方、「まずは一般内科です」というコメントも散見されました。一般内科を受診後、必要に応じて消化器内科を受診することを推奨している場合もあるようです。
血が混じった下痢や、長く続く下痢は病院へ
本調査によれば、すぐさま病院に行くべき下痢の症状について、「血が混じっている下痢」や「2週間以上続く下痢」が挙げられました。
医師からは下痢の症状に加えて、嘔吐や出血など他の症状が併発した場合に医療機関を受診するべきであると意見が寄せられました。
また、下痢の症状が出た場合に受診すべき最適な診療科として挙げられたのは「消化器内科」や「一般内科」でした。
医師からは、専門性を求めるのであれば消化器内科を受診すべきですが、まずは一般内科を受診して、必要に応じて消化器内科の受診を勧める意見も頂いています。
下痢の症状くらいでは病院を受診しないと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、その症状の背景には重篤な病が隠れていることもあります。
おかしいと感じたら、できるだけ医療機関を受診するようにしましょう。