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痔の治療法とは?手術しなくても完治する?外科医231名の医師に聞いてみました。

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本調査の結果、痔核・裂肛(切れ痔)の治療法としては「保存療法(薬物療法)」が最も多く回答される結果となりました。また、この2つは保存療法(薬物療法)で治らない場合、は手術を行うようです。しかし、痔ろうに関しては保存療法(薬物療法)では治らないとの意見が多く寄せられ、「瘻管切開解放術」や「くり抜き法(括約筋温存術)」を行うといったの回答が最も多い結果となりました。また、「痔は手術しなければ完治しないと思いますか」と質問したところ、「あまりそう思わない」との回答が最も多かったいものの、医師の間でも意見が分かれており、完治は痔の種類や経過によるようでした。
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人にはなかなか言いづらい、痔の悩み。
治すにはどういった治療法があるのでしょうか。
また、手術しなければならないとしたら気が重くなりますよね。
実際のところ、どのような治療が行われるのか気になる方も多いかと思います。
そこで今回は、「痔の治療」について一般外科医、消化器外科医231名に聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年4月13日〜4月16日にかけて行われ、一般外科医、消化器外科医の計231名から回答を頂きました。

痔核の治療法は、保存療法が最多

それではまず、痔核の治療法では何が最も多いのかを聞いてみました。

  • 50代女性 一般内科 一般外科 保存療法(薬物療法)
    まずは座薬や軟膏を処方します。再発もありますので、手術はそれなりの適応になったからです。
  • 50代男性 腫瘍内科 消化器外科 保存療法(薬物療法)
    痔核の大半はまず保存的治療を行います。それで改善しなければALTAや手術を行います。
  • 50代男性 消化器内科 消化器外科 保存療法(薬物療法)
    薬で抑え込めるなら、それに越したことはありません。注射剤やオペなら、どれも一長一短ですし、どれが一番とかはありません。
  • 60代男性 一般外科 消化器外科 保存療法(薬物療法)
    症状が痛みや出血のみで、座薬や軟膏で軽快するようならそのまま保存的な治療を続けます。脱出や症状がひどくなるようであれば、外科的治療やレーザーなどの治療を勧めます。
  • 50代女性 一般外科 保存療法(薬物療法)
    ほとんどの人が排便コントロールと薬物療法で軽快します。手術をしなければならないのはごく少数です。
  • 50代男性 消化器外科 保存療法(薬物療法)
    まずは排便コントロールが重要だと思います。
  • 60代男性 一般外科 呼吸器内科 結紮切除術
    現在ではジオン注も簡便ですが、やはり根治となると切除と思います。
  • 50代男性 消化器外科 ALTA療法(ジオン注射)
    薬物療法は保存的治療ではなく、急性症状の改善を期待するだけです。根治に近い治療を必要であるならALTAをまず行います。
  • 50代男性 一般外科 ゴム輪結紮術
    出血の応急処置が多いのでオーレガンによる処置が最も簡便で効果的です。

調査の結果「痔核の治療法として、最も多い治療法は何ですか」という質問に対し、78%の医師が「保存療法(薬物療法)」と回答しました。
医師のコメントでは、まずは保存療法(薬物療法)として座薬や軟膏を使用し、合わせて排便コントロールを行うようでした。なかには、ほとんどの人が軽快する、といった医師の見解もあり、保存療法が中心であることが伺えます。
しかし、それでも改善しない場合はALTA療法(ジオン注射)やレーザーなどによる手術などの外科的治療を行うようです。

しかし、手術をしないで治るのならば、それに越したことはないですよね。
続いて、裂肛(切れ痔)の場合はどうなのでしょうか。

裂肛も痔核と同様「保存療法」

  • 50代男性 消化器外科 腫瘍内科 保存療法(薬物療法)
    ほとんどは保存的治療で治ります。LSIS(内括約筋側方皮下切開術)+SSG(皮膚弁移動術)は通常一緒に行います。
  • 60代男性 一般外科 消化器外科 保存療法(薬物療法)
    排便管理と肛門洗浄・薬物療法を行います。
  • 50代男性 一般外科 消化器外科 保存療法(薬物療法)
    これも薬対応でよくなればいいです。ひどい症例は状況に応じて手術ですが、その人に合った術式でこれが一番とかはありません。
  • 50代男性 一般外科 消化器外科 保存療法(薬物療法)
    保存的治療で大半が改善します。
  • 60代男性 一般外科 消化器外科 保存療法(薬物療法)
    保存的で改善しない場合、狭窄症状が強ければSSG (皮膚弁移動術)です。
  • 60代男性 一般外科 一般内科 保存療法(薬物療法)
    軟膏療法で十分だと思います。
  • 60代男性 一般外科 一般内科 内括約筋側方皮下切開術(LSIS)
    これが一番いいと思います。狭窄が解除されて下剤がいらなくなります。
  • 70代男性 一般内科 一般外科 用手肛門拡張術
    保存療法で効果がないとき、用手肛門拡張術をします。
  • 40代男性 一般外科 消化器外科 皮膚弁移動術(SSG)
    完治率が高いのは、根治術です。

「裂肛(切れ痔)の治療法として、最も多い治療法は何ですか」と質問したところ、89%の医師が「保存療法(薬物療法)」と回答しました。

医師のコメントを見ると、「排便管理と肛門洗浄・薬物療法を行います」や「薬対応でよくなればいいが、ひどい症例は状況に応じて手術」といった意見から、裂肛(切れ痔)も痔核とほぼ同様にまずは保存療法が多いことが窺えます。
しかし、こちらも保存療法で改善が見られない場合は、皮膚弁移動術(SSG)や内括約筋側方皮下切開術(LSIS)を行うと述べた医師もいらっしゃいました。
コメントによれば、これらの手術は狭窄が解除されて下剤がいらなくなる効果が見込めたり、完治率も高いようです。

続いて、痔ろうの治療法を見ていきましょう。

痔ろうの治療法は、手術を勧める声が多い

  • 50代男性 消化器内科 一般外科 瘻管切開解放術
    痔ろうは保存的に粘らない方がいいです。基本手術して、開放デブリードメントです。それが一番確実で早いと思います。
  • 60代男性 一般外科 瘻管切開解放術
    痔瘻は保存的には治りませんので、原則手術です。初期は解放のみ、後年くりぬきもやりました。
  • 40代男性 一般外科 腫瘍外科 瘻管切開解放術
    瘻管切開解放術で再発を経験したことはありません。
  • 50代男性 一般外科 消化器外科 くり抜き法(括約筋温存術)
    まずは瘻管切開解放術を行い、再発するようであればくり抜き法を行います。
  • 40代男性 腫瘍外科 消化器外科 くり抜き法(括約筋温存術)
    保存で完治しないです。多発の場合はシートン法を選択しますが。
  • 50代女性 一般外科 くり抜き法(括約筋温存術)
    放置すると膿瘍や癌の原因になると指導されました。
  • 60代男性 消化器内科 消化器外科 保存療法(薬物療法)
    これもまた清潔にしてもらい保存的に治療します。また若い人の痔瘻は基礎疾患がないかも考慮に入れます。
  • 40代男性 一般外科 消化器外科 保存療法(薬物療法)
    最も多いのは保存的治療ですが根治は難しいです。
  • 60代男性 消化器外科 シートン法
    シートン法は、ほぼ再発はゼロで括約筋機能もほぼ満足できます。
  • 50代男性 一般外科 シートン法
    保存療法は再発、くりぬき法は不確実、時間がかかってもシートンが侵襲も少なく確実です。

医師のコメントでは、保存療法(薬物療法)よりも手術を勧める意見が多く寄せられています。そのため、痔核や裂肛(切れ痔)と比べると「瘻管切開解放術」や「くり抜き法(括約筋温存術)」などの手術を回答する方が多い結果となりました。
また、ある医師からは「放置すると膿瘍や癌の原因になると指導されました」とのコメントを頂いており、痔ろうの場合は早めに病院を受診し、適切な処置を受ける必要がありそうです。

さて、ここまでたくさんの治療法、手術方法が出てきました。
しかし、痔は必ずしも手術しなければならないものなのでしょうか。
最後に、痔は手術しなければ完治しないものなのか医師に聞きました。

痔の種類によって手術が必要かは異なる

  • 50代男性 消化器外科 あまりそう思わない
    内痔核はATLA療法が効果を上げてきていますし、裂孔も保存的治療で十分なものもあります。排便習慣や入浴、飲酒等の生活習慣の改善が口で言うほど容易ではありませんが、良好な場合は保存的治療による効果が期待できます。
  • 30代男性 一般外科 消化器外科 あまりそう思わない
    痔核はある程度保存的に。裂肛は薬物と生活指導。痔瘻は手術です。
  • 50代男性 一般外科 消化器外科 あまりそう思わない
    保存的治療で症状が改善すれば、すぐに手術は必要ありません。
  • 60代男性 消化器内科 消化器外科 ややそう思う
    保存的療法でどうにも改善しない場合は手術すると思います。
  • 60代男性 一般内科 一般外科 ややそう思う
    程度によると思いますが、ひどくなってしまったら外科的切除が一番確実だと思います。
  • 40代男性 一般外科 消化器外科 ややそう思う
    完治しなくても症状がなければそれでよいです。
  • 40代女性 一般外科 痔の種類による
    選択肢の通りです。基本は保存ですが。
  • 60代男性 一般内科 一般外科 痔の種類による
    痔核は完治しませんが、ひどくならなければ手術する必要はありません。痔瘻は手術すべきだと思います。
  • 50代男性 消化器外科 そう思わない
    ほとんどは手術をする必要がありません。
  • 30代女性 一般外科 消化器外科 そう思う
    完治は手術であると思います。

「痔は手術しなければ完治しないと思いますか」と質問したところ、「あまりそう思わない」との回答が最も多いものの、医師の間で意見が分かれる結果となりました。
医師のコメントでは、「痔核はある程度保存的に。裂肛は薬物と生活指導。痔瘻は手術」といった趣旨の意見が、複数の方から挙げられていました。
どうやら痔の手術が必要かどうかは、痔の種類や経過でも変わってくるようですね。

痔は種類と経過によって、保存療法を勧められる場合と手術を勧められる場合がある

本調査によれば、痔核の治療法として最も多いのは保存療法(薬物療法)のようでした。まずは保存療法(薬物療法)として座薬や軟膏を使用し、合わせて排便コントロールを行うことで軽快する人がいるようです。しかし、それでも改善しない場合はALTA療法(ジオン注射)やレーザーなどによる手術などの外科的治療を行う、ということでした。
続いて、裂肛(切れ痔)についても、痔核とほぼ同様に保存療法が多いようでした。しかし、保存療法で改善が見られない場合は、皮膚弁移動術(SSG)や内括約筋側方皮下切開術(LSIS)を行うようでした。
痔ろうの治療法については、保存療法にて治ることはないとの意見が多数寄せられており、そのため瘻管切開解放術や、くり抜き法(括約筋温存術)といった手術を行うようです。
また「痔は手術しなければ完治しないか」という質問については、意見が分かれており、痔の種類によっても異なると言えそうです。

このように様々ある痔の治療法ですが、その種類と経過によって治療法は異なるようです。恥ずかしさから受診しにくいこともあるかと思いますが、早めに受診し、種類に合った適切な治療法を行いましょう。

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