寒気を伴う吐き気の症状で困った経験はありませんか?
吐き気に加えて寒気もあるととても辛いですし、何か悪い疾患にかかっているのではないかと心配になりますよね。寒気を伴う吐き気の症状がある場合、考えられる病名は何か、適した対処法は何か、気になる事も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、一般内科、消化器内科医518人に、寒気を伴う吐き気の病気や対処法について聞いてみました。
※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年4月19日~2018年4月20日にかけて行われ、一般内科、消化器内科医518人から回答を頂きました。
寒気を伴う吐き気で最も多いのは、胃腸炎
「寒気を伴う吐き気の疾患として多いものは、以下のうちどれですか。」という質問に対して、つぎの選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。
- 胃腸炎
- 感冒(風邪)
- インフルエンザ
- 腎盂腎炎
- 胆嚢炎
- 肺炎
- 虫垂炎
- 悪性腫瘍
- その他
以下のグラフが結果となります。
胃腸炎との回答が5割超と一番多く、次に感冒(風邪)、インフルエンザと比較的馴染みのある疾患が上位に並びました。
胃腸炎についての説明は、以下の引用の通りです。
胃腸炎とは
胃腸炎とは、胃、小腸、大腸の粘膜に生じた炎症のことです。通常は微生物が感染することで起こりますが、毒性のある化学物質や薬の摂取が原因で起こることもあります。
引用:胃腸炎|MSDマニュアル
それでは、医師のコメントを見ていきましょう。
胃腸炎、感冒(風邪)、インフルエンザのことが多い
- 50代男性 一般内科 胃腸炎
発熱を伴う胃腸炎ですね。 - 50代女性 一般内科 胃腸炎
胃腸炎が最も多いです。 - 50代男性 消化器内科 胃腸炎・感冒
風邪や急性胃腸炎が多いです。 - 50代男性 一般内科 感冒
感冒が割と多いかと思います。 - 60代男性 一般内科 感冒
寒気を伴う吐き気の疾患として多いものは感冒です。 - 40代男性 一般内科 感冒・インフルエンザ・肺炎
感冒やインフルエンザが多いです。 - 50代男性 一般内科 感冒・インフルエンザ・胃腸炎
特にB型インフルエンザで、ちょくちょく見られます。 - 50代男性 一般内科 インフルエンザ・胃腸炎
インフルエンザが多かったです。 - 60代男性 一般内科 インフルエンザ
寒気を伴う吐き気の疾患として多いものはインフルエンザです。
医師の回答を見ると胃腸炎、感冒(風邪)、インフルエンザの可能性を懸念する声が多数上がっています。
どれも比較的身近な病気ですが、小さいお子さん、ご高齢の方の場合はどれも注意が必要ですね。
寒気を伴う吐き気の症状が続いた、また高熱などの症状を伴う場合は、このような疾患を念頭におくことが大事そうです。
腎盂腎炎の可能性もある
- 50代男性 一般内科 腎盂腎炎
発熱、嘔吐は腎盂腎炎でよく見られます。 - 60代男性 一般内科 腎盂腎炎
腎盂腎炎は吐き気を伴います。 - 40代男性 一般内科 腎盂腎炎・胆嚢炎
腎盂腎炎・胆管炎などの感染症が多いです。 - 50代男性 一般内科 感冒・腎盂腎炎
悪寒戦慄があるなら腎盂腎炎です。 - 30代男性 一般内科 感冒・インフルエンザ・胃腸炎・腎盂腎炎
特に腎盂腎炎は強い寒気を感じると思います。 - 40代女性 一般内科 胃腸炎・腎盂腎炎
腎盂腎炎では高熱と腰痛、吐き気がよくみられます。 - 50代男性 一般内科 感冒・胃腸炎・腎盂腎炎・胆嚢炎
腎盂腎炎はつい最近経験しました。
次に強い寒気と吐き気の症状があるならば、腎盂腎炎を疑うコメントが多くありました。
腎盂腎炎についての説明は、以下の引用の通りです。
腎盂腎炎とは
腎盂腎炎とは、膀胱から細菌が逆流することによって引き起こされる、腎盂および腎臓の感染症のことをいいます。
引用:腎盂腎炎|ときわ会
この病気は、寒気、吐き気以外にも、以下のような症状があるようです。
急性腎盂腎炎の場合、膀胱炎と同様に排尿時痛、頻尿、残尿感などの症状に加え、発熱、全身倦怠感などの全身症状、腰や背中の痛み、さらには悪心、嘔吐などの消化器症状を認めることもあります。子どもやお年寄りでは脱水による意識障害がみられることもあります。また、細菌が腎臓から血流に乗って全身へ広がった場合(敗血症)、血圧低下(敗血症性ショック)、急性腎不全、多臓器不全となり命にかかわることがあります。
引用:腎盂腎炎|徳洲会グループ
このように強い寒気や吐き気に加えて、さらには腰の痛みや高熱、残尿感などの症状が併発した場合は、腎盂腎炎の可能性もあるため、すぐに病院を受診した方がよさそうです。
寒気を伴う吐き気に適した対処法って何?
先ほどのような様々な病気の可能性があることも考えると、対処方法が気になりますね。
続いて「吐き気に悪寒が伴った際に適切な対処法はなんだと思うものはなんですか。」という質問に対して、つぎの選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。
- 水分補給を行う
- 部屋を暖かくして安静にする
- 病院で診察を受ける
- 制吐剤を服用する
- 解熱剤を服用する
- その他
以下のグラフが結果となります。
集計結果では、水分補給を行うと回答している医師が半数以上と一番多く、次に部屋を暖かくして安静にする、病院で診察を受ける、と続きました。
病院を受診することの必要性も感じられますが、それと同等に水分補給、養生の環境を整え休息することの大切さが伝わってきます。
それでは、医師のコメントを見ていきましょう。
安静にして水分補給を
- 50代男性 一般内科 水分補給を行う
水分補給をしっかりしましょう。 - 40代女性 消化器内科 水分補給を行う
水分が一番大事と思います。 - 50代男性 消化器内科 水分補給を行う
脱水に注意する必要があります。 - 40代男性 一般内科 水分補給を行う
最低限水分補給かなと思います - 50代男性 一般内科 水分補給を行う・部屋を暖かくして安静にする
安静にして回復するか見守るのが必要だと思います。 - 50代男性 一般内科 部屋を暖かくして安静にする
しばらくは経過観察でいいでしょう。 - 50代女性 一般内科 部屋を暖かくして安静にする
先ずは安静にして、様子を見ます。高熱が出て、インフルエンザを疑う場合は、半日以上たってから受診しましょう。 - 30代男性 一般内科 部屋を暖かくして安静にする
部屋を暖かくして安静にしましょう。 - 40代男性 一般内科 部屋を暖かくして安静にする
受診が、症状軽減につながるとは限りませんが、安静により症状は軽くなります。 - 50代男性 一般内科 部屋を暖かくして安静にする
安静、休養が第一です。
一番多く見られたコメントはまずは安静に、水分補給をしっかりと、といったものでした。
症状の程度にもよりますが、軽い場合はまずセルフケアが大切のようです。
部屋を暖かくする事や水分補給をしっかりすることは、どちらも基本的なことですが、とても大事ですね。
吐き気や寒気といった体の異変のサインを感じたら、まずは焦らず養生し、症状の経過を観察しましょう。
症状が続く、辛い場合は病院の受診を
- 60代男性 一般内科 部屋を暖かくして安静にする・水分補給を行う・病院で診察を受ける
症状がひどいようであれば受診したほうが良いと思います。 - 40代男性 一般内科 病院で診察を受ける
症状が続くようならまずは受診されるのがいいですね。 - 60代男性 一般内科 部屋を暖かくして安静にする・病院で診察を受ける
治まらないようであれば、速やかに医療機関を受診しましょう。 - 50代男性 一般内科 部屋を暖かくして安静にする・水分補給を行う・解熱剤を服用する・制吐剤を服用する・病院で診察を受ける
症状が続くようであれば受診するべきです。 - 40代男性 一般内科 部屋を暖かくして安静にする・水分補給を行う・解熱剤を服用する・制吐剤を服用する・病院で診察を受ける
安静や水分補給、改善なければ病院受診が必要です。 - 50代男性 一般内科 部屋を暖かくして安静にする・水分補給を行う・解熱剤を服用する・病院で診察を受ける
自宅療養で改善なければ、受診の方向で考えます。 - 30代男性 一般内科 部屋を暖かくして安静にする・水分補給を行う・病院で診察を受ける
症状がひどいのであれば受診し、軽度であれば安静でしょう。
次にコメントで散見されたのは、症状が続くようであれば受診というものでした。家で養生しているだけでは症状の改善に限界がありますし、腎盂腎炎などは病院での治療が必要になってくるので、辛い症状の場合は病院を受診しましょう。
まずは安静・水分補給で様子を見て、辛ければ受診を
今回は、寒気を伴う吐き気の症状についてみていきました。
本調査によると、寒気を伴う吐き気の症状がある場合は、まずは胃腸炎、続いて感冒(風邪)、インフルエンザが多いという結果になりました。なかには、強い寒気を感じる場合、腎盂腎炎に感染している可能性も指摘するコメントが見られました。
また、対処法としては水分補給を行う事が一番多く、次に部屋を暖かくして安静にする、病院で診察を受けると続きました。
寒気を伴う吐き気の症状が見られた場合は、まずは安静・水分補給をしっかりするなど養生に努める事が大切なようですが、症状が続く場合やひどく辛い場合などは、すぐに病院を受診することが望まれます。
受診の際は、様々な疾患の可能性を考えられることから、医師にしっかりと症状や経過を伝え、診断・治療をしてもらいましょう。