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吐き気の症状に対してよく処方される薬って何?医師518人に聞いてみました

吐き気の薬
吐き気の症状が続く際、よく処方する制吐薬について医師に聞いたところ、「ドパミンD2受容体拮抗薬」と回答した医師が約7割という結果となりました。しかし吐き気の原因や重症度によって適した制吐薬は変わるとの意見も多かったことから、受診の際はしっかりとご自身の病状経過を伝え、医師に最適な薬を判断してもらうことが大事そうです。
吐き気
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吐き気の症状はとても辛いですよね・・・。食事も思うようにできませんし、症状がひどい時は水分補給もままなりません。
こんな辛い吐き気の症状を治すために薬を使用することも多いと思います。なかには、病院でよく処方される薬って一体何?と疑問に感じた方もおられるのではないでしょうか。

そこで今回は、一般内科、消化器内科医518人に、吐き気の症状に対してよく処方する薬について聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年4月19日~2018年4月20日にかけて行われ、一般内科、消化器内科医518人から回答を頂きました。

よく処方される薬って何?

「吐き気を主訴とする場合に、よく処方する薬はなんですか。」という質問に対して、つぎの選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。

  • ドパミンD2受容体拮抗薬
  • セロトニン受容体拮抗薬
  • ムスカリン受容体拮抗薬
  • 抗ヒスタミン薬
  • ベンゾジアゼピン系抗不安薬
  • コルチステロイド
  • ソマトスタチン類似体
  • その他

以下のグラフが結果となります。

図1

ドパミンD2受容体拮抗薬をよく処方している医師が全体の約7割を占める結果となりました。その後を、セロトニン受容体拮抗薬、ムスカリン受容体拮抗薬が約2割で続いています。

それでは、医師のコメントを見ていきましょう。

最も選ばれるのはドパミンD2受容体拮抗薬

  • 50代女性 一般内科 ドパミンD2受容体拮抗薬
    即効性があるので、よく使います。
  • 50代男性 一般内科 ドパミンD2受容体拮抗薬
    緊急性では、良く効くと思います。
  • 50代男性 一般内科 ドパミンD2受容体拮抗薬
    メトクロプラミドを投与します。
  • 50代男性 消化器内科 ドパミンD2受容体拮抗薬
    とりあえずは、注射できるプリンペラン。子供にはナウゼリン。
  • 50代男性 一般内科 ドパミンD2受容体拮抗薬
    ドンペリドンが多いです。
  • 60代男性 一般内科 ドパミンD2受容体拮抗薬・セロトニン受容体拮抗薬
    プリンペランなど使うこともあります。
  • 60代男性 一般内科 ドパミンD2受容体拮抗薬
    一番使い慣れています。
  • 60代男性 一般内科 ドパミンD2受容体拮抗薬
    比較的安全で使いやすいです。
  • 60代男性 一般内科 ドパミンD2受容体拮抗薬
    これが最も多いです。
  • 50代男性 一般内科 ドパミンD2受容体拮抗薬
    ナウゼリンやプリンペランが即効性です。
  • 50代男性 一般内科 ドパミンD2受容体拮抗薬
    もっとも効果があるように思います。

医師の回答では、ドパミンD2受容体拮抗薬がよく用いられるとのコメントが目立ちました。特に、医師のコメントで処方が多い理由は、即効性と安全性でした。
もちろん、患者の方の詳しい症状や持病などによって処方は変わるようですが、第一選択としてドパミンD2受容体拮抗薬が用いられる機会が多いようですね。

医師からのコメントで挙がっている具体的なドパミンD2受容体拮抗薬については、以下の説明を参考にしてください。

プリンペラン

中枢の受容体にはたらき、嘔吐を抑える作用を示します。通常、消化器疾患に伴う悪心・嘔吐などの消化器症状の治療、X線検査時のバリウム通過促進を目的に用いられます。
引用:プリンペラン|一般社団法人 くすりの適正使用協議会

ナウゼリン

胃・十二指腸のドパミンの働きを抑えて、消化管運動を改善し、吐き気に関与するCTZ(化学受容器引金帯)に作用して、吐き気を抑えます。通常、成人では慢性胃炎、胃下垂などの吐き気、嘔吐、食欲不振などに、小児では風邪や周期性嘔吐症による吐き気などの改善に用います。
引用:ナウゼリン|一般社団法人 くすりの適正使用協議会

メトクロプラミド

中枢の受容体にはたらき、嘔吐を抑える作用を示します。通常、胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胆のう・胆道疾患、腎炎、尿毒症、乳幼児嘔吐などにおける吐き気、嘔吐・食欲不振・腹部膨満感の治療や、X線検査時のバリウム排泄に用いられます。
引用:メトクロプラミド|一般社団法人 くすりの適正使用協議会

ドンペリドン

上部消化管(食道、胃、十二指腸)に作用して消化管の運動を促し、吐き気に関与する脳のCTZ(化学受容器引金帯)のドパミン受容体に作用し、吐き気を抑えます。通常、小児の周期性嘔吐症、乳幼児下痢症、上気道感染症や薬による消化器症状(吐き気、嘔吐、食欲不振、腹部膨満、腹痛)の改善に用いられます。
引用:ドンペリドン|一般社団法人 くすりの適正使用協議会

このように、一言でドパミンD2受容体拮抗薬と言っても、医師に処方される薬は何種類もあるようです。

原因・重症度により処方薬は変わる

  • 60代女性 一般内科 ドパミンD2受容体拮抗薬
    原因によっていろいろ治療は変わりますが、とりあえず制吐剤で様子をみて良くならなければ考えます。
  • 50代男性 一般内科 ドパミンD2受容体拮抗薬・セロトニン受容体拮抗薬
    状況を見て判断します。
  • 50代男性 一般内科 ドパミンD2受容体拮抗薬・セロトニン受容体拮抗薬・抗ヒスタミン薬・ムスカリン受容体拮抗薬・ソマトスタチン類似体・コルチステロイド・ベンゾジアゼピン系抗不安薬
    原因疾患に応じて使用薬が変わると思います。
  • 50代男性 一般内科 ドパミンD2受容体拮抗薬
    原因疾患にもよります。
  • 30代男性 一般内科 抗ヒスタミン薬
    吐き気の原因を特定するのが必要です。
  • 50代男性 一般内科 ドパミンD2受容体拮抗薬
    原因疾患を考えて処方します。
  • 50代男性 一般内科 ドパミンD2受容体拮抗薬・ムスカリン受容体拮抗薬・コルチステロイド
    処方については重症度によります。
  • 50代男性 一般内科 ドパミンD2受容体拮抗薬・ムスカリン受容体拮抗薬
    原因や程度にもよるので。

こちらの医師のコメントでは、吐き気に対して必ずしも同じ薬を使うのではなく、原因となる疾患や重症度によって最良の手は変わる、という内容がみられました。
医師が原因を特定し、正しい薬が処方できるように、症状が正確に伝わることが重要ですし、受診の際は問診にしっかりと応えられるよう準備することも大事かもしれませんね。

制吐剤の処方は、ドパミンD2受容体拮抗薬が多いが、原因や重症度を踏まえて決められるもの

今回は、吐き気の症状によく処方する薬を医師に聞いてみました。
本調査によると、吐き気の症状によく処方される薬は、ドパミンD2受容体拮抗薬が最も代表的であるという結果となりました。医師のコメントにもあったように、即効性があり比較的安全なことも理由の一つのようです。
一方で、しっかりと吐き気の原因を特定したり、重症度を判断したりすることが薬を選ぶのに重要であるという意見も多く見られました。
自分の症状を詳しく医師に伝えることで、最適な薬の処方をしていただきましょう。

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