血尿が出る原因とは?男女で血尿の出やすさは変わる?泌尿器科医165名に聞いてみました

立ち小便する人形
本調査によると血尿を引き起こす原因は、「膀胱炎」「膀胱癌」「尿路結石」が群を抜いて多い結果となりました。しかし、性別や年齢などで疾患は異なると考える医師もいるようで、50歳以上の肉眼的血尿(色調により本人が気づく血尿)は、「膀胱腫瘍」の可能性が高いとするコメントも寄せられました。続いて、男女間での血尿の出やすさの違いについては、「女性の方が出やすい」と「男女で差はない」が二分する結果となりました。いずれにせよ、男女ともに血尿には注意が必要なようで、血尿だとわかった際は、すぐに病院を受診することをおすすめします。
血尿
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尿に血が混じる「血尿」。
自分の尿に血が混じっていると、深刻な疾患を発症しているのでは…と不安になる方もおられると思います。
そんな血尿を引き起こす原因とは一体何なのでしょうか。
また、性別によって血尿の出やすさなど変わることはあるのでしょうか。

そこで今回は、

  • 血尿を引き起こす原因として多いものは何か?
  • 男女で血尿の出やすさに違いはあるか?

について、泌尿器科医165名に聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年5月12日〜5月15日にかけて行われ、泌尿器科医165名から回答を頂きました。

「膀胱炎」「膀胱癌」「尿路結石」が最多で回答

「血尿を引き起こす原因として多いものは何ですか」という質問に対し、以下の選択肢から選んでもらいコメントを頂きました。

  • 膀胱炎
  • 前立腺炎
  • 尿路結石
  • 糸球体腎炎
  • 前立腺肥大症
  • 腎盂腎炎
  • 尿道腫瘍
  • 膀胱癌
  • 前立腺癌
  • 腎梗塞
  • 外傷
  • 睡眠不足
  • 過労・ストレス
  • 運動
  • その他

以下が結果となります。

  • 50代男性 泌尿器科
    血尿の原因はさまざまで上記どれでも起こりえますが、疾患の頻度として膀胱炎、膀胱癌、尿路結石の3つが多いという印象です。
  • 40代男性 泌尿器科
    非泌尿器科の先生方は、 50 歳以上肉眼的血尿=膀胱腫瘍とインプットしてもいいくらいだと思います。
  • 60代男性 泌尿器科
    泌尿器科医にとっては特に肉眼的血尿は尿路悪性腫瘍の初期症状となるため、膀胱尿道鏡検査、尿細胞診、尿路超音波検査は必須です。
  • 50代男性 泌尿器科
    女性の血尿(肉眼的)で多いのは膀胱炎です。男性は通常膀胱炎はありませんので尿路の精査が必要です。
  • 60代男性 泌尿器科
    血尿と言えば尿路結石、膀胱癌ですが、高齢者での出血性膀胱炎も多いです。
  • 60代男性 泌尿器科
    尿路結石、膀胱炎、膀胱癌、腎癌の順に多いです。膀胱炎を2番目にしたのは症例数が膀胱癌、腎癌より多いため。疾患の発生頻度を無視すると膀胱癌、腎癌のほうが血尿を生じやすいです。
  • 50代男性 泌尿器科
    泌尿器科医です。臨床上、だいたい上記でいいと思われます。痛みを伴わない血尿が要注意です。
  • 40代男性 泌尿器科
    肉眼的血尿は疲労やストレスでは起きません。様子を見ないで泌尿器科を受診しましょう。
  • 40代男性 泌尿器科
    疲れやストレスによる血尿はあまり見たことがないので、都市伝説だと思っています。フルマラソンを走るのなら分かりますが。
  • 50代男性 泌尿器科
    体動時に認める生理的血尿や遊走腎に起因した血尿のように、治療不要な場合が圧倒的に多いです。

集計の結果、「膀胱炎」「膀胱癌」「尿路結石」が群を抜いて多い結果となりました。

医師からは、肉眼的血尿は尿路悪性腫瘍の初期症状になるため、膀胱尿道鏡検査、尿細胞診、尿路超音波検査は必須との意見や、痛みを伴わない血尿は要注意との声が挙がりました。
また、50歳以上の肉眼的血尿(色調により本人が気づく血尿)は「膀胱腫瘍」と思ってもいいくらい、とする医師のコメントもありました。さらに、高齢者では「出血性膀胱炎」も多いとのこと。年齢によっても血尿の原因に変化があるようですね。
参考:血尿診断ガイドライン - 日本腎臓学会

なかには、女性の血尿で多いのは膀胱炎であり、逆に男性は通常膀胱炎はないと述べた医師もおり、性別によっても事情が変わってくるようです。
他にも、疲れやストレスによる血尿はあまりない、とした医師もおられたことから、全体を通して自己判断で様子を見てよい血尿は少ないのかもしれません。
このため、明らかに色が違うと気づく場合や、痛みがない血尿の場合は、病院を受診した方が良いことが窺えます。その際は、色々な検査ができる泌尿器科へ行くようにしましょう。

「女性の方が出やすい」と「男女で差はない」が二分する結果に

  • 40代男性 泌尿器科 女性の方が出やすい
    膀胱炎は女性がなる病気だからです。男性の血尿で膀胱炎ということはありません。尿路結石や膀胱癌などを考慮します。
  • 50代男性 泌尿器科 女性の方が出やすい
    膀胱炎で出ることが多いので。
  • 60代男性 泌尿器科 女性の方が出やすい
    尿路結石、膀胱癌は男性に多いですが、出血性膀胱炎は女性に多いです。
  • 顕微鏡的血尿は圧倒的に女性に多いです。
  • 60代男性 泌尿器科 女性の方が出やすい
    女性の尿道は短いので膀胱炎を生じやすく上記としました。
  • 50代男性 泌尿器科 男女で差はない
    疾患の男女比の違いで差が出るかもしれませんが、性別は大きな問題ではありません。
  • 50代男性 泌尿器科 男女で差はない 
    年齢階層別に考えれば、年層では女性は膀胱炎が多く、男性は尿路結石が多い。中年以降は、女性は膀胱炎と悪性腫瘍、男性は悪性腫瘍でしょう。
  • 40代男性 泌尿器科 男女で差はない
    男女で差はないと思いますが、両性とも特有の病気であることも多いですので診療科は専門科が良いと思います(原因特定後)。
  • 50代男性 泌尿器科 男女で差はない
    女性の方が、圧倒的に膀胱炎が多いので、女性の血尿をよく経験します。しかし、女性のほうが出血しやすいということはないと思います。
  • 30代男性 泌尿器科 男性の方が出やすい
    膀胱腫瘍が男性の方が多いのと、前立腺肥大でも血尿となることがあるため、男性の方が多い印象です。
  • 40代男性 泌尿器科 男性の方が出やすい
    膀胱炎は女性に多いですが、それよりも膀胱癌、前立腺肥大症、尿路結石症は圧倒的に男性が多いためです。

「男女で血尿の出やすさに違いはありますか」という質問に対し、44%の医師が「女性の方が出やすい」との見解を明らかにし、次に42%の医師が「男女で差はない」と回答しました。
このため、「女性の方が出やすい」と「男女比に差はない」で意見が分かれるという結果となりました。

「女性の方が出やすい」と回答した医師からは、女性の場合、膀胱炎や顕微的血尿が多いことが根拠のようです。

しかし、「女性の方が出血しやすいということはない」との声もあり、血尿が出る原因は膀胱炎だけではなく、他にもいろいろとあるため、性別で大きな差はないと考える医師もおられるようです。
また、「若年層では女性は膀胱炎が多く、男性は尿路結石が多い。中年以降は、女性は膀胱炎と悪性腫瘍、男性は悪性腫瘍が多い」と考えるコメントを頂きました。男女ともに血尿には注意が必要なようで、特に中年以降は悪性腫瘍が多いとのこと。血尿だとわかった際は、病院を受診することが大事そうです。

血尿を引き起こす原因は「膀胱炎」「膀胱癌」「尿路結石」。男女に差があるかは、意見が分かれる。

本調査では、血尿を引き起こす原因として「膀胱炎」「膀胱癌」「尿路結石」が多く回答されました。血尿を引き起こす原因は様々ですが、この3つが特に多いようです。
また、男女で血尿の出やすさに違いは、「女性の方が出やすい」と「男女で差はない」で二分する結果になりました。
女性は膀胱炎や顕微鏡的血尿の頻度が高いことが理由として考えられるようです。一方で、男女で差はないと回答した医師は、病気の種類は男女で差は出るかもしれないが、性別によって血尿の頻度に大きな差はない、との見解のようでした。
いずれにせよ、男女ともに血尿には注意が必要なようです。特に中年以降は悪性腫瘍が多いとのこと。血尿だとわかった際は、すぐに病院を受診することをおすすめします。

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