アデノウイルス感染症の主な症状は?重症化することはあるの?小児科医250人に聞いてみました

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今回の調査では、アデノウイルス感染症の主な症状としては、「発熱」や「咽頭痛」を挙げる回答が多く、重症化については「あまりない」「ほとんどない」が合わせて約9割を占める結果となりました。子どもの場合は、これらの症状が出ても元気であることが多いそうです。また、アデノウイルス感染症は肺炎を引き起こし重症化することがあるようですが、とても稀であるという意見が目立ちました。もしお子さんがアデノウイルス感染症の症状を示しても、焦らず安静にさせて、病院を受診しましょう。
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前回の記事で、子供のアデノウイルス感染症の流行時期についてご紹介しました。
まだお読みになっていない方は、ぜひご覧ください。

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アデノウイルス感染症はいつの時期に流行しやすいの?医師250人に聞いてみました

さて、そんなアデノウイルス感染症ですが、罹患してしまった場合はどんな症状が表れるのでしょうか。
また、何らかの理由で重症化してしまうことはあるのでしょうか。
そこで今回は、アデノウイルス感染症の症状と重症化について小児科医250人に聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年3月13日〜3月16日にかけて行われ、小児科医257名から回答を頂きました。

アデノウイルス感染症の症状は?

まずは、アデノウイルス感染症では主にどんな症状が現れるのかを聞いてみました。

図1

  • 60代女性 小児科
    多くは発熱、結膜の充血、咽頭発赤ですが、胃腸炎症状、咳嗽も見られます。症状のわりに元気です。咽頭痛もなく、食事は取れていることが多いです。成人では咽頭痛から食事がとれない患者さんもいらっしゃいます。
  • 50代男性 小児科
    アデノウイルスの肺炎は有名ですが、それほど頻回にお目にかからないです。
  • 30代女性 小児科
    発熱結膜炎であれば時間次第で改善しますが、肺炎を合併したり、けいれんを合併したりすると症状は重くなる印象です。
  • 50代男性 小児科
    基本的にどの選択肢もアデノウイルス感染症の症状としてありうるものだと思います。ただ「よく見られる」と限ると、気管支炎や肺炎は、頻度は低いので選択できないかなと考えました。
  • 40代女性 小児科
    目の症状は眼科へ行くからなのか、角結膜炎は意外に少ないです。胃腸症状だけの場合、無熱、軽症で見逃されている事も少なくありません。また、出血性膀胱炎は珍しいですが、複数の経験があります。
  • 60代男性 小児科
    扁桃炎が最も多いです。結膜炎の感染は強く集中して患者さんが発生します。呼吸器感染は少ない印象です。

アデノウイルス感染症の主な症状として、「発熱」を選択した医師が最も多く、「咽頭炎」が次に続く結果となりました。
その他にも扁桃炎はよく見られるというコメントがありました。
一方、気管支炎や肺炎は、症状として現れることはあまりないようです。
また、子どもの場合はこれらの症状が見られても比較的元気であるとの意見もありました。
逆に大人の場合は咽頭痛で食事がとれなくなってしまうこともあるそうです。
お子さんがアデノウイルス感染症に罹患してしまったときは、ご両親も感染しないようにしっかりと対策した方がよさそうですね。

アデノウイルス感染症は重症化してしまうことがあるの?

上記の医師のコメントでもありましたが、アデノウイルス感染症は肺炎や気管支炎を引き起こしてしまう危険があるそうです。
では、実際どのくらいの確率でそのような重症となってしまうのでしょうか。
続いては、日々臨床している小児科医にその体感を聞いてみました。

  • 50代男性 小児科 あまりない
    基本的に自然経過で症状が軽快するウイルス感染症であると思います。アデノウイルスによる脳炎も特別頻度が高いようには思えません。ただ流行性格結膜炎では重症化というより、後遺症として角膜にダメージをきたすことがあるため、注意が必要かと思います。
  • 40代女性 小児科 あまりない
    高熱の割に比較的元気なことが多いのですが、熱が続くと経口摂取が出来ずにケトン性低血糖や自家中毒になるケースがままあります。
  • 50代男性 小児科 あまりない
    気管支炎から肺炎を併発し、重症化した例はあります。しかし、高熱が続いても全身状態が悪化することは少ないと感じています。
  • 30代男性 小児科 あまりない
    二次性に脱水症を来す症例はしばしば経験します。アデノウイルス肺炎はごく稀に経験しましたが重症でした。
  • 40代男性 小児科 あまりない
    入院の原因は多くは脱水なのでアデノウイルス感染自体の重症化はあまりないと感じます。
  • 60代男性 小児科 ほとんどない
    アデノウイルス感染症と診断して、抗菌薬を投与せずに経過をみますが、重症化した例を経験したことはありません。
  • 30代女性 小児科 ほとんどない
    対症療法で治癒するイメージです。重症化はほとんど記憶にありません。
  • 50代男性 小児科 ほとんどない
    インフルエンザ、RSウイルス感染症等と比べ、ICUに入ることになるような重症は経験ありません。
  • 40代男性 小児科 よくある
    咽頭痛や発熱持続で内服できない、飲食できないので脱水になっていく人は入院ベッドのある病院にいるとそれなりにきます。
  • 50代男性 小児科 よくある
    高熱が続き、対症療法しかないので、脱水等で全身状態が悪化して入院を余儀なくされる場合があります。

アデノウイルス感染症の重症化については、「あまりない」「ほとんどない」を選んだ医師が約9割となる結果となりました。
重症化する例として肺炎や気管支炎が挙げられていましたが、いずれも重症化することは稀なようでした。
一方で、アデノウイルス感染症による咽頭痛などで飲食ができず、それにより脱水症状に陥ってしまい入院するというケースは見られるようです。
いずれにせよ、他の重症化しやすい感染症などと比べると、アデノウイルス感染症で重症化してしまうケースは少ないようです。
もし罹患してしまったら、慌てず安静にして、病院を受診しましょう。

また、流行性角結膜炎の後遺症について触れているコメントがありましたが、流行性角結膜炎の症状や後遺症についてはまた別の記事でご紹介いたします。

アデノウイルス感染症の主な症状は発熱や咽頭痛で、重症化は稀

今回の調査では、アデノウイルス感染症の主な症状としては、「発熱」や「咽頭痛」を挙げる回答が多く、重症化については「あまりない」「ほとんどない」が合わせて約9割を占める結果となりました。
子どもの場合はこれらの症状が出ても元気であることが多いそうです。
また、アデノウイルス感染症は肺炎を引き起こし重症化することがあるようですが、とても稀であるという意見が目立ちました。
ただ、咽頭痛などで飲食が困難になってしまうと、脱水症状に陥ることがあるみたいなので、注意しましょう。
また、その際ご両親に感染しないよう、手洗いなど対策もしっかり行うことが大切ですね。

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