不眠症の際の睡眠薬はどのタイミングで服用すればいいの?精神科医・心療内科医232名に聞いてみました

不眠症と睡眠薬
本調査では「不眠症の治療において、睡眠薬はどのような時に服用しても良いと思いますか」という質問に対し、「日中の生活に支障をきたした時服用するのが良い」という回答が最も支持を集めました。医師からは、まずは生活習慣を改善する、睡眠衛生指導を行うといった生活の見直しが優先とのコメントが多く見られました。一方、「治療開始時に服用するのが良い」と回答した医師からは、来院している段階で既に日常生活に支障が出ている方が多いとのコメントや、睡眠をとれないことがさらなる症状の悪化に繋がるため、治療開始時に服用をすすめるといった意見を頂きました。
メンタルの悩み
イシコメ運営事務局

不眠症の治療と聞いて、睡眠薬を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。
なかなか寝付けない、睡眠が浅い、睡眠不足で日中の活動に支障が出るなどがつらい不眠症ですが、睡眠薬を服用するとなると、その副作用や依存性などが気になる方もいるのではないかと思います。
実際、不眠症の治療ではどのタイミングで睡眠薬を飲み始めるのでしょうか。
そこで今回は、不眠症と睡眠薬について、精神科医・心療内科医232名に聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年4月13日〜4月16日にかけて行われ、精神科、心療内科医、計232名から回答を頂きました。

最も多く回答されたのは“日中の活動に支障をきたした時”

本調査では、精神科医・心療内科医に対し、「不眠症の治療において、睡眠薬はどのような時に服用しても良いと思いますか」と質問しました。

図1

調査の結果、「日中の活動に支障をきたした時に服用するのが良い」と「他の治療手段を試した後、服用するのが良い」の2つを合わせて医師の7割弱が支持するという結果になりました。その後を「治療開始時に服用するのが良い」が続きました。

どうやら、日中に支障を来たしたり、薬以外の方法で対応できないときに精神科医・心療内科医は、睡眠薬を検討することが多いようです。
それでは、各回答をした医師のコメントを見ていきましょう。

日中の活動に支障をきたした時に服用するのが良い

  • 50代男性 心療内科 精神内科
    まずは生活指導ですが、日常生活に支障が出始めたら使ったほうがいいです。
  • 50代女性 精神科 心療内科
    日常生活の支障がない限り、できるだけ投薬はしないようにしています。
  • 70代男性 心療内科 精神科
    その患者さんの日常の活動が妨げられる時が服用開始の時期だと思います。
  • 40代男性 精神科
    非薬物療法をなるべく優先させたいと思います。
  • 40代男性 心療内科 精神科
    睡眠状態を十分確認しないまま安易に処方すべきではないと思います。
  • 40代男性 精神科
    長く続くとつらいですし、日中の活動に明らかな影響が出たあたりで眠剤試してみてもいいかもしれません。
  • 30代男性 精神科
    まずは睡眠衛生指導を必ず行います。
  • 40代男性 精神科
    絶対的な適応となるのは生命に危険が及ぶ時だと思いますが、相対的には本人がどの程度の苦痛を感じているかによると思います。
  • 40代男性 心療内科 精神科
    むやみに睡眠薬を服用すべきではないと思いますが、日常生活に支障をきたすほどであれば服用すべきだと思います。
  • 40代男性 精神科
    日中の活動に支障がない、または日中寝て過ごしていて、本人が困っていない場合には、睡眠薬はいらないと思います。

「日中の活動に支障をきたした時に服用するのが良い」と回答した医師からは、まずは睡眠衛生指導を行う、生活指導を行うといった意見がみられました。
すぐに睡眠薬を処方するのではなく、生活から改善できないかを試みるようです。それでも難しいようであれば、睡眠薬での治療を行うようですね。

また、「相対的には本人がどの程度の苦痛を感じているかによる」といったコメントも見られました。眠れないことがどれくらい苦痛なのか、本人の意思を確認してから決める場合もあるようですね。
では、次のコメントを見ていきましょう。

他の治療手段を試した後、服用するのが良い

  • 60代男性 精神科
    睡眠導入剤は、第一選択ではないためです。
  • 60代男性 精神科
    環境整備や生活改善は指導した方がよいですが、緊急性によります。
  • 40代男性 精神科
    まずは生活習慣の改善から行います。
  • 50代男性 精神科
    まずは生活指導が大切で、安易な睡眠薬投与はさけています。
  • 60代男性 脳神経外科 精神科
    薬物治療の前に十分な原因検索とその除去、睡眠衛生指導を行うことで、かなりの改善率が認められます。
  • 40代女性 心療内科 精神科
    日常生活リズムを整えるだけでも随分と改善します。
  • 40代男性 精神科
    できればまずは生活習慣の改善を図り、それでもだめな場合は使用すべきと思いますが、その場合でもベンゾジアゼピン系睡眠薬はなるべく避けるようにしたいと思います。
  • 40代女性 心療内科 精神科
    睡眠薬依存にならないようにするためです。
  • 40代女性 精神科
    まずは睡眠指導をして、どうしても眠れなくて日中の生活に支障をきたした時に使用するのが良いと思います。
  • 40代男性 精神科
    初めに非薬物療法をトライするのが必要で、薬物療法を経て、非薬物療法を併用しながら薬物を減らしていくパターンがいいのではないでしょうか。

まずは生活習慣の改善、睡眠衛生指導を行うといった、前項でも挙げられた改善方法が多く見られました。
医師からは、「日常生活リズムを整えるだけでも随分と改善します」「薬物治療の前に十分な原因検索とその除去、睡眠衛生指導を行うことで、かなりの改善率が認められます」といったコメントを頂いており、生活環境を見直すだけでも不眠症の改善が見込める場合もあるようです。

また、このような改善方法で効果が見られないようであれば、睡眠薬を試しつつ生活習慣の改善などを続け、睡眠薬を減らしていくパターンがいい、といった意見も寄せられました。
さらに全体を通して、安易な睡眠薬の投与を避けるよう注意喚起をする医師が多かったようにも思います。薬だけに頼るのではなく、生活習慣の改善を続けていくことが大切なようですね。

次に「治療開始時に服用するのが良い」と回答した医師のコメントを見ていきましょう。

治療開始時に服用するのが良い

  • 60代男性 心療内科
    しっかり眠れる自信をつけることが大切だからです。
  • 50代男性 一般内科 アレルギー科
    まず、睡眠障害をなおすことが、重要だと考えます。
  • 50代男性 心療内科 精神科
    それなりに症状が進んでから来られるので。
  • 30代男性 一般内科 精神科
    まずは症状をコントロールすることが重要だと思います。
  • 40代男性
    まずは眠れるようにしなきゃ。それから減らし、(薬を)切ればいいのです。
  • 70代男性 精神科
    良質な睡眠をとらないと症状は悪化するためです。
  • 60代男性 一般内科 精神科
    眠れなくてわざわざ受診されたのですから、なんらかの睡眠剤は投与します。
  • 60代男性 精神科
    まず、症状を抑えるほうが、信頼を得られると思います。
  • 50代男性 精神科
    まず眠れるようにする、食べられるようにするのが、治療の開始です。
  • 40代男性 精神科
    できれば薬なしがいいですが、だいたいの患者さんはいろいろためして、とても苦しい状態で来院するので、できるだけ早く改善させたいと思います。

「治療開始時に服用するのが良い」と回答した医師からは、「それなりに症状が進んでから来られるので」「眠れなくてわざわざ受診されたのですから、なんらかの睡眠剤は投与します」といったコメントを頂きました。
症状に悩んでいる、もしくは症状が進んでいるために来院している方もいることから、すみやかな不眠症の改善を重視する医師もおられることがわかります。

また、「良質な睡眠をとらないと症状は悪化するためです」との意見も寄せられました。症状を悪化させないためにも、まずは睡眠をとれるようにすることが大切だと考えていることがうかがえますね。
最後に、「なるべく服用すべきでない」と回答した医師のコメントを見ていきましょう。

なるべく服用すべきでない

  • 30代男性 精神科
    生活指導が一番大事だと思います。
  • 40代男性 精神科
    どうしてもというときは仕方ないですが。
  • 40代女性 心療内科 精神科
    副作用もあるので、生活習慣の見直しが先です。
  • 30代女性 精神科
    睡眠リズム遵守、禁酒禁煙、日中の適度な活動等指導しても睡眠が改善されない場合に使用するのが理想的だが、ケースによる。使用しないで済むならそれに越したことがないのは当たり前です。
  • 50代男性 小児科 精神科
    習慣性が強いものが多いためです。
  • 50代男性 一般内科 心療内科 精神科
    依存に留意しないといけないからです。
  • 30代男性 精神科
    睡眠薬は使用せずに済むならそれがいちばんです。
  • 50代男性 一般内科 心療内科
    眠剤の服用は治療にならないためです。

「なるべく服用すべきでない」と回答した医師からは、「習慣性が強い」「依存に留意しないといけない」といった副作用や睡眠薬への依存を危惧する声が見られました。

また、医師からは「眠剤の服用は治療にならない」との意見が寄せられました。睡眠薬は対処療法であり、そもそもの原因から治療しなければ本当の改善は難しいようですね。まずは、生活習慣の改善などを試みることが大切であることがわかります。

不眠症の治療は生活習慣の見直しから

本調査では、はじめから睡眠薬を使う医師が3割弱にとどまること、実に7割以上の医師がまずは別の手段を考えていることや、睡眠薬の使用をなるべく避けるスタンスであることが明らかになりました。

医師からのコメントでは、生活習慣の改善や睡眠衛生指導などにより、まずは生活の見直しで症状の改善を試みるといった意見が多く見られました。睡眠薬には副作用や依存の可能性が懸念されるため、安易に使用することは考え物のようです。
しかし、すでに症状が重く苦しい思いをしている、生活を見直しても症状の改善が見られないなどのケースでは睡眠薬を使用するようでした。

なかなか寝付けないなどつらい不眠症ですか、まずはご自身で生活を見直すことも改善に繋がるかもしれませんね。ですが、症状がひどくつらいときは、医療機関に受診して医師に相談するようにしましょう。

ツイート
この記事の著者

関連する健康相談

関連する記事