出血性膀胱炎って何が原因?血尿以外にどんな症状があるの?泌尿器科医165名に聞いてみました

お腹を押さえる人形
本調査では、70%もの医師が「細菌感染」により出血性膀胱炎になり得ると考えていることがわかりました。また、2番目には13%の医師が「放射線治療の影響」と回答しました。腹部に放射線を当てることにより、膀胱炎を引き起こすことがあるようです。次に血尿以外の随伴症状について質問したところ、「排尿時痛」、「頻尿」、「残尿感」が多く回答される結果となりました。医師からは、「女性では排尿時痛・頻尿が多いです。男性では前立腺の影響がありますので、排尿困難などが起こりえます。」とのコメントも頂いており、性別によって症状が異なる場合もあるようです。症状を悪化させず、長引かさないためにも、血尿やこのような症状が出たら医師の診察を受けることを推奨します。
血尿
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血尿が出たとき、重大な疾患を抱えているのではないかと不安に思う方も多いと思います。
そのため、前回は「血尿が出る原因」について調査しましたが、その結果、「膀胱炎」が最も多く回答されました。
そんな膀胱炎ですが、どういった原因で発症し、血尿以外にどのような症状が現れるのでしょうか。

そこで今回は、出血性膀胱炎の原因と随伴症状について、泌尿器科医、計165名に聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年5月12日〜5月15日にかけて行われ、泌尿器科医の計165名から回答を頂きました。

70%以上の医師が“細菌感染”と回答

まず初めに、どのような原因で出血性膀胱炎になるのかを聞いてみました。

  • 60代男性 泌尿器科 細菌感染
    細菌性膀胱炎が多いと思います。
  • 50代男性 泌尿器科 細菌感染
    大部分が細菌感染による膀胱炎であると考えます。
  • 50代男性 泌尿器科 細菌感染
    検尿培養検査でほぼ細菌が検出されています。
  • 50代男性 泌尿器科 細菌感染
    圧倒的に細菌性膀胱炎です。閉経前はグラム陽性菌、閉経後は(耐性)グラム陰性菌が増加します。男性の場合、複雑性尿路感染症に合併することが多いですが、中年以降はグラム陰性菌が多いです。
  • 50代男性 泌尿器科 細菌感染
    大腸菌が多いですが、最近では初診でESBLが検出されることが多いです。
  • 60代男性 泌尿器科 細菌感染
    大腸菌を原因とする膀胱炎による血尿が多いと思います。
  • 40代男性 泌尿器科 細菌感染
    大腸菌によるものが多いです。
  • 40代男性 泌尿器科 細菌感染
    細菌感染以外は比較的まれと思います。
  • 40代男性 泌尿器科 放射線治療の影響
    時代とともに減ってきています。
  • 60代男性 泌尿器科 放射線治療の影響
    私は泌尿器科医になって44年目です。考えてみると、昔は放射線性膀胱炎が多く、よく手動の膀胱洗浄をしていたと思います。しかし最近は放射線性膀胱炎は少なくなったと思っています。

「出血性膀胱炎の原因として最も多いものは何ですか」という質問に対し、70%の医師が“細菌感染”と回答しました。

医師からは「細菌感染以外は比較的まれ」「検尿培養検査でほぼ細菌が検出」とのコメントが寄せられており、細菌感染の多さがわかります。

また、大腸菌が多いといったコメントが複数寄せられ、細菌感染のなかでも大腸菌が原因であることが多いようです。
大腸菌とは、以下のように説明されています。

“大腸菌はグラム陰性細菌の一種で、健康な人の腸に存在しますが、特定の菌株が感染症を引き起こします。

〔中略〕健康な人の消化管には数種類(菌株)の大腸菌が定住しています。しかし、一部の菌株の大腸菌は、いくつかの遺伝子を獲得したことで、消化管や他の部位(尿路が最も一般的)で感染症を引き起こすようになりました。大腸菌は女性の膀胱に起こる感染症の最も一般的な原因です。”
引用:大腸菌 感染症 - 16. 感染症 - MSDマニュアル家庭版

膀胱炎の原因で挙げられた大腸菌ですが、この菌は誰にでも存在しているようですし、膀胱炎はいろんな状況下で起こり得そうですね。

次に多かった“放射線治療の影響”ですが、これは腹部に放射線を当てた際、その副作用として直腸や膀胱の粘膜が障害を受けて膀胱炎を発症するようです。
参考:放射線治療とは | 社会医療法人財団 石心会 川崎幸病院 放射線治療センター

しかし、医師からは「時代とともに減ってきています。」といったコメントを頂きました。医療技術が発展していくにつれて、膀胱炎に発展するケースが減ってきているのでしょうか。
さて、そんな大腸菌による細菌感染が多い出血性膀胱炎ですが、血尿の他にはどのような症状が現れるのでしょうか。こちらも聞いてみました。

血尿以外の症状は、“排尿時痛”が最多

「血尿以外の出血性膀胱炎で多く見られる症状は何ですか」という質問に対し、以下の選択肢から選んでもらい、コメントを頂きました。

  • 排尿時痛
  • 頻尿
  • 残尿感
  • 尿閉
  • 腹痛
  • その他

以下が結果となります。

  • 50代男性 泌尿器科
    出血以外は普通の膀胱炎です。
  • 40代男性 泌尿器科
    いわゆる膀胱炎の典型的な症状だと思います。
  • 40代男性 泌尿器科
    排尿時痛、頻尿、残尿感が多いと思います。
  • 50代男性 泌尿器科
    女性では排尿時痛・頻尿が多いです。男性では前立腺の影響がありますので、排尿困難などが起こりえます。
  • 40代男性 泌尿器科
    残尿感を感じる方が多いように思います。
  • 50代男性 泌尿器科
    排尿時痛、頻尿、残尿感の症状が多いのではないでしょうか。
  • 50代男性 泌尿器科
    炎症なので、炎症に伴う刺激症状がみられます。
  • 40代男性 泌尿器科
    出血をきたす膀胱炎は炎症の程度が強く、一般的な膀胱炎に比べて臨床症状が強いと思います。凝血によりタンポナーデを起こす場合もありますが、頻度はそれほど高くないように思います。
  • 50代男性 泌尿器科
    膀胱粘膜の浮腫とともに出血が起こるので刺激症状が強くなるのはある意味当然です。
  • 40代男性 泌尿器科
    膀胱炎による排尿痛が最も多いでしょうか。

今回の調査では、「排尿時痛」が最も多い結果となりました。

医師のコメントからは、通常の膀胱炎と同じく、排尿時痛や頻尿、残尿感が症状として現れることが多いといった意見が散見されました。
「女性では排尿時痛・頻尿が多いです。男性では前立腺の影響がありますので、排尿困難などが起こりえます。」とのコメントも頂いており、性別によって現れる症状が異なる場合があるようです。

また、出血をきたす膀胱炎は炎症の程度が強いため、一般的な膀胱炎に比べて臨床症状が強いとのコメントも寄せられています。出血性膀胱炎は、通常よりも症状が強く現れることがある、と考える医師もおられるようです。
膀胱炎が悪化しないよう、血尿やこのような症状が出たらすぐに病院を受診されることをおすすめします。

出血性膀胱炎の多くは細菌感染。血尿以外に排尿痛、頻尿、残尿感が現れる

今回の調査では、出血性膀胱炎の原因は、「細菌感染」が多いと考える医師が70%に及ぶ結果となりました。
なかでも大腸菌によるものが多いとの指摘がありました。この菌は誰にでも存在しているようですし、膀胱炎はいろんな状況下で起こり得そうでした。
また、放射線治療の影響にて出血性膀胱炎になるとの回答が2番目に多い結果となりました。
血尿以外の症状については、「排尿時痛」、「頻尿」、「残尿感」が挙げられました。これらは通常の膀胱炎でも見られる症状のようですが、出血が伴う場合は炎症が強いため、通常に比べて症状が強く現れると考える医師もおられるようでした。
症状の悪化や、長く苦しまないためにも、このような症状がでたらすぐに病院へ受診されることをおすすめします。

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