どのような状況で不眠症を疑うべき?精神科医・心療内科医232名に聞いてみました

寝ている女性
本調査によれば、不眠症を疑うべき状況は、「寝付くまでの時間が長い」「夜中に頻繁に目が覚める」の2つが多く回答される結果となりました。眠りに対する不安が強い人ほど不眠に陥りやすい、と考えている医師もいるようで、「不眠恐怖症と同義」とする意見も見られました。 また、不眠症だと判断する場合に重要なポイントは、「日中の生活への影響の有無」が最も支持を集めました。特にスマートフォンが普及したことに伴い、就寝前にスマホを見てしまう方もおられるのではないでしょうか。こうした自身の生活リズムを見直し、それでも日常生活に支障をきたすような場合は、不眠症を疑った方がよさそうです。
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厚生労働省が発表している『平成28年「国民健康・栄養調査」の結果』によると、1ヶ月で19.7%の方が睡眠で十分な休息が得られていないと感じているようです。
その数値は有意に増加しているようで、現代において「睡眠不足」が大きな問題となっていることがわかります。
参考:平成28年「国民健康・栄養調査」の結果

なかには、不眠症により睡眠をとることができない方もいるかと思います。
そんな不眠症ですが、どのような状況で疑うべきなのでしょうか。また、自分が不眠症だと判断する場合に重要となってくるポイントとはどこなのでしょう。

そこで今回は、不眠症を疑うべき状況とはどのような時か、また不眠症だと判断する場合に重要なポイントとは何かを精神科、心療内科医 232名に聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年4月15日〜4月16日にかけて行われ、心療内科、精神科医、計232名から回答を頂きました。

不眠症を疑うべき状況は、どのような時?

「自身が不眠症ではないか、と疑うべきなのはどのような状況ですか」という質問に対し、以下の選択肢から選んでもらい、コメントを頂きました。

  • 寝付くまでの時間が長い
  • 夜中に頻繁に目が覚める
  • 朝のすっきり感がない
  • 日中に気が滅入る
  • 日中の活動感がよくない
  • 日中の眠気が激しい
  • その他

以下が結果となります。

  • 40代女性 精神科 「寝付くまでの時間が長い」
  • 入眠、中途覚醒、早朝覚醒、日中の活動状況が重要と思います。
  • 30代男性 精神科 「寝付くまでの時間が長い」
    すぐに寝付けないと、という強迫観念も影響しているように思えます。
  • 40代男性 心療内科 「寝付くまでの時間が長い」
    眠れてないのではないか、と疑いだしたら不眠症のサインです。
  • 50代男性 精神科 「夜中に頻繁に目が覚める」
    睡眠時間にとらわれて、そのことばかり考えている人が不眠症になりやすいです。不眠恐怖症と同義だと思います。
  • 40代女性 精神科 「夜中に頻繁に目が覚める」
    中途覚醒が頻回、入眠障害、早朝覚醒があれば疑います。
  • 30代男性 精神科 「夜中に頻繁に目が覚める」
    寝付くまでの時間が長い 、 夜中に頻繁に目が覚めることではないでしょうか。
  • 50代女性 精神科 「日中の眠気が激しい」
    睡眠障害で日常生活に支障が出た場合、考えるべきだと思います。
  • 60代男性 精神科 「日中の眠気が激しい」
    とにかく、不眠および眠気についての不満が多く、日中の活動状況の不備を訴えるものは少ないです。
  • 40代男性 心療内科 「日中の眠気が激しい」
    睡眠は日中に活動するためのものでもあるので、日中への影響を考慮する必要があります。
  • 60代男性 精神科 「朝のすっきり感がない」
    やはり、朝の爽快感が大切です。
  • 50代男性 精神科 「日中の活動感がよくない」
    睡眠障害に加え、日中活動に支障があれば疑います。逆に支障が無ければ、治療の必要はありません。
  • 40代男性 精神科 「日中に気が滅入る」
    鬱(うつ)が絡む人もいるので、気分についても聞いた方がよいかもしれません。
  • 40代男性 精神科 「その他」
    日常生活に支障が出るくらいの不眠症が一定期間続いたら、不眠症だと疑っても良いでしょう。
  • 60代男性 精神科 「その他」
    不眠を訴える方の多くは、眠ることに執着しすぎてかえって不眠を悪化させているように思えます。

集計の結果、不眠症を疑う状況として「寝付くまでの時間が長い」「夜中に頻繁に目が覚める」の2つが支持されました。このような症状が現れると不眠症を疑うようですね。

眠る準備が整ったとしてもすぐに寝付けないといけない、といった不安にかられるケースもあるようで、眠りに対する不安が強い人ほど不眠に陥りやすい、と考えている医師もいるようです。
不眠はうつ病の症状として現れることもあるというコメントもあり、気分の落ち込みや意欲の低下を伴うようなら、注意が必要かもしれません。
また、医師からは日中の眠気や日常生活に支障をきたす場合などは疑うとのコメントが多く寄せられました。

それでは、不眠症だと判断するのに重要なポイントとは何なのでしょうか。

不眠症だと判断する場合に重要なポイントは?

「不眠症だと判断する場合に重要なポイントは何ですか」という質問に対し、次の選択肢から選んでもらい、コメントを頂きました。

  • 日中の生活への影響の有無
  • うつ病など他の精神疾患を除外できるか
  • もともとの生活リズム
  • 他の身体症状の有無
  • 睡眠を妨げる環境因子の有無
  • その他

以下が結果となります。

  • 40代男性 心療内科 「日中の生活への影響の有無」
    精神疾患に伴う不眠も見ていますが、精神疾患を除外できるケースはそんなに多くないと思います。
  • 30代女性 精神科 「日中の生活への影響の有無」
    日中の生活への影響がなければ、不眠症ではないと思います。
  • 50代男性 精神科 「日中の生活への影響の有無」
    多少睡眠時間が短くても日中のパフォーマンスが良好であれば、治療対象にならないと思います。
  • 50代男性 心療内科 「うつ病など他の精神疾患を除外できるか」
    睡眠薬のみでは効き難い不眠症は、うつ傾向などが絡んでいないかが要注意だと考えます。
  • 40代女性 心療内科 「うつ病など他の精神疾患を除外できるか」
    抑うつ感やその他の症状の有無について聞く必要があります。
  • 40代男性 精神科 「うつ病など他の精神疾患を除外できるか」
    単なる神経症性不眠か背景にさらに重大な精神疾患があるのかの鑑別が重要と思います。
  • 40代男性 精神科 「もともとの生活リズム」
    元々の生活リズムで朝寝て夕方起きる人に「不眠症」との診断は付けられないと思います。また、診断・治療するに至る判断には日常生活への影響度がかなりウェイトを占めてきます。
  • 50代男性 心療内科 「もともとの生活リズム」
    生活のリズムの乱れが、一番の原因だと考えています。
  • 60代男性 精神科 「もともとの生活リズム」
    ほとんどが遅寝遅起きの生活リズムと昼寝と日中の低活動です。
  • 50代男性 精神科 「睡眠を妨げる環境因子の有無」
    大人でもスマホ依存で不眠という例があります。逆に、スマホ依存という相談で、不眠の方が元々の問題である例も見られます。
  • 40代男性 心療内科 「睡眠を妨げる環境因子の有無」
    寝る前のスマホは相当影響しているかと思います。
  • 40代女性 精神科 「睡眠を妨げる環境因子の有無」
    スマホを見るなど、寝る前に睡眠を妨げる活動をしていないかが重要だと思います。

集計の結果、不眠症だと判断する場合に重要なポイントとして最も多くあげられたのが、「日中の生活(日常生活)への影響の有無」でした。
医師のコメントでは、「日中の生活への影響がなければ、不眠症ではない」という医師もおられたことから、やはり日常生活の影響が大事なようです。

また、不眠症をきたす要因としては、「生活のリズムの乱れが、一番の原因」や「ほとんどが遅寝遅起きの生活リズムと昼寝と日中の低活動」といった意見が見られました。

さらに複数みられたのは、睡眠前にスマホをいじることが不眠を促してしまうといった意見です。部屋の灯りを消してからスマホをいじり、ライトを浴びることが睡眠を邪魔してしまうようです。
以下のブルーライト研究会の説明も踏まえると、夜遅い時間まで光を見続けると、サーカディアンリズム(体内時計)が乱れてしまい、寝つきが悪くなったり、睡眠の質を低下させてしまったりするようです。
日中スマホをよく見る方でも、就寝前だけはスマホから目を離した方が良さそうですね。
参考: ブルーライト研究会

寝付くまでの時間が長かったり、日常生活に支障が出てきたりする際は、不眠症かも?

本調査では、不眠症を疑うべき状況について、「寝付くまでの時間が長い」「夜中頻繁に目が覚める」の2つが多くの支持を集めました。
眠りに対する不安が強い人ほど不眠に陥りやすい、と考えている医師もいるようで、コメントでは「不眠恐怖症と同義」とする意見も見られました。
また、不眠症と判断する場合に重要なポイントは、「日中の生活への影響の有無」とした医師が最も多かったです。
特にスマートフォンが普及したことに伴い、スマホ依存になっている方もおられるのではないでしょうか。
しかし、就寝前に暗い中でスマホをいじり、ライトを浴び続けていると、睡眠の質は低下してしまいます。
遅寝遅起きや昼寝をしてしまう人も、安定的な睡眠を測れないため、注意が必要です。
こうした自身の生活リズムを見直し、それでも日常生活に支障をきたすような場合は、不眠症を疑った方がよさそうです。

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