高血圧の際に降圧薬は服用すべき?医師521人に聞いてみました

薬と野菜
今回の調査では、「高血圧の際、血圧を下げる方法として降圧剤は積極的に用いるべきだと思いますか。」という質問に対し、「状況により用いるべき」という回答が57%で最多となり、次に「積極的に用いるべき」が37%で続く結果となりました。降圧薬の使用については「使用すべき」とした医師の中でも、投薬が先か、生活習慣の改善が先かで意見が分かれました。一方、どの選択肢を選んだ医師のコメントでも、漫然と投薬を続けるべきではないという意見は共通していました。薬を飲むタイミングや調整については医師と相談しながら、生活習慣改善の努力をしていくことが高血圧の治療には重要なようです。
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高血圧の対策として、食事や睡眠などの生活習慣の改善が大事なことは、以前の記事でお話ししました。

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とはいえ、生活習慣の改善を試みても血圧が下がらないときもあるようです。
そんな時、血圧を下げる薬(降圧薬)を用いることがあるようなのですが、降圧薬は積極的に使用していいのか、副作用はあるのかなど疑問に思ったことがある方もおられるのではないでしょうか。
そこで今回は、血圧を下げるために降圧薬は用いるべきなのか医師521人に聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年4月18日〜4月19日にかけて行われ、一般内科・循環器内科医521名から回答を頂きました。

降圧薬は積極的に用いるべきなの?

本調査では、「高血圧の際、血圧を下げる方法として降圧剤は積極的に用いるべきだと思いますか。」という質問に対し、以下の選択肢から回答してもらい、コメントも併せていただきました。

  • 積極的に用いるべき
  • 状況により用いるべき
  • なるべく用いるべきでない
  • 用いるべきでない

その結果が以下のグラフになります。

集計では、「状況により用いるべき」が57%で最多となり、「積極的に用いるべき」が37%と続きました。
「状況により用いるべき」と「積極的に用いるべき」を合わせると、実に9割以上の医師が高血圧の際には降圧薬を用いた方が良いと考えていることがわかりました。
では、それぞれの選択肢を選んだ医師のコメントを、回答の多かった順に見ていきましょう。

降圧薬は状況により用いるべき

  • 50代男性 一般内科 循環器内科 「状況により用いるべき」
    合併症の有無にもよります。まずは生活習慣の改善と、自宅での血圧測定(家庭血圧)の重要性とその実行を勧めます。多くの中高年患者では自宅に血圧計があるものです。
  • 50代女性 一般内科 「状況により用いるべき」
    ストレス解消、十分な睡眠、減塩、運動、減量を行って高血圧が続ければ積極的に降圧剤投与します。
  • 30代男性 一般内科 「状況により用いるべき」
    降圧薬にも副作用があり注意が必要です。生活習慣にて予防することが一番大事だと思います。
  • 50代男性 一般内科 「状況により用いるべき」
    いちばんは塩分摂取量を控えること、次に睡眠障害がないことだと思います。それでも血圧が高ければ、降圧薬の服用でしょうか。
  • 60代男性 一般内科 「状況により用いるべき」
    生活環境でかなり変わりますが、生活をかえられない人は降圧剤を服用する方が、即効性があります。投薬で改善しない場合、睡眠時無呼吸症候群の存在も考えます。
  • 50代男性 一般内科 「状況により用いるべき」
    高血圧緊急症であれば薬物が必要と思われますが、そうでないなら血圧測定と生活習慣の改善指導がまずは必要です。
  • 60代男性 一般内科 「状況により用いるべき」
    悪性高血圧あるいは高血圧緊急症というものあるのでケースバイケースですが、すぐさま降圧しないと危険な場合もあります。
  • 50代男性 一般内科 「状況により用いるべき」
    「慢性的な高血圧症」ではなく、「一過性の血圧上昇」の意味だと解釈してお答えします。高血圧性脳出血、消化管や外傷からの動脈性出血、血圧上昇が心不全や狭心症に悪影響を及ぼしている、拡張期130超で短期的に腎機能を大幅に障害しそう、動脈瘤の切迫破裂、などの場合にはモニター下に注射製剤を用いて適正レベルまで降圧します。しかし、上記のような緊急症を除いては血圧が障害を起こすのは基本的に年単位なので、緊急降圧は行わないのが大前提です。

医師のコメントからは、慢性的な高血圧の場合、まずは生活習慣の改善を図り、それでも血圧が下がらない場合に降圧薬を用いるという声が目立ちました。
また、降圧剤にも副作用があるため注意が必要であるという指摘も見られました。
一方、高血圧緊急症の場合はすぐに降圧が必要という意見や、生活環境を変えられない場合は投薬した方が良いという意見もありました。

高血圧緊急症とは以下のような疾患です。

高血圧緊急症とは

高血圧緊急症は、標的臓器(主に脳、心血管系、および腎臓)障害の徴候を示す重症高血圧である。診断は血圧測定、心電図、尿検査、血清BUNおよびクレアチニンの測定による。

引用:高血圧緊急症 -04.心血管疾患 -MSDマニュアルプロフェッショナル版

つまり、臓器障害を伴う可能性がある重症の高血圧のことを指すようですね。

なかには、「投薬で改善しない場合、睡眠時無呼吸症候群の存在も考えます」といったコメントがみられ、高血圧の裏に睡眠時無呼吸症候群が隠れているケースもあるようでした。

降圧剤は積極的に用いるべき

  • 50代男性 一般内科 「積極的に用いるべき」
    よく、健康食品やサプリメントで粘っていて、結局降圧しないで経過している人を見ると心配になりますので投薬は比較的すぐに行い、生活習慣が整い血圧が低くなるようなら減薬、休薬を考えますと説明しております。
  • 40代女性 一般内科 「積極的に用いるべき」
    ある程度降圧したうえで徐々に生活習慣を改善して、薬を減量または中止していけばいいと思います。
  • 60代男性 一般内科 「積極的に用いるべき」
    まずは積極的に血圧を下げます。そして原因と思われることを指導して血圧が下がれば降圧剤の投与を中止、減量します。
  • 50代男性 一般内科 「積極的に用いるべき」
    原則は目標値に達するために降圧薬を用いるべきと思いますが、気温等を考慮して減薬することが漫然とただ内服することを避けるのに必要と思います。

「積極的に用いるべき」と回答した医師からは、まずは降圧薬を投与して血圧を下げてから、生活習慣の改善などをしていくという意見が多く寄せられました。
患者さんの中には、健康食品やサプリメントに頼ってうまく血圧が下がらない方もいるようで、そのまま経過するのはよくないため投薬するという場合もあるようです。
ただし、漫然と投薬を受けていればいいわけではなく、気温等を考慮して減薬していくことなども大事なようでした。

降圧薬はなるべく用いるべきでない

  • 60代男性 一般内科 「なるべく用いるべきでない」
    生活習慣の改善により相当程度下げることが可能であり、それを尽くしてから投薬を追加することが望ましいです。
  • 50代女性 一般内科 「なるべく用いるべきでない」
    まずは生活習慣の改善ではないでしょうか。
  • 30代男性 一般内科 「なるべく用いるべきでない」
    内服が必要な事もありますが、なるべく生活習慣の改善が望ましいと思います。
  • 60代男性 一般内科 「なるべく用いるべきでない」
    一過性の高血圧なら、降圧剤は使わない方が良いと思われます。
  • 40代男性 一般内科 「なるべく用いるべきでない」
    どの薬も必要最小限にとどめるべきと考えます。
  • 50代男性 一般内科 「なるべく用いるべきでない」
    薬はある意味毒ですから、慎重に使います。

こちらも、まずは生活習慣の改善を促す声が目立ちました。
さらに、この選択肢を選んだ医師のなかには、薬の使用自体にかなり慎重な方がおられました。薬は患者さんの状況などを踏まえ、本当に必要なときのみ使用すべきと考えているようです。
また、一過性の高血圧の場合は、降圧薬を使用しないとの意見もありました。

降圧薬を飲むタイミングや調整については医師と相談しながら

今回の調査では、「高血圧の際、血圧を下げる方法として降圧剤は積極的に用いるべきだと思いますか。」という質問に対し、「状況により用いるべき」という回答が57%で最多となり、次に「積極的に用いるべき」が37%で続く結果となりました。
降圧薬の使用については「使用すべき」とした医師の中でも、投薬が先か、生活習慣の改善が先かで意見が分かれました。
一方、どの選択肢を選んだ医師のコメントでも、漫然と投薬を続けるべきではないという意見は共通していました。
薬を飲むタイミングや調整については医師と相談しながら、自らの生活習慣改善の努力をしていくことが高血圧の治療には重要なようですね。

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