男性の血尿の原因は何?泌尿器科医165名に聞いてみました

男性トイレの標識
「男性の血尿の原因として最も多いものは何ですか」という質問に対し、47%の医師が「尿路結石」と回答。次に「膀胱癌」が35%の医師の支持を得る結果となりました。医師のコメントでは、尿路結石の多さについての言及が複数見られました。また、年齢を重ねると膀胱癌・尿路腫瘍の頻度が高まるとの意見や、喫煙者であれば膀胱癌も多いとの声あり、年齢や喫煙歴によって血尿になる原因は異なるようでした。さらに、「大きい前立腺肥大症で、抗凝固薬を内服している高齢男性の前立腺部尿道出血をよく見ます」とする声も見受けられました。このように、頻度に違いはあれど、さまざまな病気の可能性があり、一口に血尿と言っても原因は多岐に渡るようです。
血尿
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普段、排尿時に尿の色をチェックしていますか?
ふと見てみると、“血尿”が出ていて驚いたという方もなかにはおられるのではないでしょうか。
女性は膀胱炎が多いなんて話を聞いたことがありますが、男性が血尿を出した場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。

そこで今回は、男性の血尿の原因として多いものは何か、泌尿器科医165名に聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年5月12日〜5月15日にかけて行われ、泌尿器科医の計165名から回答を頂きました。

男性の血尿の原因で多いのは「尿路結石」「膀胱癌」

「男性の血尿の原因として最も多いものは何ですか」という質問に対し、47%の医師が「尿路結石」と回答し、最多となりました。次に、「膀胱癌」が35%の医師の支持を得る結果となりました。

まずは、尿路結石と答えた医師のコメントを見ていきましょう。

尿路結石と答えた医師

  • 50代男性 泌尿器科 「尿路結石」
  • 基本的に疾患数に比例します。膀胱がんが多くても、疾患数が結石のほうがべらぼうに多いです。
  • 50代男性 泌尿器科 「尿路結石」
    年齢も考慮するべきでありますが、尿路結石が多いです。年齢を重ねると膀胱癌等の尿路腫瘍の頻度が増えます。
  • 60代男性 泌尿器科 「尿路結石」
    肉眼的血尿と顕微鏡的血尿では大きく異なり、年齢でも異なります。
  • 50代男性 泌尿器科 「尿路結石」
    尿路感染による血尿は少なく、結石や尿路上皮癌によるものが多いです。
  • 40代男性 泌尿器科 「尿路結石」
    他と比べて有病率が段違いです。
  • 50代男性 泌尿器科 「尿路結石」
    脱水、生活習慣病は要因となります。
  • 40代男性 泌尿器科 「尿路結石」
    喫煙者であれば膀胱癌も多くなります。
  • 60代男性 泌尿器科 「尿路結石」
    尿路結石の80パーセントに血尿を認めます。

コメントを見ると、「疾患数が結石のほうがべらぼうに多い」や「年齢も考慮するべきでありますが、尿路結石が多い」と述べた医師がいらっしゃいました。ここから、普段の泌尿器科の診察では、尿路結石が多い様子が伝わってきますね。

さらに「脱水、生活習慣病は要因」との見解を示した医師もいることから、尿路結石になる原因は脱水や生活習慣病が関連する場合もあるようです。
また、高齢になるにつれ膀胱癌などの尿路腫瘍の頻度が高まるとの意見や、喫煙者であれば膀胱癌も多いとの声も挙がりました。高齢者や喫煙者の血尿は、膀胱癌も念頭におく必要がありそうです。

続いて、膀胱癌と答えた医師のコメントを見ていきましょう。

膀胱癌と答えた医師

  • 40代男性 泌尿器科 「膀胱癌」
    血尿を同定するには出血量や性状である程度は推察できそうです。
  • 40代男性 泌尿器科 「膀胱癌」
    高齢者の無症候性肉眼的血尿は膀胱癌を疑います。大きい前立腺肥大症で、抗凝固薬を内服している高齢男性の前立腺部尿道出血をよく見ます。基本的に血尿は排尿の最初のみです。
  • 40代男性 泌尿器科 「膀胱癌」
    高齢者、喫煙者ではまず膀胱癌を考えます。でなければ泌尿器科専門医とは言えません。
  • 50代男性 泌尿器科 「膀胱癌」
    無症候性肉眼的血尿は注意します。
  • 60代男性 泌尿器科 「膀胱癌」
    膀胱癌は血尿で発見されることが多いです。
  • 50代男性 泌尿器科 「膀胱癌」
    膀胱癌が最も多いと思います。

高齢者や喫煙者では、まず膀胱癌を考えるとコメントした医師がいらっしゃいました。これは、「尿路結石」と答えた医師のコメントでもありましたね。

また、「高齢者の無症候性肉眼的血尿(痛みなどの症状を伴わず、色調により本人が気づく血尿)は膀胱癌を疑う」、「膀胱癌は血尿で発見されることが多い」との声が見受けられることから、高齢者や喫煙者で尿の色を見て血尿だとわかる場合には、やはり膀胱癌の可能性を念頭におく必要がありそうです。
参考:血尿診断ガイドライン - 日本腎臓学会
参考:一般社団法人 日本血栓止血学会

さらに、「大きい前立腺肥大症で、抗凝固薬を内服している高齢男性の前立腺部尿道出血をよく見ます。基本的に血尿は排尿の最初のみです」とのコメントも。
既に前立腺肥大症を患っている高齢の方で血をサラサラにする薬を服用している方も、血尿には注意が必要なようです。

最後に、「尿路結石」、「膀胱癌」以外を答えた医師のコメントを見てみましょう。

その他の意見

  • 50代男性 泌尿器科 前立腺肥大症
    前立腺肥大症による血尿は、前立腺触診および超音波で容易です。近年、若い泌尿器科医で直腸診が敬遠される傾向にあり、診断までに回り道をするケースも多いように思います。
  • 30代男性 泌尿器科 前立腺炎
    数では腫瘍ではなく感染のような気がします。
  • 40代男性 泌尿器科 その他(原因不詳)
    原因がわからないものが一番多いです(特に顕微鏡的なものに関して)。
  • 30代男性 泌尿器科 膀胱炎
    頻度が多いのはやはり膀胱炎です。

コメントでは、前立腺肥大症による血尿や、前立腺炎など男性特有のものが挙げられ、なかには「数では腫瘍よりも感染が多い」とする声も見られました。
原因不明の場合もあると指摘した医師もおられましたが、色々と調べた結果、病気が見つからないというケースもあるようです。
集計の結果では、数は少ないもののさまざまな回答があり、一口に血尿と言っても原因は多岐に渡るようですね。

男性で尿の色を見て赤い場合は、医療機関の受診を

本調査によれば、男性の血尿の原因として最も多いものは「尿路結石」であり、次に「膀胱癌」多いという結果になりました。
コメントからは、普段の泌尿器科の診察において、尿路結石が多い様子が伝わってきました。
また、膀胱癌と答えた医師のコメントでは、特に高齢者と喫煙者で膀胱癌が多い模様です。このことから、年齢や喫煙歴などによって血尿になる原因は異なることがうかがえます。
ほかにも数は少ないものの、さまざまな回答が見られたことから、一口に血尿と言っても原因は多岐に渡るようでした。
男性の方で尿の色を見て赤みを感じたら、何かしらの病気のサインかもしれません。そのような場合は、病院の受診をおすすめします。

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