貧血のとき、自己判断で市販の鉄のサプリメントを飲んでも大丈夫?副作用はあるの?医師523名に聞きました

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本調査によれば、「自己判断で市販の鉄のサプリメントを摂取しても良いですか」という質問に対し、68%の医師が肯定的な見解を示しました。肯定的な回答をした医師のコメントを見ると、「処方する薬剤だと胃腸症状で服用困難な方がいるため、サプリメントを勧めることもある」などの理由が挙げられています。一方で否定的な回答をした医師では、「貧血の原因が鉄欠乏であるとは限りません。仮に鉄欠乏貧血であったとしてもその原因(出血、悪性腫瘍など)を考えなければなりません。最初は医療機関を受診した方が良い」との意見を頂きました。また、鉄過剰症を懸念するコメントもあり、自己判断で摂取しても良いと考える医師が多いものの、病院受診の必要性を感じている医師もいるようです。続いて、「市販の鉄のサプリメントには副作用があると思いますか」という質問では、63%の医師が肯定的な回答を示しました。このように回答した医師からは、副作用として、胃腸障害、肝機能障害、食欲低下、吐き気などの消化器症状が挙げられました。一方で、否定的な見解を示した医師からは、「毒にも薬にもならないものがほとんど」、「その代わり鉄含有量が少なく効果も不十分」とのコメントが寄せられました。副作用が心配な方は、病院を受診し適切な処置を受けることをおすすめします。
貧血
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貧血になり、どう対処したら良いのかわからず悩んでしまったことがある方もいるのではないでしょうか。
対処法として鉄分の摂取を考える方も多いかと思いますが、なかなか普段の食事だけで全てを補うことは難しそうですよね。
そのため食事で摂取できない分をサプリメントで補えたらと思いますが、自己判断で市販の鉄のサプリメントなどを摂取しても問題ないのでしょうか。またその場合、なにか副作用はあるのかも気になりますよね。

そこで今回は、「自己判断で市販の鉄分のサプリメントを摂取しても良いのか」、「市販の鉄のサプリメントには副作用があるか」について、一般内科医、総合診療科医、血液内科医の計523名に聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年6月24日〜6月27日にかけて行われ、一般内科医、総合診療科医、血液内科医の計523名から回答を頂きました。

貧血のとき、自己判断でサプリメントを摂取しても大丈夫?

まずは、「自己判断で市販の鉄のサプリメントを摂取しても良いですか」という質問に対し、以下の選択肢から選んでもらいコメントを頂きました。

  • 摂取して良い
  • 多少なら摂取して良い
  • あまり摂取しない方が良い
  • 摂取しない方が良い

以下が結果となります。

  • 50代女性 血液内科 「多少なら摂取して良い」
    原因検索ができていることが、条件です。
  • 50代女性 総合診療科 「多少なら摂取して良い」
    処方する薬剤だと胃腸症状で服用困難な方がいますので、サプリメントを勧めることもあります。
  • 60代男性 一般内科 「多少なら摂取して良い」
    基本はきちんと病院がいいです。吸収率など問題となることや、サプリも品質がピンキリですので。
  • 60代男性 一般内科 「多少なら摂取して良い」
    ある程度の改善は期待できますが、貧血の原因疾患が存在すれば限界があります。
  • 60代男性 血液内科 「摂取して良い」
    鉄欠乏性貧血の診断とその原因が評価できていれば問題ないと思います。
  • 50代男性 血液内科 「摂取して良い」
    どの程度鉄分が含まれているかわかりませんが、別に構いません。
  • 30代男性 血液内科 「摂取して良い」
    特に若年女性では有効です。
  • 40代男性 血液内科 「あまり摂取しない方が良い」
    鉄過剰症の懸念があるためです。
  • 50代男性 一般内科 「あまり摂取しない方が良い」
    貧血の原因が鉄欠乏であるとは限りません。仮に鉄欠乏貧血であったとしてもその原因(出血、悪性腫瘍など)を考えなければなりません。最初は医療機関を受診した方が良いと思います。
  • 50代女性 血液内科 「摂取しない方が良い」
    鉄欠乏かどうか欠乏量も含め、たしかめるべきです。

調査の結果、「多少なら摂取して良い」と回答した医師は37%、次いで「摂取して良い」と回答した医師は31%となり、合わせると68%と半数以上の医師が肯定的な意見であることがわかりました。
肯定的な回答をした医師からは、「処方する薬剤だと胃腸症状で服用困難な方がいるため、サプリメントを勧めることもある」といった実例を交えたコメントを頂きました。
また、「貧血の原因疾患が存在すれば限界がある」と述べた医師もいることから、原因疾患がある場合はサプリメントでの代用は厳しそうです。
ほかにも、「原因検索ができていることが条件」、「鉄欠乏性貧血の診断とその原因が評価できていれば問題ない」との意見も寄せられたことから、きちんと貧血の原因が判明した上で摂取するか判断を下した方が良いとの見解が窺えました。

一方で、否定的な回答をした医師では、「貧血の原因が鉄欠乏であるとは限りません。仮に鉄欠乏貧血であったとしてもその原因(出血、悪性腫瘍など)を考えなければなりません。最初は医療機関を受診した方が良いです。」とのコメントを頂きました。

さらに、鉄過剰症の懸念や、鉄欠乏かどうか欠乏量も含め確かめるべきとの指摘もあり、きちんと貧血の原因を調べる必要性があることや、自己判断では鉄過剰症になる恐れがあることが理由のようでした。
本調査では、自己判断で摂取しても良いと考える医師が多いものの、病院受診の必要性を感じている医師もいるということがわかりますね。

ちなみに、医師のコメントにて出てきた“鉄欠乏性貧血”については、以下のサイトにこのように解説されていましたので、ぜひご一読ください。

鉄欠乏性貧血

“ヘモグロビンの主な材料である鉄が不足し、ヘモグロビンが作られなくなるためにおこる貧血です。その原因は大きく4種類に分けられます。

1.鉄摂取量の不足

欠食・偏食、無理なダイエット、外食・インスタント食品の多食などの食生活の乱れ等の原因により、鉄や栄養素が不足します。

2.鉄需要の増加

妊娠・授乳期は胎児の成長や母乳分泌に鉄が多く必要になるため不足が起こりやすくなります。また、思春期女子では急激な成長により血液量が増加し、鉄の需要も増加して貧血になることがあります。

3.過剰な鉄損失

月経(生理)過多や潰瘍、痔、ガンなどによる消化管からの出血が原因となります。男性の貧血の場合は、まず消化管出血を疑います。

4.吸収障害

胃切除などにより胃酸の分泌が不足し、鉄の吸収が障害されます。”

(引用:貧血の食事 | 食事療法のすすめ方 | 東京都病院経営本部

それでは、市販の鉄のサプリメントを摂取することで副作用が起こることはあるのでしょうか。続いて聞いてみました。

市販のサプリメントに副作用はある?

「市販の鉄のサプリメントには副作用があると思いますか」という質問に対し、以下の選択肢から選んでもらいコメントを頂きました。

  • 大いにある
  • 多少はある
  • あまりない
  • ほとんどない

以下が結果となります。

  • 60代男性 血液内科 「多少はある」
    鉄剤は胃腸障害の副作用があります。
  • 50代男性 一般内科 「多少はある」
    たまに肝機能障害を起こすことがあります。
  • 50代男性 一般内科 「多少はある」
    食欲が落ちたりするのではないかと思います。
  • 560代男性 一般内科 「多少はある」
    吐き気などの消化器症状はあります。
  • 50代男性 血液内科 「多少はある」
    鉄の含有量が少ないので副作用も少ないと思います。
  • 50代男性 一般内科 「あまりない」
    鉄の含有量がそれほど多くはないので利はありませんが、大した害もないです。
  • 40代男性 血液内科 「あまりない」 
    毒にも薬にもならないものがほとんどです。
  • 40代男性 一般内科 「あまりない」 
    (副作用があまりない)その代わり鉄含有量が少なく、効果も不十分であると思います。
  • 30代女性 血液内科 「ほとんどない」
    サプリメントで健康被害の人は見たことがありません。
  • 60代男性 血液内科 「大いにある」
    過剰摂取している場合はあります。

調査の結果、63%の医師が肯定的な回答(「多少はある」53%、「大いにある」10%)をし、残り37%の医師が否定的な回答(「あまりない」26%、「ほとんどない」11%)をしました。
医師のコメントを見ると、肯定的な回答をした医師からは副作用として、胃腸障害、肝機能障害、食欲低下、吐き気などの消化器症状が挙げられました。
しかし、「過剰摂取している場合はある」、「鉄の含有量が少ないので副作用も少ない」との見解を示した医師もいることから、少量であればあまり問題にはならないのかもしれません。

一方で、否定的な回答した医師からは、「サプリメントで健康被害の人は見たことがない」という実体験をもとにしたコメントもありました。
また、「毒にも薬にもならないものがほとんど」、「鉄含有量が少なく効果も不十分」とのコメントが寄せられており、効果が大きく期待できない分、副作用もあまりないのではと考えているようです。

市販のサプリメントを摂取する前に、貧血の原因を確かめよう

本調査によれば、自己判断で市販の鉄のサプリメントを摂取しても良いと考えている医師が68%と半数を超える結果となりました。
しかし、「貧血の原因が分かっている場合などであれば」と考えている医師もいらっしゃいます。
一方で、否定的な回答をした医師は、「貧血の原因が鉄欠乏であるとは限らないため、原因を考えるためにも医療機関を受診した方が良い」、「鉄過剰症の懸念がある」といったことを理由として挙げました。
自己判断で摂取しても良いと考える医師が多いものの、摂取する前に受診の必要性を感じている医師もいるということがうかがえます。

続いて、市販の鉄のサプリメントに副作用があるかについては、63%もの医師が「ある」と考えていることがわかりました。
副作用として、胃腸障害、肝機能障害、食欲低下、吐き気など消化器症状が考えられるようです。
一方で「ない」と回答した医師からは、副作用もあまりない代わりに鉄含有量が少なく効果も不十分とのコメントを頂きました。
市販のサプリメントを摂取する際は、貧血の原因を確かめて飲むようにしましょう。また、副作用が起きる可能性にも注意した方がよさそうです。

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