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アデノウイルス感染症はいつの時期に流行しやすいの?医師250人に聞いてみました

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今回の調査では、アデノウイルス感染症は夏に発症することが最も多いという結果となりました。夏はプール熱が流行することもあり、アデノウイルス感染症全体としても患者数が多くなるようでした。一方、最近は季節に関係なく発症するケースが増えていると指摘する医師も目立ちました。アデノウイルス感染症は色んな時期に発症する可能性があるということは覚えておいた方が良さそうです。
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皆さんは、アデノウイルス感染症と聞いてピンとくるでしょうか。
アデノウイルス感染症とは、その名の通りアデノウイルスというウイルスが体内に侵入して発症する病で、プール熱もその一種です。
プール熱といえば、皆さんの中にもかかったことがある方、または自分のお子さんがかかってしまったという方もいらっしゃると思います。
一見名前からすると、夏に流行するのかなという感じがしますが、実際どうなのでしょうか。
そこで今回は、プール熱を含むアデノウイルス感染症の流行時期はあるのか、またあるとしたらいつなのかを、小児科医257名に聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年3月13日〜3月16日にかけて行われ、小児科医257名から回答を頂きました。

アデノウイルス感染症の流行時期は?

「アデノウイルス感染症が最も流行する時期はいつ頃でしょうか。」という質問に対し、次の選択肢から選んでいただき、医師の皆さまから、さまざまなコメントを頂きました。

  • 季節に差はない

以下が結果となります。

図1

①夏

  • 50代男性 小児科
    典型的なアデノウイルスによる咽頭結膜熱は、夏場に多い印象です。ただそれ以外の季節で単なる咽頭炎でも、検査をすればアデノ咽頭炎が見つかるだろうと思います。ですが、咽頭結膜熱(もしくは流行性格結膜炎)での発症するタイプのアデノウイルスでなければ、わざわざ検査で確認する意義は低いと思われます。胃腸炎の原因となるアデノウイルス感染症は1年を通してありますが、冬場にやや多い印象です。
  • 30代女性 小児科
    夏のプールの時期に流行る印象です。年によってタイプは違いますが昨年は発疹が手足だけでなく体全体に広がりひどかったと思います、爪までむけてしまいました。時々脳症を起こすので怖い風邪だと思います。
  • 40代男性 小児科
    以前は夏風邪のイメージでしたが、最近は冬でもときどき見られるようになった印象があります。
  • 50代男性 小児科
    プール熱としての発症が多いです。結膜炎のみの発症も春から秋に散見されます。
  • 60代男性 小児科
    私も知らないうちにかかりました。ウイルスにとって好都合な季節なのだと思います。

夏に感染してしまうことが多いという回答が最多という結果になりました。
やはり、アデノウイルス感染症はプール熱としての流行が多いという意見でした。
ちなみにプール熱というのは、正式には咽頭結膜熱という名前で、主に子供たちが集団でプールに入り感染することがあるため、こう呼ばれています。
咽頭結膜熱の詳細については、以下の厚生労働省のページが参考になります。

咽頭結膜熱とはどのような病気ですか。
・アデノウイルスの感染により、発熱(38~39度)、のどの痛み、結膜炎といった症状を来す、小児に多い病気です。
・プールでの接触やタオルの共用により感染することもあるので、プール熱と呼ばれることもあります。
引用:咽頭結膜熱について|厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou17/01.html

②季節に差はない

  • 60代男性 小児科
    咽頭所見で検査するかどうかを決めていましたが、最近では結膜炎合併の発熱児を対象に迅速検査をするようになりました。流行している結膜炎に、小児科医である私が検査して良いかどうか迷っています。
  • 70代男性 小児科
    昔は夏のプール熱と考えていましたが、今は年中あります。本日もアデノウイルス腸炎患者とアデノウイルス咽頭炎患者が受診しました。
  • 40代女性 小児科
    しいて言えば夏と冬ですが、臨床の場面では季節よりもその地域の流行に左右されている印象があります。
  • 60代男性 小児科
    集団生活開始の時期に少し多くなりますが、大流行はこの数年経験していません。
  • 50代男性 小児科
    流行というより、ある保育園で出るとしばらく受診があるように思います。

次に多かったのは、流行は季節に関係ないという回答でした。
医師の体感として年中アデノウイルス感染症の症例が見られるとのことでした。
また、季節ではなく、地域やコミュニティで流行する場合があるというコメントもありました。

③その他(春、冬)

  • 30代男性 小児科 春
    冬は別のウイルスが発生しやすく、それらが落ち着いた時に「お前か」みたいに出てきます。
  • 50代男性 小児科 春
    インフルエンザの流行が終わる頃からが多くなる印象です。
  • 60代女性 小児科 冬
    インフルエンザの流行期と重なるので、保護者はインフルエンザの検査を希望されます。一応希望通りにインフルエンザの検査をして、陰性を確認してからアデノウイルス検査を行い、解熱剤の頓服のみ処方して帰宅させています。
  • 50代男性 小児科 冬
    従来は夏が多いと思われていましたが、検査キットが出来てからは冬のほうが多いように思います。

一部春や冬にも見られるという意見がありました。
インフルエンザの流行と同時またはその後に発症する症例が見られるとのことです。
これらのコメントからも、アデノウイルス感染症が一つの季節にのみ起こるものではないことがわかりますね。

アデノウイルス感染症は夏に多いが、他の時期も発症する

今回の調査では、アデノウイルス感染症は夏に発症することが最多であるという結果となりました。
夏はプール熱が流行することもあり、アデノウイルス感染症全体としても患者数が多くなるようでした。
一方、最近は季節に関係なく発症するケースが増えていると指摘する医師も目立ちました。
アデノウイルス感染症は色んな時期に発症する可能性があるということは覚えておいた方が良さそうですね。

次回以降の記事では、アデノウイルス感染症の具体的な症状や、予防法などもご紹介する予定なので、ぜひご覧ください。

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