自己判断で下剤を服用してもいいの?下剤以外の便秘の解消法は?医師525名に聞いてみました

女性のお腹
自己判断で下剤を使用することに対して、「多少ならば使用してもよい」と回答した医師が52%、続いて「使用してもよい」が37%と、合わせて9割近くの回答者が使用することに肯定的な結果となりました。ただし、肯定的な医師の多くが、使用方法や用量を十分に理解し適切に使用すること、そして、大腸がんなどの器質的疾患の可能性がないことを服用時の前提条件として挙げています。その点に関しては、自己判断の使用に否定的な見解をもつ医師と一致していました。また否定的な医師のコメントからは、下剤使用の習慣性や乱用の可能性に懸念するコメントも見られています。一方で、下剤以外での便秘の解消法を聞いたところ、「水分を十分にとる」が最多で回答されました。水分不足の場合、便が硬く出にくいといったことがあるようです。その後を「規則的な排便習慣をつける」、「食物繊維の豊富な野菜や果物をとる」が続きました。便秘で悩んでいる方は、まずは日常生活から見直されてみてはいかがでしょうか。
便秘・血便
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もう何日も便が出てないなどつらい便秘の症状。
その悩みは様々だと思います。
便秘の症状で悩まれている方には、下剤を服用して排便を促した経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、自己判断で下剤を服用することに問題がないのか気になりますよね。
また、下剤を服用せずとも便秘を解消する方法があれば知りたいところです。
そこで今回は、気になる便秘の解消方法について、一般内科医、消化器内科医、消化器外科医、一般外科医、計525名医師の方に聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年5月20日〜5月23日にかけて行われ、一般内科医、消化器内科医、消化器外科医、一般外科医、計525名から回答を頂きました。

自己判断で下剤を使う場合、用法・用量を理解し、病気がないことの確認が大事

便秘の解消法の一つとして、下剤を服用した経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。まずは、自己判断で下剤を服用することに問題はないのか医師の方に聞いてみました。

自己判断で下剤を使用することに対し、回答した医師の52%が「多少ならば使用しても良い」、37%が「使用しても良い」と、9割近くが肯定的であり、否定派に対し、肯定派が大いに上回る結果となりました。

それでは、各回答を選択した医師のコメントを見ていきましょう。

自己判断で下剤の使用に肯定的な理由とは?

  • 50代男性 一般内科 「多少ならば使用しても良い」
    便秘に対して患者さんは知識不足です。十分な理解の元では使用しても良いと思います。
  • 40代男性 一般内科 「多少ならば使用しても良い」
    原因疾患が特定できており、病態的に安定していれば良いと思います。
  • 60代男性 消化器外科 「多少ならば使用しても良い」
    用法・用量さえ指導すれば、多少なら使用しても良いと考えます。
  • 40代男性 一般内科 「多少ならば使用しても良い」
    通常の便秘で血便などの随伴症状がなければ使用してもいいと思います。
  • 40代男性 一般外科 「多少ならば使用しても良い」
    医者から許可がある場合は自己判断で調整しても良いと思います。本人は便秘と思っていても、腸閉塞の場合は逆効果になるので注意が必要です。
  • 50代女性 一般外科 「多少ならば使用しても良い」
    基本は運動や食事やマッサージですが、効果がない時やタイミングがずれた時などは、使用してもいいと思います。仕事中だと女性の場合、便意があっても抵抗があるためタイミングを逃しやすいですよね。それが続いた時などは、下剤で調整してもいいのでは?と思っています。
  • 60代男性 一般内科 「使用しても良い」
    常用量が理解できている患者さんには自己判断してもいいかと思います。
  • 60代男性 一般内科 「使用しても良い」
    重大な器質的疾患を除外できたと仮定して、患者自身の判断で使用してもよいと思います。
  • 60代男性 一般外科 「使用しても良い」
    適切な使用方法を説明しておいて、自己判断で使用してもらい、結果を聞いて、さらに指導していくのがいいと思っています。
  • 60代男性 一般内科医 「使用しても良い」
    ただその前に便秘の器質的原因(大腸がんなど)がないことを確認すべきです。

下剤を使用することに対して肯定的な医師のコメントからは、使用するにあたって用法・用量を十分に理解し適切に使用すること、そして、血便などの随伴症状がなく、器質的疾患(大腸がん等)の可能性がないことを前提とした便秘であれば、服用しても良いとの見解が多く見られました。

該当するコメントには、「適切な使用方法を説明し、自己判断で使用してもらい、結果を聞いて、さらに指導していく」といった方法を薦めていた医師もおり、やはり使用方法をしっかりと守ることが重要で、医師に相談しながらが確実なようですね。

また、「本人は便秘と思っていても腸閉塞の場合は逆効果」や「便秘の器質的原因(大腸がんなど)がないことを使用前に確認すべき」といったコメントも見られました。
病気がある場合に自己判断で下剤を使用するのはまずいことから、事前に一度医師に相談・検査をしてから服用した方がよさそうです。

一方で、否定的な見解を示した医師はどのような意見を寄せているのでしょうか。

自己判断で下剤の使用に否定的なその理由

  • 40代女性 消化器内科 「あまり使用しない方が良い」
    長期服用がお勧めできないものも多くあります。
  • 60代男性 一般内科 「あまり使用しない方が良い」
    患者さんは便秘でない場合も便秘だと思い込んでいる場合があります。
  • 40代女性 一般内科 「あまり使用しない方が良い」
    下剤を使用しすぎて電解質異常になる方などいます。
  • 60代男性 一般内科 「あまり使用しない方が良い」
    習慣になる可能性があります。
  • 50代女性 一般内科 「あまり使用しない方が良い」
    用量がセルフコントロールしにくいのではないかと思います。
  • 60代男性 一般内科 「あまり使用しない方が良い」
    一時的には有益と考えますが、対症療法薬ですので、頼らないのが望ましいです。
  • 40代男性 一般内科 「使用しない方が良い」
    器質的疾患の可能性があるためです。
  • 60代男性 一般内科 「使用しない方が良い」
    便秘の病態が違い、応じた治療薬が必要だと思いますので。
  • 60代男性 一般内科 「使用しない方が良い」
    大腸がんの可能性を否定できないので使用しない方がいいです。
  • 50代男性 消化器内科 「使用しない方が良い」
    他に病気が隠れていたら大変だと考えています。

自己判断で下剤を服用しない方が良いと考える医師からは、服用の習慣性や乱用の可能性に対し危惧する見解が挙げられ、コメントでは「使用しすぎて電解質異常になる方がいる」といった医師の経験談も見られました。
加えて、前項でもあったように、大腸がんなどの器質性疾患や他の疾患が隠れている可能性に対し危惧するコメントも寄せられました。
「一時的には有益ですが対症療法薬です」や「便秘の病態に応じた治療薬が必要です」といったコメントもあるように、あくまで下剤の服用は根本的な対策にはならないことを念頭に置き、一度病院を受診し、疾患の有無などを確認することも大事そうです。

最後に、下剤に頼ることなく便秘を解消する方法はないか聞いてみました。

おすすめの便秘の解消法

「下剤以外で患者が自身で取り組める便秘解消方法として良いものは何ですか」という質問について、以下の選択肢から選んでもらい、コメントを頂きました。

  • 運動やストレッチを行う
  • 規則的な排便習慣をつける
  • 十分な睡眠をとる
  • 毎日朝食をとる
  • 水分を十分にとる
  • 食物繊維の豊富な野菜や果物をとる
  • 起床時など空腹時に、冷水や牛乳を飲む
  • 腹部を温める、または入浴
  • 便意を我慢しない
  • 整腸剤を使う
  • その他

以下が結果となります。

  • 60代男性 一般外科 「水分を十分にとる」
    水分がないと便が硬くなるためです。
  • 60代男性 一般内科 「水分を十分にとる」
    朝の起き抜けにコップ1杯の水を飲むことをおすすめします。
  • 50代男性 一般内科 「水分を十分にとる」
    水分摂取が不足している人が多いと思います。
  • 40代男性 一般外科 「水分を十分にとる」
    水分を摂らない人は、便が硬くて出しにくい人が多いと思います。
  • 50代男性 一般内科 「規則的な排便習慣をつける」
    何れも悪い選択肢は無いと思いますが、何より患者さんに、ほぼ毎日規則的に排便が有る事が重要であるという認識を持ってもらう事が大切です。
  • 60代男性 一般外科 「規則的な排便習慣をつける」
    便意を我慢せず、排便習慣をつけています。起床時に腹鳴があり必ずトイレに行くことが大切です。
  • 50代女性 一般外科 「規則的な排便習慣をつける」
    規則正しい排便習慣が一番ですよね。朝必ず出るという方が羨ましいです。
  • 50代男性 一般内科 「食物繊維の豊富な野菜や果物をとる」
    食物繊維摂取は有効性が高く、良い方法だと思います。
  • 50代男性 一般内科 「食物繊維の豊富な野菜や果物をとる」
    充分な水分をとることや食物繊維を摂取することは重要であると考えます。
  • 70代男性 一般内科 「食物繊維の豊富な野菜や果物をとる」
    生活習慣を適正化し、運動と水分や野菜海藻繊維をたっぷり取るだけで多くの便秘は改善します。

便秘の解消法において、最も回答が多かったのが「水分を十分にとること」、その後を「規則的な排便習慣をつける」「食物繊維の豊富な野菜や果物をとる」が続きました。

「水分を十分にとる」を選択した医師からは、「水分を摂らないと便が硬くなる」といったコメントが見られました。
便は大腸で少しずつ水分を吸収されて直腸へと運ばれるため、体の水分が不足していると水が過剰に吸収されることで硬くなってしまい、それが便秘に繋がるようです。
また、「朝の起き抜けにコップ1杯の水を飲むことをおすすめします。」といったアドバイスも頂きました。どのタイミングで飲めばいいかわからないという方は、こちらのアドバイスを参考にしてみてはいかがでしょうか。

「規則的な排便習慣をつける」を選択した医師からは、我慢などをせず、ほぼ毎日規則的な排便があることが望ましく、まずはその認識を持つことが大切とのコメントがありました。
他にも、「生活習慣を適正化し、運動と水分や野菜海藻繊維をたっぷり取るだけで多くの便秘は改善します。」といった意見も挙げられました。
すぐに下剤に頼るのではなく、このように食生活や生活習慣を見直すことで、便秘が解消するケースもあるようです。

正しい判断のもと、便秘の解消に取り組みましょう

今回の調査では、便秘の解消に自己判断で下剤を服用しても問題はないのか、また、下剤以外での便秘の解消法について、医師に調査いたしました。
自己判断で下剤を使用することについて、約9割近い医師が肯定的な考えを示しました。

ただし、使用方法・用量を理解したうえでの使用や、大腸がんなどの器質的疾患の可能性を確認してからとのコメントが散見されています。
自身が便秘と思っていても腸閉塞だったというケースもあるようで、一度便秘以外の病気が隠れていないか、検査をしてから服用することをおすすめします。

また、下剤以外で取り組める便秘の解消法としては、最も多く回答されたものは「水分を十分にとる」でした。水分が不足すると、便が硬くなり出にくくなるようです。
他にも、規則的な排便習慣をつけることや、食物繊維などが豊富に含まれている野菜・果物をとることも効果的との回答がありました。
下剤を使用する前に、上記のことを試してみてはいかがでしょうか。

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