つらい頭痛に悩まされる方は多いのではないでしょうか。インターネット上では、頭全体や後頭部、頭の片側だけ痛むというように、頭の一部分に痛みが生じるという方が見られます。
そのなかでも、特に頭の左側が痛むという方がいるようです。このような場所が限定される頭痛は、何が原因で起こっているのでしょうか。
そこで今回は、頭の左側だけが痛む頭痛の原因として多い疾患について、脳神経外科、一般内科、神経内科の医師500名に聞いてみました。
※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年7月2日〜7月3日にかけて行われ、脳神経外科医、一般内科医、神経内科医の計500名から回答を頂きました。
頭の左側が痛む頭痛の原因に多い疾患とは?
今回の調査では、頭の左側だけが痛む頭痛の原因について、以下の選択肢から選んでもらい、コメントを頂きました。
- 片頭痛
- 群発頭痛
- 緊張性頭痛
- 後頭神経痛
- 慢性頭痛
- 脳腫瘍・脳出血にともなう頭痛
- 脳動脈解離
- 髄膜炎
- 慢性硬膜下血腫
- その他
以下が結果となります。
調査の結果、頭の左側が痛む頭痛の原因として多い疾患は、「片頭痛」が原因である考える医師が最も多いことが分かりました。
まずは回答の多かった上位3つの疾患について、あらかじめ抑えておきましょう。
片頭痛
“片頭痛は、中等度から重度の、脈打つような痛みやズキズキする痛みで、頭の片側または両側に生じます。身体活動、光、音、匂いなどによって悪化し、吐き気や嘔吐を伴ったり、音、光、匂いに過敏になったりします。
・片頭痛は、睡眠不足、天候の変化、空腹、感覚への過度の刺激、ストレス、その他の要因が引き金となって発生します。
緊張性頭痛
“緊張型頭痛は、通常は軽度から中等度の痛みで、頭がベルトで締めつけられるような感じがします。
・頭頸部の別の部位の痛みが緊張型頭痛の引き金になることがあります。
・頭痛の頻度は、月に数日のこともあれば、より多いこともあります。
群発頭痛
“群発頭痛は、左右どちらか一方のこめかみまたは眼の周囲に生じる重度の痛みで、比較的短時間(多くは30分から1時間)で消失します。群発頭痛は通常1~3カ月間にわたって規則的に起こり、その後は数カ月から数年ほど頭痛のない時期が続きます。
・頭部の片側に耐えがたい痛みが生じ、同じ側で鼻水や涙が出てきます。
・多くの人は発作時に落ち着きなく歩き回ります。
それでは医師のコメントを見ていきましょう。
- 30代男性 一般内科 「片頭痛」
片側に強い場合は片頭痛の可能性を考慮しています。 - 50代女性 一般内科 「片頭痛」
片側ということであれば片頭痛をまず考えます。 - 30代男性 一般内科 「片頭痛」
片側の場合であれば片頭痛が多いと思います。 - 50代男性 一般内科 「片頭痛」
片側の頭痛の場合は片頭痛が多いです。 - 40代男性 神経内科 「片頭痛」
片方が痛む頭痛として、数の上では片頭痛が多いかなと思います。 - 40代女性 一般内科 「片頭痛」
左右に片よるかわかりませんが、片頭痛だと思います。 - 50代男性 脳神経外科 「片頭痛」
片側・両側に限らず、片頭痛の頻度が高いと思います。 - 70代男性 脳神経外科 「片頭痛」
スマホやパソコンの影響も考えられます。 - 50代男性 一般内科 「片頭痛」
片則の場合は腫瘍や片頭痛が多いと思います。 - 50代男性 一般内科 「緊張性頭痛」
頭痛は頭の左右に関わらず、緊張性頭痛がいちばん多いと思います。 - 50代男性 一般内科 「緊張性頭痛」
ストレス、肩こりなどが多いと思います。 - 50代男性 一般内科 「緊張性頭痛」
運動不足気味かつ肩こりを有する患者さんであれば、緊張性頭痛だと思います。 - 40代男性 一般内科 「緊張性頭痛」
後頭部から片側の痛み、肩こりなどがあれば、緊張性頭痛かなと思います。 - 50代男性 一般内科 「緊張性頭痛」
頭痛の頻度から考えて緊張性頭痛が最も多いです。 - 30代男性 一般内科 「群発頭痛」
群発頭痛が一番多いと思います。 - 40代男性 一般内科 「群発頭痛」
姿勢の悪さや体を冷やす生活習慣などが原因で、頭痛を訴える患者さんは多いです。
今回の調査で「片頭痛」と回答した医師の中には、「頭の片側が痛む頭痛=片頭痛」であると捉えている方が多く、左右に関わらず片側に痛みを感じたら片頭痛の可能性が高いという声が目立ちました。
また、「スマホやパソコンの影響も考えられます。」という、近年特有の要因を指摘する意見もありました。よくスマートフォンやパソコンを使うといった方は、少し控えてみると改善されるかもしれませんね。
「片頭痛」の次に多かった回答は「緊張性頭痛」です。
こちらを回答した医師コメントによれば、運動不足や肩こり、ストレスを有する患者さんに多いようです。
運動不足や肩こりの方は、特に注意が必要ではないでしょうか。また、ストレスを溜めないためにも、日頃から気軽にできるようなストレス解消方法を用意しておくのも効果的かもしれませんね。
続いて、三番目に多かった回答は「群発頭痛」でした。
こちらのコメントからは、「姿勢の悪さや体を冷やす生活習慣などが原因で、頭痛を訴える患者さんは多い」との見解をいただきました。
頭痛を少しでも減らすためにも、日頃から生活習慣を正してみるのが大事かもしれませんね。
頭の左側が痛む頭痛は、片頭痛の可能性が高い!
今回の調査では、頭の左側が痛む頭痛の原因として「片頭痛」が最も多く回答され、次に「緊張性頭痛」、「群発頭痛」が続きました。
片頭痛との回答では「片側が痛む場合は片頭痛」といった意見が見られ、左か右かは関係がないことがうかがえます。
また、スマホやパソコンの影響もあると考える医師もおり、片頭痛が起きる原因は様々のようです。
2番目に多く回答された「緊張性頭痛」では、特に肩こりに関係するとのコメントがありました。
日頃から肩こりを気にされている方は、緊張性頭痛の可能性もあるみたいです。
続いて3番目に多くの回答を集めた「群発頭痛」では、姿勢の悪さや体を冷やす生活習慣などが原因で頭痛を訴える患者さんは多いとの見解があったことから、頭痛を少しでも減らすためにも、日頃から生活習慣を正してみてはいかがでしょうか。
ひどいときは日常生活に支障が出る頭痛。頭痛によって対処法が異なってくるので、自身がどのような頭痛なのかを知り、適切な対処をしたいですね。