便秘が原因で腹痛を起こすことはある?525名の医師に聞いてみました

お腹を押さえる女性
525名の医師のうち、約9割の医師が「便秘は腹痛の原因になりうる」との見解を示しました。腹痛を発症する理由として、「便が出ないことで腸内の圧が上がるため」や「便意を催すときに腸管の蠕動運動が活発になるから」といった見解が挙げられていました。また、「腸管の水分減少により便が硬化するため」といったコメントを挙げた医師もおり、硬い便が腸内を通過する場合に痛みが生じる場合があるようです。一方で、痛みが継続する場合は、大腸がん、便秘型過敏性腸症候群、虚血性大腸炎などを疑うといったコメントがありました。便秘とともに腹痛が継続する場合は、自己対処だけで粘らずに一度病院の受診も視野に入れた方がよさそうです。
便秘・血便
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何日も便が出ない、排便できても便が固い、また残便感があるなど、様々な症状がある便秘。なかには「腹痛」を伴う症状もあるようです。
しかし、そんなに便秘が原因で腹痛を引き起こすことがあるのでしょうか。

そこで今回は、便秘が原因で腹痛を起こすことはあるのか一般内科医、消化器内科医、消化器外科医、一般外科医、計525名に聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年5月18日〜5月21日にかけて行われ、一般内科医、消化器内科医、消化器外科医、一般外科医の計525名から回答を頂きました。

便秘が原因で腹痛を起こすことはある

「便秘が原因で腹痛を起こすことはありますか」という質問に対し、以下の選択肢から選んでもらい、コメントを頂きました。

  • 大いにある
  • たまにある
  • あまりない
  • ほとんどない

以下が結果となります。

本調査では、「たまにある」と回答した医師が51%、「大いにある」と回答した医師が41%という結果になり、回答した約9割の医師が、便秘が原因で腹痛が起きると考えているようです。
まずは、便秘が原因で腹痛を起こすと答えた医師のコメントを見てみましょう。

92%の医師が便秘は腹痛を起こすと回答

  • 50代男性 一般外科 「たまにある」
  • おなかが張って痛みを感じることがあります。
  • 60代男性 消化器外科 「たまにある」
    便が出にくくて、腸内の圧が上がるとどうしても痛みが出ると考えます。
  • 60代男性 一般内科 「たまにある」
    便意を催すときに腸管の蠕動運動が活発になるので、時には腹痛を生じることがあります。
  • 60代男性 一般内科 「たまにある」
    便秘自体は腸管の水分の減少による便の硬化も影響しており、腹痛となることもあると思います。
  • 50代女性 一般内科 「たまにある」
    便の貯留のための膨満感による痛み、排便をうながす蠕動運動による痛みなど考えられます。
  • 40代男性 消化器外科 「たまにある」
    あまりにも硬い便秘だとありえます。また石のように硬い便秘の人で、大腸穿孔の手術をしたことがあります。
  • 50代男性 一般内科 「たまにある」
    便秘型過敏性腸症候群や虚血性大腸炎の鑑別が必要になるかもしれません。
  • 50代一般内科 消化器内科 「たまにある」
    大腸がんの可能性について念頭に置いておくべきです。
  • 40代女性 消化器内科 「大いにある」
    さらに痛みが持続する場合は重大な疾患が隠れている可能性があります。
  • 60代男性 一般内科 「大いにある」
    腹痛の原因がわからず、患者の訴えがあまりにも深刻なので、試験開腹を予定し浣腸をしたところ腹痛が治ってしまった。つまり便秘が原因だったケースが数例あります。
  • 50代男性 一般外科 「大いにある」
    腹痛で腹部のレントゲン写真をとると便が多いことをよく経験します。
  • 50代男性 消化器内科 「大いにある」
    厳密にいうと、腸管の運動が不適切なために腹痛と便秘が起きます。
  • 50代男性 一般内科 「大いにある」
    浣腸して腹痛がおさまる症例を何度も経験しています。
  • 60代男性 一般内科 「大いにある」
    通過しないとダメな便が貯留すれば、排出しようとして当然腹痛は起こります。

回答した約9割の医師が、便秘は腹痛を発症すると考えているようです。
「大いにある」と回答した医師のコメントには、腹痛で腹部のレントゲン写真を撮ったところ便が多く映っていたことや、浣腸にて腹痛が治まった症例があると、実例を挙げてくださった医師もいました。

医師のコメントからは、便秘により腹痛を発症する理由として「便が出ないことで腸内の圧が上がるため」「便意を催すときに腸管の蠕動運動が活発になるから」といった見解があり、腸の中の圧や蠕動運動が関係して痛みになるようでした。
また、「腸管の水分減少により便が硬化するため」といったコメントを挙げた医師もおり、硬い便が腸内を通過する場合に痛みが生じる場合があるようでした。
さらに、「便の貯留のための膨満感」を理由に挙げるコメントもあり、いくつかの理由があって便秘が腹痛を引き起こしているようです。

一方で、「痛みが持続する場合は重大な疾患が隠れている可能性がある」との指摘も。
「大腸がんの可能性について念頭に置いておくべき」や「便秘型過敏性腸症候群や虚血性大腸炎の鑑別が必要になるかもしれません」といったコメントもあり、便秘と併発している腹痛は、他の疾患にかかっている可能性もあるようです。
続いて、便秘が原因で腹痛を起こすことはないと答えた医師のコメントを見てみましょう。

便秘と腹痛の関係性を否定する医師は少数

  • 60代女性 一般内科 「あまりない」
    有るようですが便意を催すときの方が多いです。
  • 30代男性 消化器内科 「あまりない」
    必ずしも腹痛が出現するわけではないので。
  • 40代男性 一般外科 「あまりない」
    便秘による腹痛はあまりないと思います。
  • 60代男性 一般内科 「あまりない」
    高度の便秘時にはあります。
  • 50代女性 一般内科 「ほとんどない」
    時に高齢者が多いですが、腹痛を伴う便秘は器質性疾患が隠れている場合があるため、大腸の検査をすすめています。
  • 50代男性 消化器内科 「ほとんどない」
    痛くなるまでには至らないと思います。
  • 50代男性 一般内科 「ほとんどない」
    腹痛は重篤なものがないことが確認出来たら、痛みを追及するときりがありません。

「あまりない」や「ほとんどない」と回答した医師は全体の8%と、かなり少数派の意見となりました。
「必ずしも腹痛が出現するわけではない」や「痛くなるまでには至らないと思う」といった見解が見られた一方で、「時に高齢者が多いですが、腹痛を伴う便秘は器質性疾患が隠れている場合があるため、大腸の検査をすすめています」といったコメントも見られました。
前項においても大腸がんなど他の疾患の可能性についての見解がありましたが、「便秘が原因で腹痛になることはない」と回答した医師でも、必ずしも腹痛にならないわけではないと考えていることが窺えますね。

腹痛が続くなら、自己対処で粘らず受診も視野に

本調査では、「たまにある」と回答した医師が51%、「大いにある」と回答した医師が41%と、合わせて約9割の医師が便秘は腹痛の原因になりうるとの見解を示しました。
便秘が原因で腹痛を発症する理由には、「便が出ないことで腸内の圧が上がるため」や「便意を催すときに腸管の蠕動運動が活発になるから」といった見解がみられました。
また、「腸管の水分減少により便が硬化するため」といった見解を挙げた医師もいたことから、硬い便が腸内を通過する場合に痛みが生じる場合があるようです。
さらに実際に浣腸をして腹痛が治ったとういう症例を挙げた医師もいたことから、便秘を解消すると腹痛が治る場合があるようです。
一方で、痛みが持続する場合は、大腸がん、便秘型過敏性腸症候群、虚血性大腸炎などの可能性があること、また否定的な見解を示した医師からも「腹痛を伴う便秘は器質性疾患が隠れている場合がある」といったコメントがあったことから、腹痛が続く場合は病気が隠れている可能性があり、注意が必要です。
便秘とともに腹痛が継続する場合は、自己対処だけで粘らずに一度病院を受診することも視野に入れた方がよさそうです。

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